
旅はもっともコスパの良い人生の予防接種
ある記事の募集中のハッシュタグに惹かれて、旅する自分のあのワクワクする瞬間を思い出してみた。
バックパッカーとして、様々な国を転々として過ごしていた若かりし頃。
慣れ親しんだ日常から飛び出すと、刺激的な景色や匂い立つ日常、覆される価値観、不確実な先の出来事、予測不能なトラブル。
そして海外に出て、初めて日本が輪郭を持つ。
これは、旅をしなければ得られない感覚。
そんなものに触れるチャンスがゴロゴロしていて、自分の伸びしろを増やしてくれるような、そんなワクワクする旅が大好きだった。
それは母となった今も変わらず。
子どもとの賞味期限付きの時間を味わい尽くすべく、そして母も同時進行で自分の喜びを感じ続けるために、親子で旅する事を決めた。
旅は、最もコスパのいい「人生の予防接種」だと聞いたことがある。
娘にとっても生きる力を育てるような。
人生に灯を灯すような、そんな旅の思い出を捧げたい。
日本でもいろいろな場所へ出かけたけれど、やはり海外へ飛び立ちたくて。
コロナ禍も落ち着いた頃、年中さんになっていた娘を連れてタイへ行った。
そこから毎年、学校の夏休みはタイで暮らしている。
世界は想像よりずっと優しい
ニュースで切り取られる世界を、勝手な想像や思い込みで満たしてしまう前に、実際に国境を越えていってほしい。
異文化接触は恐怖よりも共感を育てる。
国は違っても人は同じという実体験が積み重なる。
それは、文字からはけして学ぶことのない経験だから。
おっちょこちょいの私は、海外でも鞄の置忘れなどしょっちゅうで。
娘は恐怖で泣いてしまうこともあったけれど、最後は全てうまく収まった。
トラブルの度に、必ず親身に助けてくれる人が現れた。
「なんとかなる」
「助けを求めればいい」
「世界はこわくない」
そんな、世界に対する信頼感を、娘にも手渡したいと思う。
これは、子どもに残せる財産だと思う。
日本人は、世界でも稀に見る“自由に旅できる国民”だ。
最強のパスポートを使わない理由は、どこにもない。
けれど、今は海外志向のない若者が増えているという。
とてももったいない話だと思う。
旅から学べるものの大きさを考えると、学校なんて1年や2年休んででも世界を見ればいいのにと思う。
旅をした人間は、折れにくくなる。
旅は人生の逃げ道を増やしてくれる
旅をすると、慣れ親しんだ日常には落ちてはいないような人生の視点に出会うことがある。
1つの世界しか知らない人間にとっては、その世界がくずれれば逃げ場がない。
でも、別の世界を知っていれば、ここじゃなくても居場所はある、もっと楽な考え方や暮らし方もあると思える。
旅は生きる力、生き残るすべを育む時間でもある。
娘にとっても、タイに実家と思えるような場所、また会いたいと涙するような人々が出来た。
そんな優しい出会いや、あたたかい経験が、娘の人生に降り積もっていくことを願うばかり。