彼はその症状が私の訴えたことを妻に尋ねた。勿論、妻は100%その通りだと答えた。しばし彼は考え込み、思考を巡らせ慎重に言葉を選んで言った。
非定形統合失調症の疑いが強いです。
ん?非定形?聞いたことがない。彼の判断によると、統合失調症だと思われるが、他にも隠れた症状が認められる。ひとくくりで統合失調症と判断出来ない。幻視、幻聴、徘徊、独り言、絶叫はその病気の範疇にはいるが、問診票に書かれている内容をみると、人格障害、強迫性障害、鬱症状があらわれている、とのこと。確かにその通り、突然別の人格が出現する。普段可愛がっているペットを殺したくなる衝動に駆られることがある。普段は使わない言動で他人を攻撃する。でもそういう自分を本当の自分が冷静に観察出来ている。家の中にある家具の特定の引き出しが怖くて開けられない。手を異常なまでに洗う。生きているのが辛くて死にたくなる。数え上げればきりがない。
まずはひとつの症状から改善しましょう。
いきなり全部の症状を治療するのは困難であるらしい。思わずため息がです。つくづく自分が嫌になる。
最初に処方された薬は、セパゾン2mg、セロクエル100mg、サイレース1mg。これで様子を見たいとのことだった。
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