コリンズのKWM-2トランシーバーなどを見るとRF出力が100Wクラスなのに端子がRCA, つまりピンジャックなのには大概の日本人ハムは驚き、かつ不安になるのがお約束です。しかしオームの法則で仮に100Wを計算すれば、実効値で電圧は70V程と電流は1.4Aにしかなりませんからまったく問題視するに値しません。もちろんインピーダンスが整合値から外れると電圧も電流も高くもなり得るのですが、その振れ幅まで考慮したところで全然大した事はないのです。
ここまで書いてみて急に思い出したのですが、かつて「1.5D-2Vでも整合すれば1kW通せる」、と雑誌記事で読んだ事があり、さすがに直感的に無理そうに感じてそのまま忘れていました。
さて、気づいたからには確認してみましょうか。まず電圧は224Vになりますが、ポリエチレンの絶縁耐力は高いのであの直径でも全く不安はありません。また、誘電正接もプラスチック素材中最良なのでその損失も問題にならず、心配すべきは細いがゆえの端末処理の失敗だけです。なお、真空管式のリニアアンプでRFデッキを電源部から離す場合、アマチュア的には何kVという高圧配線用に同軸ケーブルを使う事がありますが、これも耐圧性能が信用に足るからです。
しかし表皮効果を無視しても電流の4.5Aというのがかなり大きく、あの芯線の細さで大丈夫だろうか?とこちらの方が気になります。ところが、規格の0.18sq撚線というのを一般的な電線の仕様と比較してみると、確かに電流許容値あたりに相当するようで、つまりは1.5D-2Vで1kWとは条件を整えればギリギリ正しいようなのです。私も意外でしたが、1kW用には5D-2Vでも不安な人が多いのではないでしょうか。
さて、以前「同軸ケーブルに商用電源100ボルト?」の投稿で、同軸ケーブルをACコードの代用とするのは御法度、と書いたきりそのままにしていましたが、絶縁トランスを介すれば許されるのかも知れません。これを否定するとリニアの高圧ケーブルはじめ、多くの自作の要素が引っ掛かってしまいます。但し全く無条件でもないのでしょう。そのあたりの事は私にも知識がありませんので、ここでは指摘に留めておきます。