以前、カタツムリを飼っていたことがあります。
ウスカワマイマイという種類で、殻が薄いのが特徴です。
殻の模様が個体によって違うため、一匹一匹を見分けやすいです。
同じ種のカタツムリでも、それぞれ個性(個体差?)がありました。
つつくと、大急ぎで殻に引っ込むのもいれば、
反応が鈍くて、すぐには殻に入ろうとしないのもいました。
一番目立っていたのは、つつかれると泡を出しながら殻をぐりんぐりんと振り回し、
大急ぎでミズゴケの中へ逃げる(カタツムリ的には全力疾走なんだと思う)個体です。
初めて殻を振り回すのを見た時は、あまりにも気持ち悪くて、
私は隣の部屋へ逃げました![]()
殻を脱ぎ捨てる気なのかと思いました!
まあ実際は、 そんなことあるはずもなく、
後で調べたところ、泡を出すのも殻を振るのも、外敵から身を守る方法なのだそうです。
カタツムリのような貝にも、こんな性格の違いがあるなんて驚きでした。
このウスカワマイマイは殻が薄いため、光の加減で、内臓がうっすら透けて見えることがあります。
運よく、産卵を観察できた時のこと、
一粒一粒、ゆっくりと産み出される卵とともに、
親貝の心臓(多分)が、早鐘を打っているのが見えました。
大きな負担に耐えて、次の世代を産む姿は、一言では言い表せないものがありました。
音を立てて卵の殻を食べたり、大好きな食べ物に気が付くと、なんだか動きが速くなったり。
弱った仲間の殻をかじったり。
飼ってみて初めて知ることがたくさんありました。
そして、人間って特別じゃない、たくさんいる生き物のうちの一つなのだと思わされました。