・告知を受けて早々に買った本がある。「腎癌のすべて」だ。編纂は国内で最も腎臓癌の手術件数の多い東京女子医科大学の田邉先生。専門書なのでそれなりに値は張るが、一週間ほど迷って購入した。
・ところで、仕事関係の本であれば自腹で1万円なんて当たり前なのに、こと自分の病気に関して一瞬でも迷ってしまった事実は今でも理解し難い、苦笑。案外、従順なサラリーマンというのはそういうものなのかもしれない、、、。
・本の内容をこと細かに書くつもりはないが、ネットで検索するよりも遥かに効率的に且つ信頼性の高いデータを得ることができる。写真とカラー刷りでわかりやすく体系的にまとめられており、自分のような素人でも読みやすい。さっさと買えばよかったと後悔しているほどだ(当時の一週間は存外に長い)。自分でいろいろと調べたいという方には特にお薦めできる本だと思う。
・敢えて「物足りなかったこと」を指摘すると、「若年層の事例」に焦点を当てた臨床データはやはり多くはなかったことだ。これは仕方のないことで、以前は自覚症状を発端とする腎臓癌の発見の比率が高かったため、自分のような30代以下の事例の集積はいまなお途上ということかもしれない。要は、事情はわかっているつもりなのだが、やっぱり術数日本一の病院といえども難しいのね、ということだ。
・この本では様々な角度から術後予後への影響が論じられている。全てを紹介するのが目的ではないので割愛するが、日本一の腎癌手術件数を誇る東京女子医科大学における腎癌の治療成績(2012年12月末まで、1491症例)は、ステージⅠ(症例数997)の10年全生存率で80%、10年癌特異的生存率で95%となっている。
・このほかにも、悪性度別、病理組織別、偶発癌/症候癌別といった切り口で生存率が示されている。いろいろあるが、それぞれが相関関係にあるためステージⅠの10年癌特異的生存率はやはり80-90%というのが結論となりそうだ。
・因みに、この本を広げている姿を嫁にみられると哀しい顔をされるので、なかなかおおっぴらに読むことが難しい、苦笑。そろそろ段ボールの奥深くにでもしまわなければとは思ってはいるが、いま読むとまた新しい発見がある。当時は予後とリンパ節転移のことばかり気になっていたのだなあと、ふと思い出した。