・前回紹介した本の中に興味深い論文の引用があった。腎臓癌における予後予測因子としてのCRP反応である。実は、既に「病理検査結果!」でも少し触れているのだが術前CRP値の水準により予後予測ができる」というものである。
・興味があれば最下段のリンクで本文をご覧頂きたいが、分析対象は転移のないpT1-3N0M0の患者101名(1986-2004)で、「術前CRP≧0.5mgの患者は有意に5年/10年生存率が劣っていた」というものである。
・具体的に、分析対象の全患者の5年/10年疾患特異的生存率が90%/68%であったのに対し、高CRP(≧0.5mg)の患者はそれぞれ75%/30%であった。また5年/10年無再発生存期間(recurrence free survival)をみると、高CRPのそれが56%/21%に対してCRP<0.5mgの患者は95%/91%となっている。
・無再発生存期間の結果は示唆に富んでおり、CRPが通常値(<0.5mg)であればステージⅠ~Ⅲに関わらず再発リスクは低いということになる(recurrenceなので転移は含まないと思われる)。逆に、ステージⅠであっても術前CRPが高いのであれば術後のフォロー検査は特に注意してみた方が良さそうと解釈可能だ。
・個人的には最後までリンパ節転移の有無が懸念材料として残っていたため、入院前は小径癌における転移の確率ばかりを調べていたのだが、こちらの論文をみる限りでは術前CRPが通常値であれば予後は平均的には良さそうであるのをみて、ちょっとだけ安心できた記憶がある。正確には、本論文における分析対象は「転移のないケース」に限っているのだが、そんな細かいことは当時はどうでも良く「CRPが低いのだから転移しているわけがない!」という心の支えにしていた。
・またCRPに着眼したその他の論文では、マーカーとしての有用性も示されているようだ(無料で読めるものがまだ見つかりません、、、)。残念ながら一カ月検診でのCRPは風邪を引いてしまったため余裕で0.5mgを超えていたのだが、今後の定期検査や健康診断でもフォローしていきたいと思っている。
<Increased preoperative serum C-reactive protein level predicts a poor prognosisi in patients with localized renal cell carcinoma>
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1464-410X.2006.06497.x/epdf