プラグイン・ユニット構造 | アマチュア無線の裏側で

アマチュア無線の裏側で

1970から1980年代の忘れがたい記憶から

八重洲がFT-101を発売した時、機構的に画期的だったのはプリント基板がプラグイン方式だったことです。これはコンピュータでは遥かに以前から採用されていた構造ですし、無線機類でも業務用にはありました。しかしアマチュア無線用の量産機ではFT-101が最初ではないでしょうか。それ以来、八重洲機ではしばらく標準的な内部構造となって、多くの機器に採用されていました。

 

この方式、色々とメリットはあるのですが、そもそも基板を挿入するカードエッジ・コネクタが元々産業用の部品ですし、機構的にも複雑になってコストは高くつきます。従って八重洲よりもコスト意識に敏感そうなトリオでは、最高級機のTS-900は採用していましたが、それ以外ではどうだったか?ちょっと今すぐには思いつきません。配線の引き回しも長くなりがちなので、カード間の回路の分割箇所にも設計は気を遣います。

 

FT-101の発売から暫く経ってからですが、八重洲が「郵便で修理の依頼ができる」事を取り上げ、一枚のプラグイン・ユニットに直接切手を貼った写真を宣伝に使いました(剥き出しなのはもちろんCM効果のためです)。ただしそれを可能とするにはユーザー側でどのユニットが不良なのかを特定できる事が前提で、それなりの知識が必要です。例外的に同機種の2台使いならば差し替えてみる手が使えますから、それには確かにプラグイン方式は便利だったでしょう(多分メーカー側でも)。

 

コンピュータでは昔の、それこそディスクリートのトランジスタや低集積度のロジックICで製作されていた時代にはプラグイン・ユニットとワイヤ・ラッピング配線が全盛でしたが、配線長がクロック周波数の向上に追従できずにそれらも廃れてしまい、今はカードエッジ・コネクタやラッピング・ツールの入手もかなり難しくなっています。アマチュア無線機の構造もコンピュータの歴史通りで細密ピッチのコネクタに移行しましたが、それもまたユニット間を接続するワイヤ・ハーネスが専用設計のフレキシブル基板に置き換わってきて、素人修理の難度は上がる一方ですね。