- 中脇 初枝, 卯月 みゆき
- 祈祷師の娘
内容(「MARC」データベースより)
「お母さんいっちゃったなあ」 わたしはうなずいた。その瞬間、涙がどっとあふれてきた。わたしは声を出さずに泣いた-。初恋、友情、家族愛…。中学一年生、春永の自立の物語。
祈祷師になりたい春永と、生まれながらにその力を持った和花ちゃんと、人間になりたいひかるちゃん。
ないものを欲しいと思うのは自然な感情だけれど、それが絶対に得られないものだと分かっているだけ寂しい。
実は、図書館で2度借りて2度返し、3度目の正直で借りてきました。
表紙があまりに綺麗で、タイトルも厳ついの(?小難しそうなの)でなかなか読み出せずにいました。
ところが、いざ読み始めてみるとなんとも読みやすく、分かりやすく、アッサリ春永の気持ちが伝わってきて、すんなりと読めてしまいました。
春永が最終的にどんな結論に至るのかと、ドキドキしながら読んだのですが、なんとも読了後の清清しい、気持ちの良いお話で、「読んでよかった~!」と思える1冊でした。
一つの、ある意味、とても大きな壁を乗り越えた春永が、これから先、どんな女の子になるのだろうかと思ったり、和花ちゃんが立派に祈祷師を勤められるようになるのか、ひかるちゃんが見えるながらも周囲の人に受け容れられ、楽しく生きていけるのかと、その後を想像してみても面白い作品でした。