Kinera Imperial Nanna 購入レビュー | シュシュ星からの贈り物

Kinera Imperial Nanna 購入レビュー

秋も近付き、朝晩に肌寒く感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

ゴホゴホしているかたも多いので、体調にはお気を付けください。

 

今日はまた新しいイヤホンを購入したので、そのレビューでも。

 

本日の製品は、『Kinera Imperial Nanna』となります。

今回は、初めてイヤホンの中古として購入したものとなります。(そのため箱出しの音はわかりません。)

 

公式サイト

 

以前購入してレビューした「URD」と同じメーカー・ブランドラインの製品となります。

URDのレビューは以下を参照してください。

URDの記事でも書きましたが、このNannaがKineraを知るきっかけになった製品であり、気になっていた製品でもあります。

 

  スペック(公式抜粋)

モデル名    :Nanna(ナンナ) ※海外では、"Nanna 2.0 pro" または"imperial Nanna"と称されることあり。

ドライバ    :2EST+1BA+1DD(計:4ドライバー)
インピーダンス :60Ω
感度      :110db
再生周波数   :5Hz-50kHz
プラグ     :4.4mm / (2.5mm,3.5mmアダプター接続交換式)
コネクタ    :0.78 2Pin
ケーブル長   :約1.2m

 

国内での発売は、2021年6月とのことで、「URD」の1年ほど前の製品となっています。

URDはDDドライバー2基の5ドライバー構成となっており、ドライバー数では劣っています。

インピーダンスが60Ωと高めなので、スマホ環境などでは再生音量を高めにする必要があるかもしれません。ご注意を。

 

ESTドライバーとは、「静電型ドライバー」のことで、採用製品としては以前はSTAXが出しているイヤースピーカーが有名でしたが、専用のアンプが必要など結構大掛かりな環境になるもんであったと記憶しています。

 

特徴としては、表面全体で均一に駆動することで、振動歪みを無くし振動板が繊細な音の細部まで高精度でトレースできるらしいです。

本製品は、以下の構成で音域をカバーしているそうです。

 高音域 : ESTドライバー
 中音域 : BAドライバー

 低音域 : DDドライバー

 

 

 

前置きはこのくらいで、製品紹介と音質について。

 

箱は、Kinera imperial製品特有の6角形のものとなっており、「URD」と同等のサイズとなっています。

裏面にスペックや付属品等の記載が入っています。

 

 

開けるとこんな感じ。この梱包って、本体などが取り出しにくいんですよね。ぴっちりハマっていて。

 

同梱物としては以下。

  • イヤホン本体
  • 2pinケーブル: [バランス] 4.4mm
  • ケーブルアダプタ(コネクタ): [バランス] 2.5mm + [アンバランス] 3.5mm
  • キャリングケース
  • フォームイヤチップ  2 sets
  • Final Type E イヤチップ 5 sets
  • シリコンイヤチップ  6 sets
  • クリーニングブラシ
 

 

キャリングケースは、こんな感じで磁石で蓋が閉じる構造のものとなります。

それなりにしっかりした構造に感じますが、踏みつけたら普通に潰れそうではある感じくらいの強度です。

中は区切りなど無いので、イヤホンとケーブル入れるだけですね。

サイズも大きくは無いので、リケーブルで太いものにするとうまく収まらないかも知れません。

 

ケーブルは、初めから4.4mmバランスプラグになっています。

ケーブルのスペックは以下。(公式抜粋)

Material: 6N OCC+ silver plated
diameter: 2.0mm/core
Strands: 8 strands OCC of 0.08mm(diameter)+ 18 strands OCC of 0.06mm(diameter)+28 strands OCC of 0.08mm(diameter) per core
Cores: 2 cores
Cable skin material: PVC

プラグサイズの変更は、上記のようなアダプターによる変更となります。

 

付けるとこんなな感じ

・・・・・・さすがにポータブル用途で考えると強引では?

 

早速本体ですが、色味が上手く表現できませんでした。

 

シェル部分は、Kinera imperial シリーズの特徴であるハンドペイントされたオーロラや星空を模した青~青緑の部分と赤い岩山を模した赤橙で塗装されています。

また細かいラメも入っており、キラキラと特別感を作り出しています。

うちの製品は、青の部分が少な目で中間の青緑エリアが広めな印象でした。

ロゴ文字は、ペイントされたレジンの中に封入されているため、削れたりする心配はなさそうです。

 

Kinera inperial の凄いと感じる部分は、見た目や音質について、製品名に紐付いたコンセプトを設定し、確かにそのような製品となっていると感じさせるところだと思います。

適当に作って、良さげだから販売しようというような行き当たりばったりではなく、戦略的に取り組んでいると感じます。

 

本体はレジンですかね?ノズル部分まで一体成型となっています。

こちらは、イヤーピース固定のための段差や返しなどがありません。

基本的にはシッカリと固定されるため問題ないと思いますが、長年使い続けて皮脂などが付くと取れやすくなるかも知れません。

 

後ろ向きの面には、1つベント穴が開いています。

ただ、ほぼ音漏れは感じませんでした。

 

 

 

 音に関する雑感

 

中古購入のため、エージング時間は不明でのレビューになります。
 

■評価環境

DAP   : SONY NW-WM1Am2 (音調:ソースダイレクト + ハイゲイン)
イヤホン : Kinera imperial Nanna
イヤピ  : Spin Fit W1 (S)

ケーブル : 付属ケーブル(4.4mmバランス)

 

■音質レビュー(エージング:未確定)

高音  ★★★★★

 ・ここまでしっかりした高音は初めてかと思います。

 ・シンバルが耳元で聴こえることでかなりクッキリと捉えられる。
  (他のイヤホンだと奥に引いていて潰れ気味に聴こえることが多いのでミックスの問題かと思っていた)

 ・解像度はかなり高い印象

 ・硬質寄りな印象

 ・音の出の早く、鳴りは真っ直ぐ伸びやかな印象

 ・しっかりと聴かせる鳴りでかなり高音まで出てる気がするが、上品であると感じる

 

中音  ★★★★★
 ・基本的に埋もれることなく最前面に押し出されている

 ・音の出が早く、鳴りは真っ直ぐ伸びやかな印象

 ・解像度は高く滑らかに思う

 ・透明感ではなく通気性が良い音な印象(音はあるのにすべてがすり抜けていける感じ)

 ・軽やかで張りはあるが柔らかい音質

 ・もう少しウェットな質感が得られたらボーカル向け最高の評価にできたが贅沢に思うレベル

 ・中高音と言うか、低高音あたりで鳴りにくい帯域があるかも。

 

低音  ★★★★★

 ・しっかりと量感があり、切れの良い鳴りをしている

 ・ベースラインも拾いやすく、細かいニュアンスも得られる
 ・解像度は十分

 ・心地良いアタック感で弾力を感じる音質

 ・スピードがあり正確なビートを感じ取れる

 ・体に響くような振動はない(鼓膜は曲により揺さぶられるが強くはない)

 

解像度 ★★★★★

 ・全域高い

 ・輪郭は滑らかな印象

 ・音自体はクリア

 

分解能 ★★★★★
 ・結構良いと感じる(現在の所有イヤホンでは一番かと)

 ・全音域主張が強いが、それぞれがしっかりと聴き分けられつつも、バラバラになっていない

 ・フルオーケストラでも全楽器聴き分け出来そうなレベル

 

音場  ★★★★★

 ・広い気がします

 ・オケ聴くと中高音域はホール最前列、低音はちょっと距離を感じる1階奥の席って感じ

 ・Pops、Rockなどでは録音次第ですが狭い

 ・音の詰まり、籠りは無く閉塞感はない

 

装着感 ★★★★★

 ・本体は軽く、イヤーピースが合えば問題ないと思う
 ・数時間付けていても、今のところ痛くならない。
 ・寝ホンにしたいくらい

 

  総評

個人的には買って損なしに感じた製品です。

前述のとおり、個々の評価としては最高ランクで評価している通り、普通に良いイヤホンだと感じて貰えると思うが、特徴立てる点が見当たらない究極の普通感があるため、音楽を聴くという意味では面白みに欠けると感じる人が多そう。

オールジャンル行けそうだが、逆にこのジャンルにベストというものは見当たらない感じなので、初めて高額機を買う場合の候補としては、ちょっとオススメしにくい。

特に、2023年10月現在の金額だと値上げの結果、新品13万になっているので余計に。

 

驚くほど聴き疲れしないのは個人的に高評価。

音質的にもそうだが、装着感も良くURDより筐体は小さい気がする。

 

10万前後のKinera imperial URD、Moondrop 雪月花と比べても全く違う印象のため、気分で使い分けしていく感じになるかなと思います。

 

イヤーピースについて、最初はコレイルで聴き始めてみたのですが、高音域の強調と低音域の減衰、および音質の硬質化でつまらない感じに聴こえたため、SpinFitW1に早々に変更して聴いてる感じです。

 

中古購入なのでエージング済みかと思っていましたが、届いた直後は、前オーナーは高音の刺さりが耐えられずに手放したのかなと思う感じの刺さりが結構発生していました。

10時間くらいエージングしたら刺さりがほぼ発生しなくなったので、購入されてキンキン高音が耳障りに感じる場合は、20~30時間くらい鳴らしてから聴き直してみて下さい。

 

一点気になるのは、ケーブル断線すると純正変えない気がするのですが、この価格帯のイヤホンに合う代替ケーブルになると1万、2万が最低ラインになってくると思うので、最適なケーブルを見つけるまで買い続けるのは難しいのが悩ましいですよね。

 

nobunagalabs のギルガメシュ系とか、カッシーニ系、ケレスとかは気になっているが、高いのでどうしてもイヤホンのほうに資金回してしまいがち。