私の専攻は、元々は電子電気工学です。
  
最近話題の磁界や電磁波は人体に有害なのか!? 


これは未だに科学的に公に実証はされていません。
もちろん、兵器として使われるような超高出力な電磁波を浴びるなどの場合は除きます。
   
通常の生活環境における、私たちの周りにはありとあらゆる電波(電磁波)が飛び交っています。

「電磁波」という正式な呼び方は、電界と磁界の波、あるいは電気力線と磁力線の波ということを正しくいい表した学問上の呼び方です。

しかし、波長が異なると波としての性質は非常に変化するため、電磁波の呼び方は歴史上の事情もあってバラエティに富んでいます。波長の長い方から「電波」、「光」、「放射線」があり、電波の中もさらに細かくわかれていてその用途もさまざまです。
ちなみに電波の周波数による分類は、極超長波・超長波・長波・中波・短波・超短波・極超短波・マイクロ波と様々でそれぞれ性質も全く異なり、すべて電磁波ですが作用や影響も異なります。

この中で、マイクロ波は電子レンジなどでも使用されていてある程度以上の電界強度では身体への影響が大きいのは明らかになっています。

  
しかし、電波がすべてなんでも危険なものか?と言うとそれぞれの周波数やその強さにもよって性質も異なり一概には言えないのです。

その中で電波は人体に危険で有害だとして、色々な対策を商売にして利益のために煽っている製品が売られているので気を付けた方が良いでしょう。 これらの対策品のほとんど科学的根拠が無い、効果の無いものばかりです。

  

また、身の回りの微弱な電磁波に過敏な、電磁波過敏症と言われる人が中にはいらっしゃるようですが、実際その様な方もいるのだと思います。

だからといってすべての人に有害だから何とかしようと言うのはちょっと早計ではないでしょうか?

例えば、ある人が蕎麦を食べて死ぬほどの症状がでたので、これは毒だから食べてはいけないと言っているようなものです。  
牛乳や卵で具合が悪くなる人も居ますが、これらは危険物でしょうか?

  

また、ネットの色々なサイトでは電磁波も磁界も電界も一緒くたにして危険を煽っています。それぞれ全く異なるものを表しているものですし、逆に磁気治療器や電界治療器という医療機器になっているものもあります。

美容界でとても効果があり広く使われている『インディバ』などは、身体に高周波を当ててその部分の細胞温度を上昇させて効果を得ています。

  
【アーシング】
最後に、身体に溜まった電気をアースするアーシングについてですが、身体に溜まる?のは静電気です。
電波自体は溜まる性質のものではありません。 電波は波動ですから(笑) 
また磁気も磁性体でなければ溜まりませんし、磁気はアースしても意味がありません。
アーシングで放電できるのは静電気です。
  
以下の写真は、ネットで人体のアーシングの有無で電圧の変化を見たというものですが、まったくの意味の無いまやかしの測定です(笑)

 



 

 

上の写真では、下図の上段のようになっていて、電圧計の片端が被測物繋がっていないので全く意味がありません。
あらゆるノイズや誘電ノイズを表示していると思われます。
人体のアースの有無での変化を見るなら、下段のようにする必要があります。スイッチをONにするとアースされますのでスイッチのオンオフでの電圧の変化をみるべきです。

また、このような測定で測定可能なものは直流電位のみで、交流電位やまして電波などの高周波、磁気などは全く測定できません。
電圧計を電界強度計や他のものに変えても無駄です。
(図中のV記号はデジタル電圧測定器です。ちなみに身体に帯電する電気は直流だけです。(笑) )