コロナ禍で、初めて、あるいは改めて思ったことはいろいろありました。
今では当たり前になってしまっているので、忘れないためのメモとして書いておきます。
昨年5月の最初の非常事態宣言の時、沢山の人や企業が活動を控えましたが、
動きを止められない業種もたくさんありました。
その時、社会は様々な職種の人に依存し、つながっていることを実感しました。
自分独りの力で生きているように見える人でも、顔も知らない誰かの働きによって支えられています。
そして、これまで、経済的な意味では注目されてこなかった、
保育園や学童(本当は託児所ではないけど、学校も)が、
働く人を支えていることも浮き彫りになりました。
また、自分の勤め先でも、テレワークが進められましたが、どうしても出社せざるを得ない人達がいて、
その人達が、他の社員のテレワークを支えてくれました。
職種としては、誰にでもできると(言葉には出さないけれど)軽く見られ、
賃金も社内では低く抑えられてきた職種(一般事務)の人達で、
今までにない存在感を放っていました。
一企業内だけでなく、社会全体でも似たような事が起こり、ヨーロッパでは、
感染リスクを負いながら低賃金で働くスーパーのレジ係を褒め称える動画や、
書き込みがネットに投稿されて、日本でもニュースになりました。
当時は、美談として取り上げるメディアも多かったものの、
今は話題になることも、労働者条件が改善する事も特に無く
(賃金を上げた企業もありますが、極一部)、話のネタとして消費されただけのように思います。
「買い物」が貴重品で無くなった途端、忘れ去られてしまったようです。
(ワクチンが普及するよりも前に、話題にならなくなったので、ワクチン効果ではないと思います)
賃金というものは、社会への貢献度だけではなく、
立場が強いかどうかに大きく左右されるものだという事実が、
こんなにあからさまに見えたことは、今までにありませんでした。
現在、医療従事者に感謝する声を、あちらこちらで見たり聞いたりします。
私もお世話になっているし、感謝しています。
医療の逼迫が収まっても、今の気持ちを忘れずにいたいと思います。