[七曲り荘日記]
●巻頭連載[第125回]
「我らの時代の墓碑銘を描く画家――その淫蕩する光線」
「円形脱毛」
佐藤ブライアン勝彦●作品&文
●エルマロの柚木さん(右)と渋谷で叫ぶ 。
髪が伸びて邪魔なので、そろそろ友達の美容院を予約しなきゃな。
と後ろ髪をかきあげたら違和感。
あれっ? 人差し指にツルッとした感覚が!!
確認すると、また円形脱毛になってた。
何年か前のブログでも、たしか円パゲの事を書いたような気がする。
原因は、店が忙しくて絵を描けないのがストレスで、ハゲたんだと思う。
ん〜、ショック。
頭皮は嘘つかないな(笑)。
週休2日にするしかハゲは治らなそうです。
[今週のブライアンのお勧め小説/パウロ・コエーリョ 『アルケミスト』角川文庫]
●羊使いのサンチャゴは、彼を待つ宝が隠されているという夢を信じ、アフリカの砂漠を越えピラミッドを目指す。様々な出会いと別れを経験し、少年は人生の知恵を学んでゆく――。
●最初に読んだのは、もう20年以上前だと思う。表紙もこの絵じゃなかった気がする。
友人のアメリカ人がブラジルへ旅行した時、メールをよこした。
「今、サンパウロの図書館にいるんだけど、ブライアンが好きそうな本があった。アルケミストを読んでみて」
その時点で、すでに10回以上は読んでいたんじゃないかな。
●この本は10代〜20代の若い時に読むといいかもしれない。
信じる心の大切さを教えてくれる一冊。
●美白アプリで撮ったら韓流スターぽくなったやつ 。
「こういう人、韓流映画にいますよね 」(かっちゃん)
「真面目な狂人役」(曽根)
「そんな感じ。女騙したり、食べ物に毒いれたり、車に偽装工作して人殺してそう。あと会社のっとり」
「そこまでは言ってない 」
4月11日(木)鬼子母神は晴れ。
午後2時、大家さんへの和菓子(草餅・求肥・桜饅頭×2人分)を買い、隣りの不動産屋へ寄る。
ようやくである。
(たったこれだけのことを、2カ月以上? も躊躇していたのだ)
応対したのは以前も何度か面倒をかけた女性である。
電話番号を訊かれ、慌てて、うろ覚えを伝える。
(ケイタイは部屋に置いとくクセがある)
物件が見つかり次第、連絡をくれるという。
さて、どうだろう?
私の素性は彼女に知られている。
ま、なるようになるさ。
あがいたところで、こういうことは運命だもの。
不動産屋だって、そこだけじゃないのだ――けれど、不思議と彼女へ好意を持っている自分もいる。
59年間、自分のした決定に満足したことがない私だ。
七曲り荘だってボスYが決めてくれたおかげだし。
10日間大阪へ行っていた大家さんと娘さんへ、和菓子と家賃を渡す。
その後、部屋で確かめたらケイタイ番号が間違えていたので、あらためて不動産屋へ電話して伝えた。
電話を切ると、なにやら、あしらわれた気分をおぼえた。
[夕食]
●赤魚粕漬(半額品)
●納豆2パック(包丁で叩いてネギと大葉を刻み)
●海苔
●作り置きの煮豚3切れ(酢醤油にラー油と辛子)
●カブとキュウリの糠漬け
●ごはん
●ほうじ茶
(暖かくなってきたので、味噌汁の作り置きは中止とした)
歯がダメになってから大粒納豆が苦手となった。
とはいえ、今さら小粒に替える気もない。
手間はかかるが、叩いてひきわりにすると、うん、旨い。
俎板には、折りたたんだラップを敷いて叩いた。
作り置きの煮豚(バラ肉ブロック)は、1,000円ほどのものを常に「半額」で。
塩で煮て、あとはこうして食べるか、チャーハンやラーメンに入れたりする。
魚同様、スライスしたものよりブロック肉のほうが味がいいのはもちろん、実はかなりリーズナブルだ。
ほら、豚コマは半額にならないからね。
すでに何度も書いたが、ヒモ暮らしをしていた下石神井時代、なじみのスーパーの店員たちから、陰で、
「半額くん」
と、呼ばれていた(インサイダー情報)私だもの。
三つ子の魂百までだ。
4月12日(金)鬼子母神は曇り。
午後1時、生活保護課の担当ケースワーカーが、新しい担当(女性)を連れて部屋へ来る。
とはいえ、寝たきりなので布団が敷きっぱなしだ。
座卓で調理をしているので、その上だって乱雑だし、煙草のヤニで黄色くなったヨレヨレのカーテンも恥ずかしい。
そのため(断って同意を得て)部屋へは入れず、流し前の半畳に3人が立ち、引き継ぎをする。
いつもは廊下と流しからの対面となるのだが、今回は中に入ってきたのだ。
わざわざ扉まで閉めて。
(さすがに流しと部屋の境の暖簾を背に、私は半歩部屋へ後ずさった)
20センチ面前の2人の視線がいたたまれず、墓穴があったらミミズやモグラの餌になりたいと身をすくませた。
彼らは職業上か、決して笑みを漏らさない。
私はわたしで何もかもが恥ずかしい。
この間、2分。
扉を閉めた途端、一心にわかに[シアン100%+マゼンタ80%+ブラック100%]と搔き曇り、慌てて薬をざらざらと飲みこむ。
で、疲れ果て、たちまち眠りに落ちた。
緊張から、2時間ほどしか眠れなかったからだ。
眠る寸前に身もだえした。
「くそっ、なんであんなにペコペコ頭を下げちゃうんだろ」
「生活保護受給者の忸怩たる思い」4000字感想文レースで、大賞を獲れるんじゃないかしら。
別名「引かれ者の小唄」大賞を。
しかし、眠りは私をきれいにしてくれるはずだ――と信じて眠る。
[今週の曽根のお勧め作品/ ]
[NMIXXつれづれ草]
●容姿は「姫」だが、低い声とデカいくしゃみと男子高校生みたいな態度が「将軍」と(公式からさえ)呼ばれるソリュン(20歳)。
すみません。
今週はどちらも
休載します。
4月13日(土)鬼子母神は曇り。
私は以前、某女子スタッフから「曽根さんは女の不幸を撮るよね」とお褒めの言葉を頂いたこともあるカメラマンであった。
――とここまで書いて、便所へ立ち、戻って座ったら、何を書く気だったのか、一切を忘れてしまった。
やばい。
あれ?
これがアルツハイマー型認知症の始まり?
いや、これくらいなら、もう10年前から始まっていたような?
気を取り直して、食事をしよう。
[朝食兼昼食]
●インスタント喜多方ラーメン(煮豚、卵、メンマ、ワカメ、三つ葉)
喜多方ラーメンが全国区で有名になったのは80年代後半らしいが、近県では70年代から有名だったのだと思う。
なぜなら、小学生か中学生(70年代半ば)のころに、宮城から喜多方市まで食べにいったことがあるからだ。
(毎年夏に親父の幼なじみ5家族と、2泊旅行に行くのが恒例で、そのスケジュールに入っていたのだ)
親父の提案であったらしく、店は憶えていないが、2階の広い座敷で、私たち総勢20人(大人10人子ども10人)で食べた様子が今も頭に浮かぶ。
「こっちじゃ、こうして座敷で喰うのが普通らしい」
親父は味にうるさく(オフクロは正反対)、ラーメン好きで、観光バス運転手であったから、北海道から京都までの各所を知っており、喜多方ラーメンの評判もまた聞きつけたのであろう。
少年の私の感想は「うちの(古川市)のラーメンと変わらないな」であった。
どちらも、鶏&豚骨&魚介出汁のあっさり醤油味で、具は煮豚、メンマ、茹で卵スライス、ネギが定番。
食後の息が、煮干し&サバ節臭くなるのも同じ。
ただし、うちの町いちばんの店の若旦那は、90年代にフランスでも有名だったハードコア雑誌『お尻クラブ』の愛読者という、隠し味が効いていたが。
あれ?
この話も、書いたことがあるな。
それも何度も。
10年以上も書いていると、やはり話がだいぶダブるな。
若いころ、好きな作家のエッセイで、以前も読んだエピソードに出くわすと、
「ネタが尽きたのか?」
「健忘症?」
「原稿の2度売りじゃないか」
と、悪態をついたもんだが、自分には優しい私だ、この際、眼をつぶろう。
で、このまま瞑目したまま灰になりたいもんだ。
気を取り直して、月曜日の昼が〆切の連載詩をまとめよう。
ここ数日、幾つかの数行フレーズをメモしてきたので、それを「呆然」と眺める。
うう、眠い。
季節の変わり目は、いつも以上に体調最悪、気分は落下傘、で、眠気ばかりがつのる。
そんな身で、読者を「勇気づける詩」を書くのは、職業倫理が欠如していると思われてもしようがない。
ううダメだ、ギブアップ、今日は眠っちまおう。
こんな頭じゃどうしようもない。
おやすみなさい。
やはり、引っ越しが終えるまで、気が落ち着くことはないな。
でも、新しい場所に移れば、体調ともども活性化するかもしれない。
しかし、それまで、こんなヨレヨレのブログがつづくかもしれない。
が、ま、あなたも眼をつぶってちょうだい。
せめて我らだけでも、許しあおうじゃないか、こんな世界なんだから。
じゃ、瞑目します。
ところで、来世は「女の不幸」まで撮るカメラマンにはなりたくないな。
自分の不幸は悟れず、他人様の不幸を引き出すなんて、ヒモのすることだもの。
じゃ、よい夢を。
[処女詩集販売中]
『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』
著者:曽根 賢(PISSKEN)
ドローイング:佐藤ブライアン勝彦
判型A5/平綴じ/96ページ
部数:300部
税込み価格1320円
さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。
2書店のサイトを検索してもらって注文してください。
ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。
※詩集には私のサインが入っています。
「タコシェ」
http://tacoche.comには、遊離型テストステロン値が11.8 pg/ml以上であればあれば要注意(ボーダー)、8.5pg/ml以下の場合は明らかに(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)
「模索舎」
「阿佐ヶ谷ネオ書房」
※書店販売のみ
尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。
3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。
※「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。
[サード&セカンド・シングル通販中]
●A面「PISS(INTO)MY HEROES」
●B面「七曲荘二〇三号室」
●セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。
●アドレス:budroll.shelvis.sy3@gmail.com
――以上へ以下のことをメールしてから、お金を振り込んでください。
◎郵便番号と住所
◎名前(口座のカタカナ読み振りも)
◎電話番号
◎サード、セカンドのどれを希望するか
(ファーストは売り切れ)
●1,600円(発送代込み)
●振込先――ゆうちょ銀行
◎BUDROLL(バドロール)
◎普通口座:店番908
◎口座番号:5133817
『キャンプ日和』(河出書房新社)
キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。
『点線面』5号(ポンプラボ)
曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。
P.S.
●原稿仕事の依頼は下記まで。
●pissken420@gmail.com