私たちが資産運用をするとき、しばしば他の人の意見を参考にします。

その時に参考とする意見は評論家やエコノミスト、あるいはどこの誰かもわからない書き込みやtwitterのつぶやきかも知れません。

 

それらの意見は単なる思いつきもあれば、様々なデータを精査した結果導き出された答えかも知れません。あるいは過去に何度も予想を的中させている人かもしれません。

 

現在は過去の延長線上に存在しますが、過去にいくら予想を当てたからと言っても、未来も当てることができるかはわかりません。

 

そんなことをわかっている人が大半なはずですが、資産運用の場面になると「預言者」の意見を尊重することが実に多いのです。

 

 

●誰でも預言者になれる

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現代での預言者とは、評論家やエコノミストという肩書を持つ人たち、窓口で金融商品を販売する販売員などが挙げられます。

 

彼らは少し先、あるいは来年の見通しを実際に見てきたかのように話し、私たちが株や金融商品を買う後押しを、あるいは株式を保有し続ける勇気を与えてくれます。

 

それとともに、自分が語る見通しを確約するものではなく、「あくまで個人の予想です」と巧妙に反論できる余地を残すことを決して忘れません。

 

彼らは自分の予想が当たるとは思っていません。

しかし、預言し続ければいずれは未来をある程度正確に言い当てられることが何度か起こることを知っています。

 

仮に「2年後の日本の日経平均株価は4万円台に乗る!」という予言を毎年言い続ければ、そのうち当たる時が来るでしょう。預言者になるためには、多くの人が笑い飛ばしそうな尖った預言を当てることです。これに成功すると、一斉に注目を集めることができます。

 

預言者はこのようにして誕生します。彼らが心配することは、過去に外してきた膨大な予言の数々を掘り返されないことだけです。

 

しかし、このような予言には何の意味もありません。

「そのうち雨が降る」と言っているのと大差ないからです。

 

私たちが聞きたいのは「そのうち雨が降る」という当たり前の話ではなく、何月何日の何時ごろにどの程度の雨が降るのかを知りたいのです。

経済的に言えば、何年の何月何日に日経平均が4万円台に乗るのかを知りたいのです。

 

私たちは5分先のことさえ正確に予想することはできません。

仮に5分先を正確に予想することができれば、それだけで大金持ちになれるでしょう。

 

現実には、評論家やエコノミストが一度予言を的中させたからと言って、その後連続して的中させることはほとんどの場合でできません。化けの皮がはがれるのは時間の問題です。

 

 

●相場が読めないのは、相場が人の感情自体を反映しているから

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ところで、コンピュータやAIが凄まじい勢いで進化を遂げている現代においてなお、相場を読むことはできないのはなぜでしょうか。

 

現代では未来をある程度予想できる分野が増えています。

自然現象が相手なら、ある程度の予想をすることができます。

そこに一定の合理性あるからです。

 

例えば天気予報と言えば大体外れるものというのが相場でした。

1か月で数回程度しか当たらないこともよくありました。

長年住んでいる人の経験や勘、あるいは遠くの山の見え方から推測するほうが転機を当てていたものです。

 

しかし、ここ数年は非常に高い精度で天気を予測することができるようになっています。

これはコンピュータやAIの発達はもちろんのこと、自然現象に合理性があるために高い確率で予測が当たるのです。

 

これと同じ感覚を株式投資などのお金の世界に対して適用させようとしても、決してうまくいきません。

 

例えば株式市場は人間の感情を巨大なエンジンとして動いています。

株式市場の現在の相場は、その時点での人々の感情の動きの結果として成立しています。

 

感情には喜び、悲しみ、苦痛、繁栄、恐怖、安心、不満、心地よさなど数えきれないほど複雑にあります。それらを動かすものは経済指標だったり、今日の仕事の出来栄えや家族関係、あるいは単に長期休暇の真っただ中だからかもしれません。

 

私たちは自分の感情でさえ満足にコントロールできないことがしばしば起こります。

一時的な感情の暴走で大切なものを失った経験をしたことは多くん人が経験していることです。

 

自分一人の感情さえコントロールできないことがあるのに、数えきれない人間たちの感情の総和で成立している株式市場の相場を予測することなどできるでしょうか。

 

それは絶対に不可能です。

多数の人間の感情がどうなるのかを読むことがAIにだってできることではありません。

それは預言者にも同じことが言えます。

 

 

●未来がわかるという人を信じるな

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私たちは将来のことを考え、心配しています。

その心配がゆえに予言に頼ってしまうのかもしれません。

 

しかし、預言者はその発言に責任を取ることはありません。

あなたが下した決断は、それが利益を生んでも損失を出しても、あなたが受け止めなければいけません。

 

投資家としてできることは「実際に起きつつあること、目の当たりしていることに対してすぐに反応する」、ただこれだけです。

 

あなたに予言する力があるのなら、他の予言者の存在など必要ありません。

あなたに予言する力がないのなら、頬の予言者も信用できないはずです。

 

預言者など必要な存在ではありません。

わずかな未来も予測できない以上、あらゆる予言は排除しなければいけません。

未来がわかるという人をたとえ僅かでも信じてはいけないのです。

資産運用の一つにFXが数えられることがあります。

 

FXは資産運用として比較的簡単で、口座さえ開けば比較的手軽に挑むことができます。

レバレッジも利かせることができるので、適切に使える人ならば比較的低リスクで大きな利益を狙えるでしょう。

 

また、スワップポイント主体で挑戦するなら通貨を買って放置しておくだけでも収入を得られると宣伝されています。

 

しかし、私はFXを資産運用として活用することはお勧めしません。

そこには資産を増やせるという意味での合理性はありません。

ごく一部の大勝ちした勝者と、資産を失った多数の敗者が存在するだけだからです。

 

これは資産運用としてはあまりに危険です。

私は為替の売買で利益を出そうとするFX=賭博場と同等の存在として見ています。

 

 

●貨幣自体は利益を生まない

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貨幣はそれを持っていても特段価値を生み出しません。よって、通貨を持つことが資産を増やすことにはなりません。

 

スワップポイントがあるじゃないか!という声が出そうですが、それも特に意味がありません。

 

為替レートは、現時点でそのレートが適正であると判断されています。

この為替レートにはスワップポイントも当然考慮されていますので、今の時点でどのような通貨ペアの買いポジション、あるいは売りポジションを選ぼうとも、将来どちらが有利とも不利とも言えません。

 

南アフリカランド/円の通貨ペアは高金利通貨ペアとして有名ですが、そのレートは過去30年間で以下のようにどんどん下がっています。

この通貨ペアでスワップポイントが欲しいならZAR/JPYを買いポジションで持つ必要がありますが、そうするとポジションの評価額がマイナスになってしまいます。

 

買いポジションでスワップポイントを受け取り続けたとしても、通貨の評価額自体が大きなマイナスになってしまうので、結局得をしないのです。

 

これはごく普通に有名な話です。

 

南アフリカランドドル/日本円の通貨ペアの為替相場の推移。過去30年で右肩下がりなことがわかる。

 

引用:WE LOVE FX

https://www.fx-foreign-exchange.com/rate/zarjpy.html

 

 

●知らぬ間に自分の資産より多い金額を運用してしまう危険がある

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FXではより多くの利益を効率的に手にするために「レバレッジ」という手法があります。

口座内に入っている金額よりも多くの金額を運用することができる仕組みです。

 

自分の持っている資産より多くの資産を運用できるのですから、これは借金に他なりません。たまにFXで借金を背負ったという話は、これが原因です。

 

お金の常識的な話として、借金が許されるのは自分のコントロールが効く範囲内のみです。

為替相場は個人はもちろん、国家でさえコントロールできないほど巨大な規模を持っていて、誰もコントロールすることはできません。そんな世界で借金することは自殺行為です。

 

 

●マイナスサムゲームである

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為替を持つことでは利益を生み出せない以上、FXで利益を出すなら安く買って高く売るしかありません。

 

つまり、あなたの利益は誰かの損失、あなたの損失は誰かの利益なるのです。

参加者同士で金を奪い合う、それがFXの本質となります。

 

さらに、仲介するFX業者は売買が行われるたびに一定の手数料を参加者から徴収します。

これにより、FXは実質的にマイナスサムゲーム(参加者全員を合計した資産額が次第に減るゲーム)となってしまいます。

 

この結果、実に95%以上の人間が損失を出し、ごく一握りの人間が莫大な利益を得る構造になっています。このごく一握りになるために多くの人が日々凌ぎを削っているのです。

 

特に勉強もせず、何となく参加している人が勝ち残ることはほとんど不可能な戦場であることが何となくわかるのではないでしょうか。

 

勝つための努力を積み重ねても、それは他人との金の奪い合いである以上、(直接は見えませんが)相手から金を奪い取らなければいけません。勝者が生まれるためには敗者が必要、それがマイナスサムゲームの宿命です。

 

 

●あなたは金を奪い合う世界で勝ち続けられるか

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一時的に勝てる方法を見つけたとしても、その方法はしばらくすると使えなくなってしまいます。

 

ある方法での勝率が高くなれば、その手法が持っている弱点を突いた別の方法が見つけられるからです。

 

じゃんけんでグーを出し続ければ勝てる可能性が高い状態になれば、多すぎるグーに勝つためにパーを出す人が増えてくることは簡単に想像できるでしょう。

 

このようにして、勝てる手法は時間を追うごとに変化します。

いつまでも同じ方法を使っていては勝てないのです。

 

このような世界で勝ち残るためには常に最新の動向に注意を払い、新しい手法を編み出し続けなければいけません。

 

あなたはFXという資産運用にここまでの情熱と努力をもって挑むことができるでしょうか。多くの人は本業と家族を支えるだけで精一杯ではないかと思います。

世間では資産運用に対して注目が集まっています。

 

資産運用から得られる収入だけで生活する、つまり勤労所得をしなくて生活できる状態は、少なくない人が憧れを持っています。

 

そんな要望を背景にして、資産運用できる環境が世の中で着々と整備されつつあります。

それは投資家からすると良い環境になりつつあります。

 

しかし、現実は汗水流して勤労所得を受け取ることが基本であり、合理的となります。

「稼ぐ力」を高めることが基本の資産運用なのです。

資産運用も重要ですが、あくまで補助的な役割に過ぎません。

 

 

●運用益だけで生活するなら1個円必要

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例えば、資産運用で得られる利益を年利3%としましょう。

資産が3千万円なら、資産から得られる収入は年間で90万円となります。

これではとても生活することができません。

 

資産が5千万円なら年収150万円、1億円でも年収300万円です。

あなたが使う生活費や運用利率にもよりますが、資産運用だけで生活すること考えると1億円が目安となるでしょう。

 

しかし、仮に1億あったとしても、年収が300万円では豊かな生活とは言えないでしょう。

毎月使えるお金が25万円ですから、少し贅沢するとすぐに使い切ってしまうでしょう。

 

毎月50万円使えるならかなり豊かに生活することができるでしょう。その場合は年で600万円の収入が必要となり、必要な資産額は2億円になります。一般の人にとっては現実的な数字ではありません。

 

さて、労働から解放されるための最低限の収入を得るための資産が1億円とするならば、どうやって用意すればいいのでしょうか。

 

 

●多くの人にとっての最適解は勤労所得

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宝くじで1等を当てるには数百万分の1~数千万分の1という途方もなく低い確率を引き当てる奇跡を起こさなければいけません。

 

パチンコ、競馬、カジノなどで財を成すことは理論上では可能でしょうが、実際にそのような人を寡聞にして知らないことを考えると、宝くじと大差ない、あるいは宝くじより分が悪いのかも知れません。

 

金持ちになる王道である起業は、努力が成功に繋がる部分があるだけ先ほど挙げた宝くじなどよりは遥かに可能性が高いですが、5年で8割以上が破綻する厳しい世界です。

起業や会社経営に興味がない人が一定数存在することを考えると、ごく一部の人だけが取り組める道となります。

 

結局、誰かに雇われて働き、毎月お給料を受け取り、収入の範囲内で生活しながら貯金して、その貯金から資産運用に繋げることが、多くの人にとっては最も現実的な計画となります。

 

働いて給料を受け取っている間は生活することができるのですから、決して悪い話ではありません。労働して給料を受け取ることはお金を手にいれるための基本的な手段であり、その有用性はこれからも続いていくでしょう。

 

 

●資産運用は必須かつ補助的な存在

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給料を受け取り、収入の範囲内で生活をすることは非常に重要なことですが、給料だけに依存していてはこれからの社会を生き抜くことは難しいでしょう。

 

日本はある程度発展しており、すでに成熟社会に突入しています。

成熟社会では大きな給料アップも見込めないので、資産運用を収入減の補助手段として使っていくことは非常に大きな意味があります。

 

政府もNISAやIDECOなど、一般の人が資産運用しやすい環境を整えています。

これは政府が、老後は年金だけではなく自分の努力も必要だよ。環境だけは整えるからあとは各自で頑張ってね、ということを暗に示唆しています。

 

ならば私たちは自分の努力で自分の身を守らなければいけないのです。

仮に以下のように考えるとしましょう。

 

Aさん:年間200万円の貯金をする

Bさん:年間100万円の貯金をする+全額を年利5%の資産運用(複利)をする人

Cさん:年間150万円の貯金をする+全額を年利3%の資産運用(複利)をする人

 

最初の資産を0として、30年後はだれが一番多くの資産を蓄えているでしょう。

結果はこのようになります。なお、貯金の利率は年利0%とします。

 

Aさん 6000万円(貯金6000万円+運用利益0円)

Bさん 4758万円(貯金3000万円+運用利益1758万円)

Cさん 7136万円(貯金4500万円+運用利益2636万円)

 

AさんとBさんを比較してわかるように、一人の人生で働ける期間(ここでは30年)で考えた時、資産運用が影響する部分は決して大きくはならないのです。

 

3%程度の資産運用でお金を殖やすことに力を注ぐなら、会社でまじめに働き、休日にしっかり勉強を重ねて技術アップや資格取得にて給料アップや出世に力を注ぎ、高く給料を受け取って貯金するほうが結果的には有利となるかもしれません。

 

一方、AさんとCさんを比較すると、Cさんのほうが大きな資産を作っています。

貯金額ではAさんに劣りますが、それを資産運用の力です。貯金と資産運用の両方の力を活用することで、30年後にはAさんより大きな資産を作ることに成功しています。

 

 

●はじめに労働ありき、資産運用はその上の段階

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これは給料を高めるほうがいい、資産運用のほうが優れているとかいう二元論を戦わせる話ではありません。

 

高い給料と資産運用を組み合わせることでより大きな成果を残せる、つまりどちらも必要という話です。

 

人生においてどんな戦略を通るかは人それぞれです。

高い給料も資産運用もどちらも大きな力を持っています。

 

しかし、資産運用をするためには原資となるお金が必要です。

そのためにはきちんと働いて給料を受け取ることがどうしても必要となります。

 

初めに労働ありきです。労働を軽視することはあなたの人生において、決して良い結果をもたらさないでしょう。資産運用は勤労所得の上にあるのです。

そのうえで、両方とも上手に使っていきましょう。

今までたくさんの人と話してきましたが、お金に関する知識を意外と持ち合わせていない人が多いです。特に契約関係になるとよくわからないままサインしている人が多いのが実態でしょう。

 

多くの場合ではフェア、あるいは多少不利となる契約で済みますが、中には契約するだけで圧倒的に不利な立場になってしまう契約が存在します。

 

今回はその代表的な契約である保証人についてです。

友達から相談されることが十分にあり得る話ですから、最低限の理解をしておきましょう。

 

 

●保証人とは借りたお金を代わりに支払ってくれる人

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保証人という言葉は聞いた事があると思います。

すごく荒っぽく説明すると、【借金返済を代わりにしてくれる人】のことです。

 

これはどういうことでしょうか。

簡単に説明するために、以下の例を挙げます。

まずは登場人物を押さえてください。

 

Aさん:お金を貸した人

Bさん:お金を借りた人

Cさん:Bさんの保証人

Dさん:Bさんの連帯保証人

 

BさんはAさんからお金を借りました。ここでは100万円としましょう。

このとき、BさんはCさんを保証人に、Dさんを連帯保証人に立てました。

 

ここでいう保証人とは、Bさんが借金を返さなかった場合に、代わりに借金を返済する人のことです。CさんとDさんは、Bさんが借金から逃げてしまった場合、代わりに借金を返さなければいけない立場にあるのです。

 

あなたが借金の保証人や連帯保証人を引き受けるということは、その借金はあなたが返済するものだと覚悟して引き受ける必要があります。

 

 

●保証人と連帯保証人の違いを知る

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さて、保証人と連帯保証人という言葉が出ました。

いずれもBさんが借金を払わずに逃げた時に、代わりに借金を返さなければいけない立場にあるのですが、保証人と連帯保証人はその責任の重さが全く異なります。

 

お金を貸したAさんがやってきてこう言いました。

「Bさんが借金を返さないので、保証人であるCさんに返してほしい。」

 

この時、保証人であるCさんは「まずはBさんに借金返済を要求してください」と言って、借金の支払いを拒むことができます。保証人はこの権利が認められていますので、Aさんは引き下がるしかありません。

 

しかし、連帯保証人であるDさんは、Cさんと同じ主張をすることができません。

Dさんは、Bさんが借金を返済しなくなった時点で、その返済義務はDさんが背負わなければいけなくなるのです。

 

このように、保証人と連帯保証人は、借金の返済に対する法的責任が全く異なります。

知人の連帯保証人を気軽に引き受けたために、数百万円、数千万円の借金を背負うことになった事例は決して少なくありません。

 

だからと言って、保証人ならばOKかと言われれば、決してそんなことはありません。

保証人は「金を借りたBさんから取り立ててください」と拒否する権利があるとは書きましたが、「そうはいってもさ、Cさんも保証人になったんだから、道義的に考えるとあなたにも支払いの責任があるんだよ」「あなたのご家族にも相談させてほしいな」などの追及を免れることはできないでしょう。

 

 

●あまり知られていないが非常に怖い「根保証」

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保証人や連帯保証人なる事も非常に負担が大きいことですが、これより更に危険な「根保証」があります。

 

根保証とは、債務者が将来取引に伴って負担する債務について金額の限度や期限を定めないで(包括根保証)、または、金額の限度、期限もしくは取引の種類を定めて(限定根保証)、保証することをいいます。(川井健・民法概論3[第2版]229頁)

 

簡単に言うと、次のように事が起こりえます。

1 Fさんが借りた100万円に、あなたが保証人(根保証)を引き受ける

2 あなたがFさんの代わりに100万円を返済する

3 Fさんは新たに100万円を借金できるようになった

4 Fさんは新たに100万円を借りる

5 以下、2→3→4→2→・・・・と繰り返す

 

この場合、あなたは終わりのない再債務を背負う可能性があるのです。

 

保証人が個人の場合には一応、「貸金等根保証契約の保証人の責任等」に関する規定(民法465条の2以下)があって守られている部分はありますが、一般的な経済力の人なら耐えられない負担となってしまうでしょう。

 

あなたが十分に理解できない契約をしない。

これを徹底するだけで、ある程度の不幸を回避することができます。

 

 

●知識があれば人生の危機は回避できる

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お金を貸した人間の立場なら、少しでもお金を取り返すことは当然のことですから、保証人に対してあの手この手を使うことは決しておかしな話ではありません。

 

このような追及が理不尽と感じるならば、少なくともあなたは保証人、連帯保証人のいずれにもなってはいけません。また、あなたが理解できない契約を結んではいけません。

 

お金でルーズな人と判断されると、あなたの人間関係に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。友人は去っていき、夫婦なら離婚・一家離散の危機になってもおかしくありません。

 

そしてあなたが子を持つ親ならば、この知識は必ず子供に身につけさせましょう。

 

借金には関わらない。

理解できない話に同意しない。

安易に契約書にハンコを押さない。

 

【お金に関する知識がない】という、たったこれだけのことで、積み上げてきた努力が無駄になり、人生が経済的に狂ってしまう可能性があるのです。

知識は時に大きな力となるのです。

2019年に日本は消費税が10%に増税されることがほぼ決定しています。

私たちはこれまで以上に家計防衛をしなければいけません。

 

家計を守るためには不要不急の支出を抑制することになりますが、あなたが家計改善を始めるとしたらどこから始めるでしょうか。

 

この時、多くの人は手軽にできそうなところから手を付けてしまいます。

目に見えてお金が動くところなので、ここから改善を図ろうとする気持ちは非常によくわかりますが、多くの場合は失敗してしまいます。

 

 

●多くの人は変動費から手を付けてしまう

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家計改善と聞くとすぐに手を付けてしまうのが、日々の買い物での節約です

食材や雑貨を購入する時は財布を開けるので、何となくそこからの支出が多いと感じてしまいます。

 

しかしこれは罠です。やってみるとわかりますが、食費や雑貨などの購入費用=変動費から手を付けると、非常に厳しく辛いものにあります。

 

会社員が昼食をとる時、1日600円以内にしていた食費を500円以内にすると、毎月2千円程度の節約になります。

 

一見すると効果的に見えますが、当の本人は昼食代が100円少なくなることでかなり大きなストレスを抱えるようになります。

 

・何種類かの定食の中から500円のランチを選ぶ

・500円のランチは1種類しかないからこれしか選べない

 

前者は選択しているので特に何も感じませんが、後者は限定されているので、本当は別のランチが食べたかったとしても、それを選べていません。結果は同じでも、それが与える心理的影響、つまり我慢の強制は相当大きな負担になります。

 

それが終わりなく毎日続くので、毎日ダメージを受け続けることになります。

これを軽く見てはいけません。

 

あるいは毎日の買い物で、いちいち値段を気にしながら1円でも安いものを買う生活を続けていると、心は疲れてしまいます。買いたいものを買えないことは非常に苦しい状態なのです。

 

こうして不満が積み重なり、続けることができなくなってしまい、家計改善は難しいとなって失敗してしまうのです。

 

多くの人は家計改善と聞くと財布から出すお金を減らす方向に向かいがちなのですが

文章で読んでみると失敗する人が多いのは当然の結果だとわかるでしょう。

 

ではどうするのか。

 

 

●原則は「変動費」の支出を抑える

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家計改善する時に成功させたいなら、最初は必ず変動費から手を付けるべきです。

 

変動費とは毎月定額、あるいはほぼ定額で支払うものが当てはまります。

具体的には、住宅ローン、家賃、保険料、電気、ガス、水道、スマホ利用料、ネット利用料、NHK、新聞代、習い事の費用などです。

 

これらの支出の特徴は、一度支払額が決まると、意識しない限り毎月ほぼ同じ金額の支払いを続けることです。

 

家賃は典型で、一度住む家を契約すると、新しい家に引っ越しするまではその時の契約で決まったお金を払い続けることが大半です。

 

あなたが払っている家賃が月10万円だとして、これを家賃が月9万円の家に引っ越すことで、毎月1万円の節約をすることができます。

 

この方法の最大のメリットは、実行してしまえば毎月1万円の節約効果がずっと働き続けることです。あなたの意識とは何の関係もなく働く点が非常に大きな効果となります。

 

家賃は引っ越しが伴うので大変ですが、例えばスマホ利用料はプラン設定の変更をすることはさほど難しくありません。プランを1段階下げても不便がないなら、それだけで毎月数百円以上の継続する節約効果を手にすることができます。

 

 

●支出抑制は仕組みで行う

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人は、お金を使ってはいけない状態にされると非常に大きなストレスを感じてしまいます。

過剰にやり過ぎると仕事のパフォーマンスが落ちる、家計管理者(多くの場合で妻でしょう)に対する目に見えない不満が積もり家庭環境の悪化につながるかもしれません。

 

固定費の削減は、自分の財布から取られていないお金、自分が直接使うお金でないため、心理的な負担感を感じにくい特性があります。負担がないから家計改善がうまくいくのです。

 

そして1度設定すると、あとは放っておいてもその効果を発揮し続ける点が非常に優れています。

 

同じ理屈でうまくいく貯金方法の一つに給与天引きがあります。自分の口座に振り込まれる前に回収されるので、心理的な負担をほぼ感じずに、あるいはまったくゼロで「いつの間にか」貯めることができるのです。

 

いかにして心理的な負担を減らしつつ、貯金する体制を構築するのか。

その方法が上手であればあるほど、あなたはより沢山のお金を貯めることができるようになります。

現在、日本人から読書の習慣が失われつつあります。

2016年の読書に対する調査によると、ざっくりと以下の数値が出ています。

 

2016年調査

・読書しない人 30%

・1年間に1冊以上本を読む人 70%

・1か月に1冊以上本を読む人 40%

 

月に1冊も本を読まない人が全体の半分以上になっていることがわかります。

これは非常に勿体ないことです。

 

読書は自分が持っていない価値観や考え方に触れることができます。

それは著書の人生経験の一部を追体験することです。

仮にあなたが100冊の本を読めば、100人分の著者の人生、それも本に書くだけの想いや感情、経験を追体験することになります。

 

自らの人生で体験するにはあまりに苦しくて辛いことも、読書なら安全に、自分のペースに合わせて体験することができます。

 

歴史本、小説、ビジネス本、ハウツー本、絵本、漫画、聖書など、あらゆる書籍には自分が知らない世界が書かれています。そして自分の人生だけでは体験できないものもたくさん含まれています。

 

言い換えれば人生の近道、より多くの人生を追体験できるのが読書の持つ力です。

このような素晴らしい機能を持つ読書をしている人が全体の60%、月に2冊以上読む人が全体の40%であることを考えると、あなたは月に2冊程度の読書をしているだけで人より有利になります。

 

周りは立ち止まっているのですから、一歩進んだあなたが有利になるのは当たり前です。

たったこれだけのことで、あなたは周りの人より少しずつ確実に前に進めます。

 

 

●本が読めれば方法は問わない

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読書をするには本を手にする必要があります。

その代表的な方法をいくつかご紹介します。

 

・紙の本を買う

・図書館で本を借りる

・電子書籍を買う

・友達同士で貸し合いする

 

これらの方法には一長一短の特徴がありますので、どのやり方が優れているというものはありません。

 

あなたが読書する一番の後押しをしてくれる方法を見つけることができれば、それが正解です。個人の性格や状況などを考慮して、最も本が読めるやり方を見つければよいのです。

 

私が若いころは、本は買って読むものと決まっていました。

お金を払って自分の所有物にすることが当然で、それ以外の考え方はありませんでした。

しかし、次第にその方法では不都合が出るようになりました。

買った本を読まなくなったのです。

 

それは忙しくなった、他の娯楽が出てきたことも多いのですが、「自分のものだから今すぐ読まなくてもいいや」と後回しする意識が大きな悪影響を与えました。次第に本棚の奥に押し込まれ、存在を忘れてしまう場合がかなり多くなったのです。

 

また、本自体が多くなり過ぎて本棚から溢れるようになりました。

こうなると単に整理が必要なだけの邪魔な存在に過ぎません。

 

そこで、数年前から図書館で借りることにしました。

これが想像以上に私に合うやり方だったので、今でも続けています。

図書館のメリットは以下が挙げられます。

 

・気軽に借りることができ、お金がかからない

本は1冊数百円~2千円前後します。「塵も積もれば山になる」の諺どおり、気軽に買っているとすぐにお金が無くなってしまいます。借りている本なら、選んだ本が外れだったとしてもお金を損したということにはなりませんので、気軽に借りて読むことができます。

 

・返却期日がある

私は期日が設定されているとやる気を出す性格なので、期日から逆算して借りた本を読むという流れがとても性に合っています。これを利用することで、年間で80冊~120冊の本を読んでいます。

 

・家の中が本でいっぱいにならない

どんなに本を借りて読んでも、期日までには図書館に返さなければいけません。そのため、家の中が本で溢れることがなくなりました。本棚の整理をする手間も省けて一石二鳥です。

 

・ランダム読書ができる

本の予約はネットでできます。借りたい本の名前の一部を入力して検索すると、似たような名前の本もヒットします。読む予定のなかった本をついでに借りて読むことで、違うジャンルの本に手を伸ばすことができます。

 

新着書籍、貸出の多い資料、予約の多い資料、図書館推奨資料などを使うことで、自分が読む本のジャンルを意図的にずらして新しい本との出会いを創り出すことも可能です。

 

あるいは図書館内の書籍を流し見して、たまたま目についた本を借りるのも意外な出会いがあって好きです。このやり方で出会った本たちによって、歴史に興味を持つきっかけもいただきました。

 

 

●まずは読書してみよう

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念のためですが、先ほど述べたメリットは、私が主観で感じているものに過ぎません。

汚れている本は嫌だという人、身銭を切らなければ本気で読まないと考える人にとって、図書館は良い選択肢にはならないでしょう。

 

大切なことは本を読む習慣を身につけるためにあなたが取り組むことです。それはどんな手段をとっても構いません。

 

あなたが考えている、あるいは想像している以上に、読書は大きな力を持っています。

一度試してみてはいかがでしょうか。

宝くじは貧乏人の税金とも呼ばれます。

勝ち目がほとんど無い宝くじに、お金を好んで払う人たちのことを小馬鹿にした表現です。

 

実際のところ、小馬鹿にされても仕方がないほど、宝くじで勝負することは非常に分が悪いのです。

 

今回はあえて貧乏人の税金である宝くじを1枚だけ買ってみました。

この宝くじに書かれている情報をもとに、宝くじを買うことはどういう意味を持っているのか、宝くじを買うことは合理的な判断なのかを考えます。

 

 

●努力が一切できない世界

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今回私が買った宝くじは1枚200円の宝くじです。

裏面に書かれている当選金情報は以下になります。

 

等級

当選金

当選本数

1等

30,000,000

2

1等当前後賞

10,000,000

4

1等組違い

100,000

158

2等

500,000

80

3等

5,000

16,000

4等

1,000

160,000

5等

200

800,000

実りの秋賞

100,000

1,600

 

これだけ見ると「1等3千万円か、楽しみだな~」で終わるかもしれません。

そこで、少し数字を補足してみます。

 

等級

当選金

当選本数

当選率

1等

30,000,000

2

0.000025%

1等当前後賞

10,000,000

4

0.000050%

1等組違い

100,000

158

0.001975%

2等

500,000

80

0.001000%

3等

5,000

16,000

0.200000%

4等

1,000

160,000

2.000000%

5等

200

800,000

10.000000%

実りの秋賞

100,000

1,600

0.020000%

はずれ

0

7,022,156

87.776950%

合計

 

8,000,000

 

.1ユニット当たりの販売額    16億円.

1ユニット当たりの販売枚数   800万枚

還元率     44.74%

 

等級ごとの当選率、1ユニット当たりの販売枚数と販売額、はずれくじの情報、還元率を加えました。

 

はずれくじは約88%で、大体9枚中8枚が外れであることがわかります。かなり分が悪い勝負であることがうかがえます。

 

還元率とは、「宝くじの販売額」のうち、「当選金として購入者に返す金額」を示したものです。この宝くじでは16億の売り上げに対して、7.15億円を購入者に還元することがわかります。

 

金額が大きすぎてわかりにくいのであれば、100円払ったら平均して45円程度しか戻ってこない、45円の価値しかない商品を100円で買うのだと考えてください。

宝くじは非常に勝ち目の薄い勝負であることがわかると思います。

 

宝くじの販売をしているみずほ銀行は、宝くじを売って利益を出します。販売元が利益を出すためには、購入者への還元率をできるだけ下げなければいけません。販売元の利益と購入者の利益は互いに相反せざるを得ないので、こうなることは当然の結果です。

 

そして購入者が不利となる仕組みは、購入者の努力で変えることができません。

 

 

●合理的な判断を積み上げることがお金の問題を解決する

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宝くじは購入者が努力する部分がありません。購入者にとって非常に不利な条件であるにも関わらず、その結果は完全に運否天賦に任せられています。

 

ならば私たちも宝くじで勝負すべきではありません。

 

私たちが勝者になりたければ、有利な場所で戦うことが必要です。

100円賭けたら平均して45円戻ってくる世界は極めて不利な場所であり、購入者がここで戦う合理性は一切ありません。

 

逆に言えば、販売者は100円回収したら45円を返せばいい世界ですから非常に割の良い勝負になります。落ちているお金を拾うような話です。私が参加する側を選べるなら当然、販売者側を選びます。

 

あなたがこのような場所を参加者として紹介されたら、お金をポケットの入れたまま一目散にその場を離れることが正解です。

 

人生に夢は必要ですが、それは数百万分の1の幸運を、努力とは無関係に掴むものではありません。努力なしに金を手にしたい人には素晴らしい勝負の場かもしれませんが、あなたがその幸運に選ばれる可能性は非常に低いのです。

 

この宝くじを毎日10枚、40年買い続けたとして、1等が1回以上当たる確率はわずか4.5%に過ぎません。そのためにかかるお金は300万円近くになります。

 

あなたは20面サイコロで特定の1面を出せば3千万円手にできるという勝負に、300万円を賭けますか?

それとも300万円を使って事業を起こす、あるいは株式や投資信託を購入しますか?

 

このような場面で合理的な判断を一つ一つ積み上げていくことが、あなたのお金の問題を少しずつ解決していくことに繋がります。

あなたは毎日体重を測っていますか?

多くの人は医者から命じられてでもいない限り、毎日体重を測る人は少ないでしょう。

 

毎日体重計に乗るという習慣は、体重管理をするために絶大な効果があります。その追加効果として、あなたの家計を助けてくれる力があるのです。

 

意外に思うかもしれませんが、体重コントロールはあなたの家計を助けてくれます。

理想の体重を手にして家計も助ける一石二鳥の効果、体験してみてはいかがでしょうか。

 

 

●体重計を使った体重コントロール手順

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まずは体重計を買って、現時点の体重を測ってきましょう。

体重計は何でも構いませんので、あなたのお好みで選びましょう。

それと併せてあなたが理想とする体重を決めましょう。現時点の体重と同じでも結構です。

 

あとは毎日体重計に乗って、

・理想の体重

・実際の体重

この2つのギャップを埋めていけばよいのです。

 

 

1)体重が多い人が取るべき方法

・1食あたり腹八分目(可能なら腹六分目)にする

・カロリー摂取を減らす

・筋肉をつける

 

一番手っ取り早い方法は、カロリー摂取を減らすほうが簡単です。

「朝ごはん、昼ごはん、夜ごはん」以外を禁止します。

「朝ごはん、昼ごはん、夜ごはん」も満腹食べるのではなく、腹八分目になるように調整します。食事前にベルト1穴分きつく締めてから食事すると食べ過ぎ防止のサインを受け取れます。これだけで体重を少しずつ確実に減らすことが可能です。

 

また、筋肉が多いと1日当たりの消費カロリーを多くすることができます。

消費カロリーが多くなれば必然的に体重を減らすことができるようになります。

 

腹八分目、間食禁止、筋トレは全てやることをお勧めしますが、それは嫌だと追いう人は間食禁止から始めましょう。新しい習慣を身につける(腹八分目、筋トレ)より、今やっていることをやらない(間食を止める)ほうが簡単です。

 

 

2 体重が少ない人が取る方法

・カロリー摂取を増やす

 

カロリー摂取を増やすことが一番効果的です。

そのほかに有効な方法はありません。

食べるものをカロリーが多そうなものに切り替えていくことが良いでしょう。

 

筋肉量を減らすことはあなたの体に悪影響を与える危険性があるのでお勧めしません。

 

 

3 理想の体重になったら

理想の体重になったら、食事制限をやめます。間食OK、食事も腹いっぱい食べて構いません。自由に食べてよいです。

そのうえで、体重計に乗る習慣は続けます。

 

もし理想の体重からずれたら、これまでと同じような対応をします。

1日~数日で解除できるはずなので、さほど苦労しなくて済むでしょう。

 

あとはこれを繰り返すことで体重を維持することができます。

慣れれば決して難しくはありません。

 

 

4 注意点

旅行やハレの日(盆、正月、クリスマス、誕生日など)のような特別な日は食事制限をしなくて良いです。自由に食べてください。

ごく普通の日常で食事制限や運動を続ければ問題ありません。

 

 

●体重を維持するとこんな特典がある

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体重コントロールするとこのような特典があります。

 

・見た目で得できる

現代社会では痩せている人のほうが見た目で得できるようになっています。

見た目の良さを自分の力でコントロールして、周りからの評価を高めてしまいましょう。

 

・洋服の買い替え回数を減らせる

一度太ってしまうと持っている服を買い替えなければいけなくなります。

軽く見積もっても数万円以上の支出となってしまいます。

 

体重コントロールさえしていれば、そのような支出を回避できます。体型を保って1つの洋服を長く使うことができることは立派な節約になります。

 

・長生きできる確率が上がる

体重の増減を繰り返していると体への負担が激しく、健康を損ねやすくなる、寿命が短くなりやすいことがわかっています。

 

これとは反対に、体重が一定ならば体への負担は小さくなり、より健康に、より長生きしやすくなる可能性が高まります。

 

長生きが幸せとは限りませんが、健康的に長生きするほうが幸せになりやすいでしょう。

 

・支出(食費)が減る

多くの人は現実の体重>理想の体重です。

この状態から理想の体重に近づける場合、摂取カロリーを減らすのが単純かつ王道です。

 

実行すると食事にかけるお金が少なく済むようになります。コンビニでお菓子などを何となく買っている人は、コンビニで使うお金が減ります。

毎日の食事も、今までと同じ量の食材を買っていると食べきれずに捨ててしまうことになるので、次第に食費にかける金額が下がっていきます。

 

 

 

いかがでしょうか。

現実の体重から理想の体重に減らすまでは大変です。

しかし、一度理想の体重になれば後はさほど難しくありません。

維持するだけなら比較的簡単なのです。

 

あなたにとって頑張れる理由を見つけて、自分自身をコントローすることをお勧めします。

老後に必要な貯蓄額とはいくらなのでしょうか。

具体的な金額は一人ひとり異なりますが、参考資料として、

 ・年金の受取額(平均)

 ・1か月の生活費(平均)

を見てみましょう。

 

厚生労働省年金局「平成28年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均年金月額は

 国民年金加入者         1カ月 5万5373円(平均)

 厚生年金+国民年金(夫婦) 1カ月14万5638円(平均)

となっています。

 

一方、総務省の「家計調査(二人以上の世帯)」平成29年11月分によると、1か月の生活費は約25万円となっています。

 

このことから、夫婦の場合では平均すると毎月10万円、年間で120万円の不足が発生していることがわかります。老後は収入より支出が多くなるのが良くわかる数値です。

 

実際に老後に突入すると、生活費の不足を解消するための現実的な対応策は以下の2つになるでしょう。

 

 

●方法1 貯金の切り崩しで老後資金をカバーする

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65歳から年金を受け取り、80歳まで生きるとすると、15年間で1800万円の貯金を切り崩す必要がなります。

 

また、長生きするとそれだけたくさんの貯金を切り崩さなければいけません。仮に90歳まで生きると2700万円の貯金が必要です。

 

これらはいずれも消費増税なし、インフレによる物価上昇なし、災害など突発的な支出がない前提です。実際にはもっとたくさんのお金が必要になるでしょう。

 

あなたがどれだけ長生きするかによって結果は変わりますが、平均寿命程度生きるならば、おおむね3000万円もあれば対応できるでしょう。

 

不安を少しでも和らげるなら、現役時代に少しでも多くのお金を貯めておくか、老後の生活費を少しでも切り詰めるなどしてできることをやっていくことになります。

 

 

●方法2 資産運用で老後資金をカバーする

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先ほどの例では年間で120万円の生活費の不足が発生していました。

方法1ではこのギャップを埋めるために貯金を切り崩す方法で考えてみました。

多くの人はこの方法しか思いつかないでしょう。

 

しかし、老後の生活費は必ず貯金を切り崩して捻出する必要はどこにもありません。

仮に、老後に毎年120万円の収入を得られるようにしてしまえば、それだけで問題は解決します。

 

その具体的な方法として、株式を購入して、その配当が年間120万円以上になるようにしておけばよいのです。

 

株式配当が年利3%、配当への税金を20%とすると5000万円分の株式を保有することが一つの目安となります。

 

実現すると、株式の配当から税引き前で毎年150万円、税引き後で毎年120万円を受け取ることができます。この配当に年金の受給額を合わせると生活費を賄うことができます。わざわざ貯金を切り崩す必要などないのです。

 

この方法のメリットは、長生きによっていつかお金が尽きてしまうという恐怖を回避できるところです。配当を受け取っても原資はそのままなので、理論上はあなたの資産を減らすことなく生活を続けることができます。

 

株式はインフレが起こるとインフレに合わせて株価が上昇し、配当も合わせて大きくなる傾向があるので、インフレへの耐性もあります。

 

また、年利3%は決して難しい数字ではありません。

株式を保有するだけでいいのですから、特別な戦略が必要となるわけでもありません。

その気になれば誰でも実現できる方法です。

 

ただし貯金を切り崩して生活する時より大きな金額を用意しなければいけないこと、株式投資をすることとそのリスクを受け入れることが前提となります。

 

 

●早く行動して時間を味方につける

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老後に用意すべきお金は人によって異なります。

貯金切り崩し作戦ならば65歳時点で3000万円の資産(貯金、投資信託、株式など)、株式配当の資産運用方式ならば5000万円分の株式を保有できるように行動する必要があります。

 

その目安は次の計算式から求めることができます。

 

<貯金切り崩し作戦>

3000万円=(65歳-今の年齢)×毎年の積立額+現在の資産+会社の退職金等

 

<株式配当作戦>

5000万円=(65歳-今の年齢)×毎年の積立額+現在の資産+会社の退職金等

 

この式からわかるように、あなたの年齢が若ければ若いほど、対応する時間が増えるので、より楽に準備することができます。

 

ただし、これは最低ラインです。将来の消費税アップ、医療費や介護保険の自己負担増も想定するとより沢山のお金・資産を蓄えておく必要があります。

 

また、老後の生活費を捻出するためには会社の制度を知っておくことも必要です。

・あなたはどのくらいの退職金を受け取れるのか

・企業年金が用意されているのかどうか

これらの状況次第では、老後にためるべき資産の一部はすでに準備されているかもしれませんので計算に入れておきましょう。

 

いずれにしても、老後資金は年金だけで賄うことはできません。どんな形を取るにしても、自助努力で用意すべき部分があります。そのためには、

・できるだけ早く

・できるだけ長く

・少額でもいいから続けて

準備するほうが賢明です。そうすることで時間を味方につけることができます。

 

実際のところ、老後資金準備は「実行の準備」そのものが一番のハードルとなります。

・会社の財形年金で給与を自動的に積み立てする

・10分の1貯金をする

・投資信託を毎月定額購入する

・株式を購入して配当を受け取る

上記の方法も含めて、どんな方法であっても、実行した人だけが老後資産をより沢山貯めることができ、老後の不安を和らげることができます。

 

年を取るのは思ったよりずっと早いものです。

時間を敵にするのではなく、味方になってくれるように行動することをお勧めします。

お金のことを考えるうえで見逃せないことが、老後の問題です。

老後は仕事をしなくなる、できなくなるので収入減が限られてしまいます。

その収入減として非常に重要なものが年金です。

 

日本の年金制度は非常に大きな問題を抱えています。

年金制度破綻してしまうかもしれないから年金を払いこと自体に疑問を投げかける人もいます。

 

しかし、現実問題として、年金制度は今でもなお良い仕組みであることに変わりはありません。この制度を民間保険会社が提供することはほぼ不可能なくらいに高水準なのです。

 

結論としては、年金制度は個人が賢く利用する必要があります。

年金制度に頼りきりになる事も、あるいは年金制度を完全に無視することも良い選択とは言えません。

 

 

●老齢年金は死ぬまでもらえる老後の重要な収入源

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年金制度は強制加入です。

特に全労働人口の80%を占めるサラリーマンは年金の支払いから逃れることはできません。

 

毎月の給与明細から引かれる金額を見て、ため息をついている人も多いかもしれません。

しかし、逆に考えてみてはいかがでしょうか。

 

国は老齢年金という形で、私たちがある一定の年齢からは、私たちが死ぬまでお金を払い続けてくれます。平均寿命が伸び続け、長く生き続けること自体がお金の問題を大きくしかねない状況において、期間無制限でお金を支給してくれる年金制度は非常に有効活用できる制度です。

 

また、老齢年金は物価の変動に合わせて支給額を変動する仕組みを持っています。

 

このような方式は、民間保険会社では絶対に提供することができません。加入者が長生きすればするほど給付金という形で利益を失う保険を実施することは不可能なのです。

 

このように考えると、日本国は年金制度というとても素晴らしい制度を提供してくれているのです。

そして、年金は単に年を取ってからの給付だけではありません。

 

 

●障害年金と遺族年金も重要な補償

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年金制度で注目されるのは老齢年金と呼ばれる年金で、現在では65歳になると受け取れる年金です。

しかし、年金制度は老齢年金だけではなく、以下のように様々な年金の種類があります。

 

老齢年金:65歳になったら受け取れる

障害年金:病気や怪我などで所定の状態になったら受け取れる

遺族年金:生計を維持している人が死亡した時、配偶者または子が受け取れる

*上記以外にも年金制度による支給はあります

 

支給要件は細かく設定されていますので、実際に莉王できるかどうかはあなたの状況に合わせて確かめる必要となりますが、想像以上に手厚い制度です。

 

障害年金や遺族年金はほとんどの人がお世話になる事はありませんが、あると本当に助かる制度です。これに相当する補償を民間保険で対応することは保険自体が存在しないか、保険はあっても契約をためらうほどの高額な保険料が必要になるでしょう。

 

老齢年金、障害年金、遺族年金の3点セット+αの保険がセットとなっているのが年金制度なのです。

 

 

●年金制度も1つの資産運用と考える

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以上、年金制度について軽く触れてきました。

 

老後の生活費を考えるうえでは、年金だけに頼った人生設計は良い方法ではありません。

現在でも6割の人が、老後は年金以外に収入がない状態になっています。

 

これは現在の年金受給者は、人生が80年以上になる事を想定していなかったことが理由です。老後は働かない、働けないため、彼らの収入が増える見込みはほとんどありません。若い世代は同じ状態にならないように注意する必要があります。

 

だからと言って年金を全否定するのも愚かです。先ほどお話ししたように、年金制度は「老齢年金」「遺族年金」「障害年金」の3本柱から成り立っています。これだけの補償を受けられることを考えると年金の支払額は非常に低コストになります。

 

また、年金制度は税金も含めて運用されています。あなたが年金を無視すると税金の払い損となってしまいます。

 

さらにサラリーマンは給与天引きシステムによって、年金の支払いから逃れることはほぼ不可能です。勤め人は事実上、年金の支払いを拒否することはできないようになっているのです。

 

結局、年金制度で受け取れるお金はきちんと受け取りつつ、年金だけでは賄いきれない部分はあなたの努力で補うというバランスを取っていくことが最善となります。

 

国の年金制度もらえる金額を前提に、自分の老後資産計画に組み入れ、複数の柱のひとつとして利用する感覚を持つと年金制度は決して悪いものではなくなります。保険機能までついている事を考えると効果的な保険に加入しているようなものです。

 

年金はあなたが生きている限りずっと受け取り続けられる権利です。このような仕組みは民間企業では絶対に提供できません。

長寿になればなるほど年金から受けられる恩恵は大きくなるのですから、これを活用しない手はありません。

 

国の制度は個人が賢く利用してしまいましょう。

強制加入させられていやいや金を払わされていると考えるのではなく、保険機能を兼ね備えた資産運用をしてもらっていると考えるほうが賢いやり方です。