ホンダS500(4)
少年雑誌「ぼくら」1964年4月号のホンダS500
ぷらもったが子供の頃の少年雑誌です(約半世紀前)
ここにホンダS500が載ってます。
ホンダS500 市販開始当時の雑誌のS500を分析
1964(昭和39)年 東京オリンピックの年の4月号です。
ホンダS500についてのリサーチ中にお世話になった・・・
HP「くるま村の少年たち」・「くるま村工房」の主宰者 凡太郎氏
から提供していただきました。
ドライバーの少年が凡太郎氏の若き姿だそうです。
64年4月号なら実際に販売されたのは3月、撮影されたのは2月くらいの可能性があるので、市販車ではなく、量産試作車の可能性があります。
(S500 市販開始 1964年2月1日)
プラモではありませんが、ミツマジコウさんのご指導で、ちょっと分析してみたいと思います。
ナンバープレートがついてますから、64年2月から市販がはじまった「市販型」かと思いましたが・・・
1.フロントグリルが溶接の組立式・・・ミツマジコウさんによると、溶接組立グリルは市販車の一体型グリルにはあわないそうです。市販車のグリルは広くなったようです。
2.メッキのコンソールモールや内装キルティングも試作車の特徴だそうです。
ハンドル中央のHマークの下の文字が雑誌では、「HONDA」になっているので
市販車かと思いましたが、必ずしも試作車が「HONDA MOTOR」とは限らないそうです。
というわけで、凡太郎少年がモデルとなった、この車は量産試作車の可能性が高い、というのが結論です。
今のような完全に規格統一された日本車ではなく、改良改修を重ねていた創成期の日本車ですから細かい差違がたくさんあったのでしょう。
この試作車も結構市場に流れていたようで、現存するS500も細かく見ると
いつ頃の生産か判別できるようです。
このコグレの2版の箱写真も量産試作車でした。
中身のボディも
コグレ初版→2版前期→後期→S600ゼンマイ→スロットS600
→バンダイS600
と少しずつ変化がありました。
調べてみるとS500(スポーツ500)は難しい車でした。
プロトタイプ初期型→プロトタイプ中期・アメリカテスト及び広告撮影用→プロトタイプ後期・量産試作車
と多数のプロトタイプがあり・・・
さらにホンダの場合は、ミツマジコウさんによると
①段取り確認 ②品質確認 ③量産確認と3回も量産試作があった
そうで、市販までのホンダの試行錯誤のため、細かい差違ができて、判別が簡単で
はない車です。
プラモの方でも、コグレS500の2版は、
箱は量産試作車・側面はアメリカテスト車・キットは初期型プロトタイプ~量産試作車の特徴が混合
親戚キットのS600ゼンマイ ・スロットS600 ・バンダイS600も
それぞれ、少しずつ変化して、識別の難しいキットになってました。
1960年代、日本車の実車メーカーもプラモメーカーも、ひたすらより良い物を作ろうと、努力していた跡がうかがえたような気がしました。
(コグレS500 終了~)