(前回「熊野古道:伊勢柏崎から大内山へ」より続く)

 

 

 上図は、1927年鐡道補入の五万図「長嶋」(部分)。

 

 図に見られるように当時、紀勢東線の終点は三重縣度會郡大内山村の大内山停車場。

 

 伊勢柏崎~大内山間が鉄道運輸営業を開始したのは、1927年11月13日*です。

 

 

 大内山の駅前休憩所で休憩した後、梅ヶ谷駅に向かいます。

 

 

 上画像は、1875(明治7)年、伊勢の河崎から移設されたものという、中組の常夜灯。

 

 右奥に見えている鳥居をくぐると、頭之宮四方神社の参道に向かいます。

 

 

 

 続けて上画像は、大内山村「閉村の碑」。

 

 度会郡大内山村は、1876年、駒村・間弓村・川口村・中野村・米ヶ谷村が合併して成立。
 

 2005年、紀勢町・大宮町と合併。大紀町が発足したことにより「閉村」となりました。

 

 

 さて、熊野古道伊勢路(熊野街道)をさらに南進、荷坂峠を目指します。

 

 

 曉鐘成『西国三十三所名所圖會』(1853年)によれば、

 

 是より阿曽柏野崎村駒村間弓大津梅ヶ谷を経て二坂峠に至る

 

 また、橋本澄月『西国三十三所観音順拝道中記圖會』(1880年)によれば、

 

 三せ 一里 野尻 一里 阿曽 一里 柏の 十八丁 崎村 十八丁 駒村 一里 間弓 十八丁 大津 十八丁 梅ヶ谷 十二丁 二坂峠 

 

という道のりなのですが、 

 

 

国道42号の梅ヶ谷交差点には、上画像の道標。

 

 東紀州地域活性化事業推進協議会『熊野古道 伊勢路』(2003年)によれば、江戸時代に荷坂峠が拓かれるまでは、ツヅラト峠が使われていたとのこと。

 

 今回は、ツヅラト峠に比べより距離が短い、荷坂峠に向かいます。

 

 なお、ツヅラト峠の紀北町側からは2018年の「熊野古道 ツヅラト峠」、大内山側からは2021年の「熊野古道ツヅラト峠」。また紀伊長島からの荷坂峠については、2018年の「熊野古道 荷坂峠」を、ご覧下さい。

 


 

 上画像は、JR紀勢本線の梅ヶ谷駅。

 

 

 駅の開設は1965年で、ホームは1面2線。

 

 奥に見えているのは、荷坂トンネルです。

 

*『官報』1927年11月8日