ああ、またあんたか。

最近よく会うな。

名前なんだっけかあんたの。

ああごめん、悪いとは思ってるよ。

嫌だね、年を取ると物忘れがひどくてさ。

え?…ああ、そうそう、思い出した。

ネガティブ。そうそう、ネガティブさん。

ネガティブさんはなんでそう…

あれだ、そんな馴れ馴れしいんだい?

いや、悪いって言ってる訳じゃない。

フレンドリーすぎやしないかいって事さ。

いやいやいい具合に付き合っていきたいけどさ。

こーね、ちょっとね。

距離を置きたいというか。

いやいや…

ああもうごめん。

本音を言うと会いたくない。

幸せ。

嘘じゃない。

けど、何か足りない。

何、ってわからないけど。

そもそも

幸せってなんだっけ。
人間を愛しているふりをしている。

本当は大嫌いな癖して。

繋がっていたいなんて大嘘で、

携帯すらも煩わしくて。

それでも世界にとどまる理由は何なのか。

わからないまま毎日を生きる。
次でいい。

次生まれて来る時、

その時に愛してよ。

今回は譲ってあげるからさ。

だから、次。

また俺と出会ってね。
いつか終わる日が来たら、俺はこの手を離すよ。

それまではもう死物狂いで繋ぐ。

その日がきたら、ちゃんと離すけど。

それまではもう、

これ以上はないよっていうぐらいに繋げていたいんだ。
羨んで、僻んで、喚いて。

そりゃあみっともない姿だ。

でもそうせざるを得ない。

だって羨ましい。

だって僻む程自分には何も無い。

自分に喚く。

そして俺は前を向く。

一呼吸に一休止。

さあ、

羨んで、僻んで、喚いて。

君のようになりたいと叫ぶ。
俺はとても無力で、

日々生きるのにも息切れして、

たまに無性に死んでしまいたくなる日もある。

だけどたまに「ああ今日も生き延びた」とか、

「今日は幸せだったな」なんて笑ってしまって、

その日が薄くなるんだ。

俺がもしも、その日を強く望んで、

死んでしまいたくなる日がきたら。

なあ。

あんたのその手で殴ってくれ。

あんたの今回のその人生、俺に譲って欲しいんだ。

代わりに差し出すものが俺の命と人生しかないけれど。


どうか、あんたには笑って生き延びて欲しいと願ってもらいたい。

あんたの幸せを真っ向から喜べる人間になりたい。

けど今は無理だと思う。

自分はそんな出来た人間じゃないし、

自分を幸せにするのにもいっぱいいっぱいで。

涙が出てくるほど、あんたを想う時もあるし。

いつか、そんな日々にさよならが出来る日がくるのなら、

その日、初めて心からあんたにさよならと言えるんだと思う。

それはたとえ、ひどい滑稽な泣き笑いであっても。
毎日、ご褒美をもらっている。
今日一日、生き延びていられるという事だという。
じゃあ今日、泣き喚いて、泣き叫んで、それでも息を止める事を選択しなければならなくなった人は。

何をもらったんだろう。

制裁か安楽か運命とでも言う?

それを決められず、僕たちは息を止める。

いつか止める。