【第04話】管弦楽部体験入部最終日～ついにヴァイオリンを体験する～

ぴよきちです。

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　なぜならば、プロフィールでは
　私自身、楽器を遅くに始めた境遇や
　その後の生活環境のせいにして
　ヴァイオリニストになることを
　ずっとずっとあきらめていたのちに、
　40目前という年齢から
　本当にやりたいことを追い求め、
　ヴァイオリニストとして活躍できるようになるまでの軌跡を
　包み隠さずお届けしているからです。
　お役に立てれば幸いです。


それでは、私の連載ストーリー
プロフィールで書ききれなかった
中３という超レイトスターターから
ヴァイオリニストとして活躍するまでに至ったお話の
第4話をお届けします

目次はこちらです
『ぴよきちがヴァイオリニストになるまで』


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【第04話】管弦楽部体験入部最終日～ついにヴァイオリンを体験する～
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部活体験最終日。


ついに私は
ヴァイオリンを
体験することになった。



音楽室の奥に扉があり、
いつも鍵がかかっていた。


開かずの扉のように見える
扉の向こうは、
実は部室なのだ。


部室と言っても
実際には楽器置場で、
元々は音楽準備室だったのを
部活の楽器置場にしただけだった。



中に入ると、
薄暗く、
ほこりっぽくて
あまりいい気持ちはしなかった。


たくさんの楽器が収納できるよう
壁一面が棚になっている。


真ん中の段に目をやる。


すみっこの方に、
ヴァイオリンらしき黒いケースが
２つほど並んでいた。


今日はヴァイオリンの
コンミス（※）と
呼ばれる席に座っている、
上品な2年生の女の子が
教えてくれることになっていた。
　※第一ヴァイオリンの女性の首席奏者。
　　　コンサートミストレスの略。


コンミスの女の子は
黒いケースを２つとも手に取り、
音楽室に持って出た。


ケースを開けて
中をチェックしている。


「うーん。
　こっちの方がまだいいかな…」
　
　
私は覗き込んだ。


え…
き、汚い…

ケースの中に入っていたのは
ボロボロのヴァイオリンだった。


ニスの光沢など全くなく、
ひどく汚れており、
金属部はさびている。


えー
これを弾くの～！？


学校の備品のヴァイオリンは
丁寧に扱われているとは
到底思えない、
ひどいありさまだった。



ヴァイオリンより一回り大きい
ヴィオラを体験したばかりだったから、
弾き方なんかもすごく似ていて、
私はすんなりヴァイオリンを構え、
音を出し始めた。


コンミスの女の子も


「じゃあ、これできるかな。」


どんどん課題をくれる。


ヴィオラに比べて楽器は軽いし、
左手で押さえるのも、
弦の太さの違いは微々たる物でも、
ずっと軽く楽に感じられた。


楽しいかと聞かれれば、

楽しくはあった。

しかしこの時の私の気持ちは…


管ならどの楽器やる？
って聞かれたら

トランペットだな〜

（ぴよみ部長と同じ♪）

弦なら…

ヴィオラかな～！

なぜって、

学校のヴァイオリンが汚すぎた。

とにかくボロボロすぎた。

全く持ってときめかなかった。


まだコンミスの女の子の
上品な顔立ちにの方が
ときめく、とすら思った。

学校の備品の
ヴァイオリンに比べて、
ヴィオラの方が
断然綺麗だったのだ。


そして部活体験は終わった。


… ♢ …

部活に入るためには、
入部届けを出さないといけない。


しかし
私は迷っていた。


部活体験が終わったのち、
ぴよみ部長のいない所で、
副部長と名乗るトツ子から
こう言われたのだ。


「今年、うちの部に
　入部した人数が少なかったの。
　
　管楽器、
　特に木管は希望者が多かったけど、
　その楽器になれる子は
　各楽器一人と決めて、
　第一希望でかぶった子たちは
　くじで決めたの。
　
　第一希望からもれた子は
　全員、
　弦楽器にまわってもらった。
　
　
　転校生だからって
　途中から入ってきて、
　あなただけ特別に
　希望する楽器にとかできない。
　
　
　管楽器はナシだから。
　分かるでしょ？
　
　
　ヴィオラは
　まとまってるところに
　新しい子に入ってほしくないって
　言ってるから。
　
　
　ヴァイオリンが
　一番人数要るけど
　足りてないから、
　入部するならヴァイオリン、
　ってことになるから。」


…。

…え。

……何それ、
聞いてないよ。

部活体験の最初に言ってよ！


ぴよみ部長と同じ

トランペットはダメ、

きれいな楽器の揃った

ヴィオラもダメ。

別にヴァイオリンに
興味がないわけじゃない。


ヴァイオリンで入部するってのも
ありだと思う。


でもあの汚いヴァイオリンを
見ても、
触っても、
まーーーったくときめかない。


うーーーー


どうしよう…。



まだ中学生の私は
自分でも自分の気持ちが
よく分からなかった。



ふと思い出した。


ぴよみ部長と話したときの
ほっとした気持ち。


ほんわか
優しいコンミスの女の子。



私はもしかしたら、
この人たちと
関わりを持ちたいと
どこかで思ったのかもしれない。


よく分からないけど、
とりあえず入ってみようと、
私は転校先の中学校で
管弦楽部への入部を決めたのでした。



つづく



あとがきと次回予告書いてます。
ぜひ最後までお読みくださいませ♪

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… あとがき＆次回予告 …

今日は更新時間が
遅くなってしまいました。

平日なのに
一日中子供が家にいると、
ごはん作って食べたと思ったら

「なんか食べたい～」

とか言う声が
すーぐ聞こえてきて…

一日中、
台所に立っているような
錯覚に陥るんですが…
私だけでしょうか

… ♢ …

次回のお話は…

仕方なく、弾いてもときめかない
バイオリンパートで管弦楽部に
入部したぴよきちだったが…

＜ 第5話へ ＞


…………………………………


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