- ローリー・ハルツ アンダーソン, Laurie Halse Anderson, 金原 瑞人
- スピーク
内容(「BOOK」データベースより)
高校生活の一日目。わたしに話しかける子はいない。中学時代の友だちも、わたしと目も合わさない。すべては、あの夏の夜の、パーティーでの出来事のせい。ほんとうは何が起こったのか、わたしはだれにも言えなかった。グループでかたまる同級生たち。権利をふりかざす先生。台所に置いたメモでしか会話しない両親。そして、忘れてしまいたい、アイツの存在。のどに雪玉を詰めこまれたように、わたしは自由に話し、笑うことができなくなってしまった。いつか、この凍てついた沈黙を解かすことができるんだろうか。痛みを抱えた少女が、ゆっくりと少しずつ、懸命に自分を取りもどそうとする様をリアルに描く。全米のティーンエイジャーの圧倒的な支持を得た話題作。
まずは、岐阜県立図書館さんに心より御礼申し上げます
この本、地元の図書館にはなく、リクエストしたら何とはるばる岐阜県から借りてくれました!
ちょっと吃驚しつつ、有難く読ませていただきました♪
amazonであらすじを見て、読みたいなと思った作品です。
あらすじを見れば大体、どんな内容でどんな結末になるか分かってしまいますね。
前半はちょっと淡々として、期待したほど面白くないかも?なんて思ってしまいました。
27日が返却期限なので、土曜日までには返却しようと思い、のろのろ読んでいたのを一気に読んだわけですが、後半はかなり面白く感じられました。
読み終わると、「スピーク」と言うタイトルもしっくりきます。
あの夏の夜の、パーティーから道に迷い、森から抜け出せなくなっていたメリンダが、道を見つけ、真っ暗な森から抜け出した瞬間が、なんとも言えず心に響きました。
誰にも言えない。
言おうと思っても、どこからどう話せば良いか分からない。
言おうと思っても、誰も聞く体勢で自分に対峙してくれない。
話したいのに話せない。
内側から少しずつ壊れていく。
メリンダを取り囲む人物たちに、やきもきします。
そうじゃないの!話をしようよ、もっとちゃんと話し合おうよ、話を聞いてよ!
そんな感じで、イライラします。
ヘザーには猛烈に腹が立ちます。
うん、でもこう言う子って現実にいるんだよ。って、納得もします。
メリンダは、もっと逃げ出そうと思えば出来たはず。もっと自分を壊そうと思えば出来たはず。
メリンダに与えられた「木」と言うテーマが、妙にマッチしています。
読み終えるまで長いような気がするけれど、読み終えてしまうと、極寒の暗闇から春の陽射しの下に出たような清清しさを感じられます。
10代の子は勿論、10代の子供と関係を持つ大人にも読んでもらいたいなと思う作品です。
子供たちが何も語ろうとしないのは、子供の責任で、子供の問題か?
その子が悪い子だから、反抗期だから、何か気に入らないから口を閉ざしてしまったのか。
子供の口に糊をして耳を塞いだのは私たち大人じゃないですか?