先日、奈良の斑鳩に行きました。
この日の目的地は、斑鳩文化財センターと法隆寺、「中宮寺と中宮寺跡」。
斑鳩文化財センターでは、秋季特別展「世界遺産登録30周年記念 法隆寺地域の仏教建造物」が開催中。
法隆寺金堂の古材や軒瓦、五重塔古材(心柱)が展示されていました。
次は、拝観料1500円を払って、
西院伽藍を見学。
上画像は、特別開扉中だった上御堂。
続けて上画像は、食堂と細殿の双堂です。
次は、聖徳会館で「鈴木空如筆 法隆寺金堂壁画展」を見学。
彼は現在の秋田県大仙市の出身で、火災で焼失する以前の金堂壁画を三度にわたり原寸大で模写し、後世に伝えた人物。
今回は三作目の十二点が展示されていました。
ポスター画像は、第6号壁「阿弥陀浄土図」の脇侍「観音菩薩」でしょうか。
焼失以前の壁画を見た和辻哲郎『古寺巡礼』によれば、
本尊の釈迦やその左右の彫刻には目もくれずにわたくしたちは阿弥陀浄土へ急いだ。この画こそは東洋絵画の絶頂である。(略)脇侍を個々に観察すると、その魅力はまた本尊以上に強い。
金堂壁画を模写した鈴木空如も、脇侍の観音菩薩を「最もすばらしい仏で、自身の終生の手本とした」と語っていたそうです*。
なお、聖徳会館の正面に並ぶ二つの小堂のうち、右の単層宝形造は、旧富貴寺羅漢堂**です。
また、この日は、夢殿が特別開帳中。
本尊の「救世観音像」は、和辻哲郎が『古寺巡礼』(岩波文庫)で、
薄暗くなっている廚子のなかに、悠然として異様な生気を帯びた顔が浮かんでいる。
と書いた秘仏なのですが、こちらは残念ながら、厨子の中が薄暗く、あまりよく見えませんでした。
*大仙市『鈴木空如筆 法隆寺金堂壁画鑑賞の壺』(2021年)
**文化庁「国指定文化財等データベース」より「旧富貴寺羅漢堂」