テーマがなぜ「つぶやき」なのかは、読んでもらえれば分かると思う。
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長年「カメラマン」をやっていると色んな撮影を依頼される。
まぁその殆どは読んでいる方も想像付くとは思うが、意外にも「葬式撮影」というのも多くある。
流石に「火葬場」までは撮影しないが(ってか、写すの怖いって)、告別式は多いかな?
この商売やるまでは「葬式」なんて故人や参列者に失礼だから撮影するもんじゃないって思っていた。
でも看板掲げているとそれなりに「葬式」の撮影依頼が来る。
大体が「社葬」で「記録に残したいから」というものだが「個人からの依頼」というのもある。
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冠婚葬祭は「タブー」ってあるでしょ?
結婚式だったら「切れる」とかの言葉を言わないとかとか。<例がこれだけ(笑)?
なので、自分は「葬式は撮影するものではない」という思い込みがあった。
そりゃそうだ。
故人を偲んでいる「葬儀」をフラッシュをパシャパシャ光らせて撮影する。
良い思いをしない人もいるんだろうと思う。
でもね「誕生」と同じくらい「死」というのも「大事」なんだと思う。
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天寿を全うした方、病気や事故で心ならずも亡くなった方。
人間、色んな形で「死」を向かえる。
ある時、こんな問い合わせがあった。
「御社で撮影した写真、まだ残っていますか?」
「はい、当社が無くならない限り、データとして残していますが?」
「一度見に行って構いませんか?」
正直「面倒だな」と思って断ろうとしたら、次のような事を言われた。
「私は御社が撮影した幼稚園を卒園した園児の保護者なのです。実はその子が1年生になって『これから』という時に病気で他界しまして…。お忙しいとは思いますが、うちの子が写っている写真をおわけして頂けたらと…(この先嗚咽で言葉が出なくなっていた)」
そうと聞けば動かないわけにはいかない。
とにかく来てもらってその幼稚園で撮影した全てのデータを見せ必要な写真を選んでもらった。
聞けば幼稚園に通っている間は、そんなに写真を購入していなかったようなのだ。
まぁ、まさか自分のお子さんがそんなに早く他界するとは思わないからね。
で、慌ててと言ったら失礼だが、とにかく自分のお子さんが写っているであろう写真を探して購入されていった。
取っておいてくれてありがとう。
こんなに素敵な写真を残してくれてありがとう。
当時は写真がこんなに有難いなんて思った事さえなかった。
何度も頭を下げて、その方は帰っていった。
自分の撮影した園児が既に亡くなっている事。
まだまだこれから無限の可能性をもっているであろう「その子」が、すでにこの世にいない事。
暫くは不思議な気持ちで仕事をしていた。
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葬儀の話しに戻るが、自分の人生の「師」と呼べる方がガンで亡くなった。
自分の音楽の師匠で、何故か知らないがご家族共々、すごい可愛がってもらった方だった。
たまたまだったが亡くなる直前、師匠の見舞いに行っていて家族以外で最後にあったのは私だという。
なので訃報を聞いた時は信じられなかった。
かなり著名な方だったので、葬儀にはものすごい人数の方がいらっしゃった。
自分は通夜と葬儀・告別式の時、受付を担当し(結構辛かったが)第三者的な立場でいた。
いよいよ故人とのお別れという事で、参列者が棺に「花」を入れていく。
受付の連中も呼ばれ蓋の開いた棺に花を添え別れを惜しむ。
その時自分は奥さんに言った。
「すみません。師匠の写真を撮らせて下さい!」
周りは静まり帰り、皆その提案に「唖然」としていた。
その場の空気は何となく分かったが、ほぼ無理矢理目をつぶって棺の中にいる師匠を何枚か撮影。
深々と頭を下げその場を去った。
後日奥さんに「あの日に撮影した師匠です」と写真を手渡す。
「火葬されちゃうともう二度と師匠のお顔を見る事ができません。最後の最後を記録したくて、叩かれようが蹴られようが撮影しました。このお顔以降の師匠にはもう思い出の中だけでしか会う事は出来ません。本当に無礼な振る舞いだとは思いましたが撮影させて頂きました。」
師匠の奥さん、それはそれは喜んで下さり、何度もお礼を言われた。
常識的に考えたら、当日自分のした「行動」は無礼だったかもしれない。
でも、故人の気持ち、奥さんの気持ちを考えたら「自分以外に記録に残せるヤツはいない」と思って動いた。
周りからどう思われても、故人や奥さんが喜んでもらえるのならそれで良いかなと。
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葬儀の撮影時、それが「子ども」「若者」だった時は本当にいたたまれない気持ちになる。
でも「依頼される」と言う事は、多生無礼になっても徹底的に撮影し、その「最後の瞬間」まで残してあげようと思っている。
そして(途中に書いたが)自分が撮影した人が亡くなる事もある。
「あなたが無為に生きた今日は、昨日死んだ人があんなにも生きたかった明日」
「記憶を残すお手伝い」をしている自分は、やっぱり全ての撮影で「気を抜いちゃいけないんだな」って思いながら、これからも撮影していこうと思う。
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