子育ては人生の一大事業です。

それは親として人として、とても素晴らしい時間になるでしょう。

 

それと同時に、子育てにも常にお金の問題が付きまといます。

家が1つ建つほどの大きなお金がかかるのですから、決して甘く見てはいけません。

 

そんな子育てですが、お金の面では計画的にお金を用意できます。

子供の成長は決まっているので、支出の時期がはっきりしています。

それを逆算すれば計画的に貯めることが可能です。

 

例えば幼稚園、保育園への入園。小学校、中学校、高校への入学。

人によっては大学、さらに大学院へと進学するでしょう。

 

子供の進学の節目には多額のお金が必要となりますが、時期がわかっていれば準備すること自体、大きな問題とはなりません。

 

この時に意識すべきことは、教育費は現金で用意することです。

問題は、それができなくなる家庭が増えつつあるということです。

 

 

●お金の問題は苦手でも向き合わなければいけない

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計画的にお金を用意する。

簡単そうに見えますが、これは意外と難しいことです。

 

お金の使い方にはその人の個性が強く現れます。

お金を貯める習慣がある人は、逆算して毎月いくら貯めればいいと数値を出して、その通りに貯め続けることができます。さほど難しいこととは感じません。

 

逆にお金を貯める習慣がない人、お金を貯めることができない人にとって、お金を貯めることはとても大変な苦行となります。それはお金にだらしないのではなく、お金を貯める習慣がなくても人生で大きな問題が起きなかったからです。

 

人によって学校の勉強が得意だった、苦手だった、サッカーが得意だった、苦手だったという個人差があるように、お金を貯めることにも得意、苦手はあります。

 

サッカーの場合なら苦手ならやらなければいいという逃げ道があります。現実に、サッカーができないから人生で不都合が起きることはまずありません。学校の勉強も同様で、社会人になって要求されることは読み書きと四則計算程度ですから、学生時代さえ凌げれば何とかなるのです。

 

お金の場合は、それが苦手でもやらなければいけない点に大きな問題があります。逃げることができずに、一生その問題と付き合わなければいけません。

 

そしてお金を貯めることが苦手な人は、どうしてもお金を貯めることができない場合があります。そのような状態の人がやりがちなことが借金に頼ることです。

 

 

●教育費を借金で賄うことは未来の自分を苦しめる

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借金で教育費を用意することはやってはいけないことの一つです。一時的に金銭的な負担を緩和することができますが、それは一時しのぎに過ぎず、未来の自分がそのつけを借金返済という形で支払うことになります。

 

負担の先送りは、未来の自分を苦しめるだけで、本質的な解決につながることは決してありません。サラリーマンの安定昇給もすでになくなりつつある時代において、「将来は給料が上がるから借金する」という無謀な選択肢は、将来の自分を苦しめるだけです。

 

奨学金も同様です。奨学金とは耳障りの良い言葉の言い換えに過ぎません。本質は借金そのものです。借りている以上は返さなければいけないお金です。

 

奨学金を選択することは、子供が学校を卒業して社会で働き始める瞬間から借金を背負わせることになります。毎月5万の奨学金という名の借金を4年間受け取り続けると240万円に膨れ上がります。

 

社会に出た瞬間から240万円の借金は莫大な金額です。

利息なしで毎月3万円実返済したとしても80か月、実に6年と8か月かかります。

借金を抱えている状態では結婚するときの足かせにもなるでしょうから、大学に行く代償として割に合うか否かはよく考えなければいけません。

 

昔は子供をいい大学に入ればいい会社に就職でき、良い給料を受け取れる可能性が大きく、それは両親にも経済的な見返りが期待できました。

 

今はその因果関係があると言い切ることはできません。奨学金の返済を背負わされた子供は自分の生活だけで精一杯になる可能性が高いのです。奨学金による自己破産も決して珍しい話ではなくなりました。

 

子供の人生を考えるならば、親は奨学金を借りるべきではありません。

努力した結果、どうしても奨学金を使わなければいけない事態になる事もあるでしょう。

その場合は子供にお金の問題をきちんと説明して、例えば大学生ならば在学中にアルバイトなどでお金を稼いで、親と子供で力を合わせて、卒業までに奨学金を返済できるように計画・実行する必要があります。

 

子供に向けてする話としては厳しいと思いますが、子供の立場からすれば、何の相談もされずに大学4年間を過ごし、社会人になる直前に奨学金という多額の借金を気づかされるよりは十分に望みのある選択肢です。

 

 

●子供そしてあなたのために

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教育費は、子供のことだけを考えるのではなく、自分自身のその後の人生を視野に入れてお金のことを考える必要があります。

子育て費用は莫大なので「何とかなる」の範疇を超えていると考えるべきです。

 

昔は給料がどんどん上がっていたので何とかなっていたに過ぎません。

これから子育てをする人は、家族計画を含めて計画性をもってお金を貯めなければいけません。それは子供のためではなく、あなた自身の将来にも大きな影響を与えます。

 

子供は最大の宝と言います。それは子育て費用という現実問題を解決することができた人だから言えるのです。

 

子供を育て上げるために家計は火の車になり、子供は多額の奨学金を抱えて卒業せざるを得なくなれば、その先は親子共々お金で苦労する人生が待っているのです。そしてそのような人生にならざるを得ない人が増えている現実が、奨学金破産という形で表れています。

 

子育ては、未来の世代を育てることと同時に、自分の老後を守ることも並行して考えなければいけません。それが子育てをする世代の責任なのです。

前回は持ち家についてお話ししました。

持ち家を選ぶと人生の選択肢が極端に狭くなる上に数千万円の借金を抱える特性から、デメリットの部分を強くお話ししました。

 

今回は賃貸派です。

賃貸派の最大のメリットは融通の利きやすさです。

しかし、老後に経済的爆弾を抱える選択肢であることも合わせて知っておきましょう。

 

 

●賃貸派のメリット

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1.ライフスタイルの変化に対応しやすい

2.初期費用があまりかからない

 

1.ライフスタイルの変化に対応しやすい

賃貸派が求める最大のメリットがこの点でしょう。

 ・子供が増えたので部屋数を増やしたい

 ・子供が家から出たので部屋数を減らしたい

 ・転勤に合わせて引っ越しする

 ・親の介護が必要なので実家の近くに住みたい

 ・給料の増減に合わせて住宅を変更する

など、ライフサイクルの変化へ柔軟に対応できることが最大の魅力です。

 

2.初期費用があまりかからない

家を購入する場合や諸費用込みで数百万円に達することが普通ですが、賃貸ならば引っ越し含めて初期費用は大体家賃の4~6倍程度なので、数十万円程度に収まるでしょう。

 

 

●賃貸派 メリットでもデメリットでもない

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1.資産として残らない

2.税制優遇制度がない

3.リフォームできない?

4.変化は引っ越しが基本

5.メンテナンスの必要がない

 

1.資産として残らない

資産として残らない点はメリットともデメリットとも言えないと考えます。

持ち家派が主張する資産価値ですが、住宅ローンが完済して初めて自分の持ち家となります。35年ローンを組んでいる家ならば、築35年の家が残ります。

 

そのような家をわざわざ購入する人がいるのでしょうか。売れない家、買い手のいない家に資産価値はありません。

処分費用の負担がない分だけ賃貸派に有利と言える一方で、長く住むことで住宅費を抑制できる持ち家派に分があるとも言えます。

 

どちらがいいかはその人の人生次第という結果論にしかなりません。

 

2.税制優遇制度がない

住宅ローンを組むこと自体が数千万円の借金と多額の利息を支払う行為です。

借金していないから税制優遇制度がないと考えれば、当然の話です。

 

3.リフォームできない?

大家に交渉して了承を取ればフォームすることは可能です。基本的に原状復帰さえすれば可能となる場合が多いでしょう。リフォーム費用及び原状復帰費用は借り手負担になりますが、選択肢は借り手側にあるのでメリットもデメリットもないでしょう。

 

4.変化は引っ越しが基本

賃貸派は融通が利く分、引っ越しによる環境の変化も受け入れていると思いますので、デメリットとは言えません。

 

5.メンテナンスの必要がない

通常使う範囲内で破損した場合は大家負担で修理となりますが、家賃にその費用も含まれているはずなのでメリットもデメリットもないでしょう。

 

 

●賃貸派 デメリット

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・定年後の住宅費の支払い

賃貸派が抱える最大の問題が定年後の住宅費です。

 

総務省「家計調査」によると、世帯主が60歳以上、無職世帯の1ヶ月の平均支出は以下のようになっています。

 

 食費            68,193円

 住居費          14,346円

 水道光熱費      20,427円

 家具・家事用品     9,290円

 被服等            6,737円

 保健医療費      14,646円

 交通・通信費       26,505円

 教育・教養娯楽費  25,712円

 こづかい           6,225円

 交際費          25,243円

 その他支出      22,280円

 合計            239,604円

※「家計調査年報」 平成28年より抜粋

 

注目すべきは住居費で、平均して約1.5万円です。

家賃が1.5万円の家はほとんど存在しないので、年金生活者の大部分は賃貸ではなく持ち家の人だということがわかります。

 

簡単に言うと、賃貸派は年金生活者の1.5万円に数万円程度追加した生活費を用意する必要があります。この点を見過ごして老後に突入してしまうと、生きている間に貯金を使い切ってしまう取り返しのつかない事態になる恐れがあります。

 

仮に毎月6万円の家賃を20年払うと1440万円が追加で必要となりますので、老後に入るまでに必要な住居費を工面しておく必要があります。

 

賃貸派は定年退職までは費用負担が少なくて済みますが、その後に突然大きな負担増がやってくることを念頭に置いて生活設計をする必要があります。住宅ローンがなくても、経済的負担を避けることは難しいのです。

大人になったら直面する問題に「住宅を買うのか」それとも「賃貸で済ませるのか」があります。

 

持ち家と賃貸はどちらが有利かという問題は手を変え品を変え散々取り上げられていますが、何十年と取り上げながらも未だに結論は出ていないようです。

 

それもそのはずで、持ち家と賃貸は、本質的には比較できません。

 

実態は住宅を売りたい側、賃貸物件を紹介して借りてほしい側が、使いやすいネタと長く使い続けているに過ぎません。万人向けの明確な答えがないため、少し条件を変えるだけで誘導したい方向に導きやすいので使い勝手としては最高です。

 

野球とサッカーを比較してどちらがより良いスポーツなのかという論争があるとバカバカしいと感じるでしょう。持ち家と賃貸のどちらが有利かを論じることはこれとほとんど同じです

 

さて、今回は持ち家とお金に関しての話です。

社会人として働き始めたあなたの人生にとって、持ち家と賃貸のどちらが都合がいいのかを真剣に考えることが必要となります。

 

 

●家を買うことは人生の方向性を決める

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住宅を買うことは、あなたの人生の方向性のうち大部分が決定することを意味します。

 

・住宅ローンの返済額が決まる

多くの人にとって、家を買うことは「家を買うためのお金を借りることができた」に過ぎません。借金をして家を買った以上、あなたは会社の業績に関係なく住宅ローンを返さなければいけません。

 

住宅ローンを完済して初めて、あなたの住んでいる家はあなたの持ち物となります。

逆に言えば、住宅ローンが1円でも残っている限り、その物件の真の所有者はお金を貸してくれた人・法人です。多くの場合、銀行が持ち主となります。

 

・家の広さが決まる

一度家を買うと、基本的に構造を大きく変えることは難しくなります。

増改築という手段はありますが、住宅ローンとは別に数百万円~数千万円の追加支出が必要となる事を考えると、ごく一部の人だけが使える手段と考えてよいでしょう。

 

・住所、住環境が決まる

物件の周辺環境の悪化、会社の業績に関係なくローンは返さなければいけません。

転職のようなチャレンジも簡単にできない点を考えるとその地域に定住する覚悟が必要となります。

 

・一度買った家は簡単に手放せない

現在の少子高齢化社会の日本では、住宅価格の値上がりはほとんど見込めません。何らかの事情で家を売る事態になると大きな赤字となる可能性がとても高いのです。

家を買う行為は基本的に1度だけとなるので慎重に選択する必要があります。

 

数千万円の借金返済、家の購入は基本的に一度きり、家の間取りも簡単に変更できないことを考えると、家を買うことは自分の人生の多くの制約を生む行為となります。

 

 

●売り手にとってあなたの住宅ローンはどうでもいい

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冷静に考えると、住宅を買うことはとても大きな決断となります。

金額面は当然ですが、その他の面でも大きな制約がかかるからです。

 

だからこそ、家を売る側は夢や幸せというお金では買えられない価値を語ります。

 ・マイホームという満足感や安心感、社会的信用が得られますね

 ・男なら一国一城の主になりたいですよね

 ・自由なリフォームができますね

 ・自分の家を持つことは幸せですよね

 ・30歳を過ぎたら持ち家ですよね

 ・退職金があるから遅くとも定年後には住宅ローンは完済できますよ

などなど。

 

そして最終的に、住宅を購入するためのお金の問題をあなたに押し付けます。

売り手はお金の問題を抱える必要はありません。

 

不動産業者は売買手数料を手にできればいいのです。

銀行は住宅ローンを払ってくれれば良いのです。万が一支払いが止まったら家を競売にかけてローン残高を回収し、それでも返済しきれない部分はあなたに請求して取り立てます。仮にあなたが若くして亡くなったら団信でローン残高を回収する手段があります。

 

不動産業者や銀行など、他のプレイヤーはほとんどリスクを背負いません。

あなたが持ち家を選択するとき、お金の問題とリスクを一番抱えるのはあなたなのです。

この差をきちんと知っておくべきです。

 

 

●冷徹な返済計画を立てる

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家を買うなら、返済計画は冷徹な戦略のもとに検討する必要があります。

リスクを取るのはあなたですから、取れるリスクなのかを判断することはとても大事なことです。

 

他のプレイヤーは夢を語ったりアドバイスすることはあっても、お金のリスクは一切背負いません。安全な場所にいることを知っているからです。

 

住宅ローンを組むときの重要な要素は以下の通りです。

 ・できるだけ少ない金額を借りる

 ・できるだけ低金利で借りる

 ・できるだけ早く返す

 ・完済日の設定を定年退職予定日以前にする

 

家は必要なものですが、無理をするとあなたの人生を邪魔したり狂わせる化け物に変わってしまうこともあります。仮にそうなっても、誰も助けてくれません。

 

自分の人生を守り豊かにするために、住宅を買う時は慎重に慎重を重ねて十分な検討することを強くお勧めします。

「資産運用をするにはある程度まとまったお金が必要」という話があります。

これは昔から言われていることですが、現在においては真実も嘘も両方が含まれています。

 

真実の面で考えると、資産運用は運用するために用意した元本の大きさが絶対に必要です。

年で3%増やすとして、1万円で運用している人と100万円で運用している人では利益額が全然違います。

 

1万円の運用 → 年利3%の利益は300円

100万円の運用 → 年利3%の利益は3万円

 

このように、運用額があまりに小さいと、利益も小さなものになってしまいます。ある程度まとまった金額で資産運用を始めるのが有利と言われる理由であり、納得できる面が多いのです。

 

しかし、この点だけ考えて「資産運用をするにはある程度お金が必要なんだ」と考えるのは早計です。

 

 

●毎月1000円で資産運用の経験を得る

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1990年ごろまでなら、資産運用を始めるには数十万円以上のまとまったお金が必要でしたが、2019年現在では資産運用を始めるには、必ずしもまとまったお金が必要ではありません。

 

投資信託ならば毎月1000円から定額購入できる商品が販売されています。資産運用を始めるハードルはかなり下がっていることがわかります。

この点はかなり重要です。なぜなら、早く始めると時間と経験を味方にできるからです。

 

ここに、現時点で資産運用未経験者で、資産運用に使えるお金が0円のAさんとBさんがいるとします

 

Aさんは毎月1万円ずつの定額購入で運用を始めました。

Bさんは毎月1万円の貯金をして、100万円になってから資産運用を始めるつもりです。

 

Aさんは毎月1万円を投資信託の定期購入で資産運用を始めました。

一方のBさんは、Aさんから遅れること8年4か月、ようやく100万円を貯めることができて投資を始めました。

 

Aさんの運用成績はわかりません。運用資金は増えたかもしれませんし、減ったかもしれません。

 

しかし、AさんはBさんより8年4か月の資産運用の実績と経験があります。

Aさんはお金が増えた時の喜びも、減った時の苦しみも知っています。

経験はお金には代えられない価値があります。今度、AさんとBさんのどちらが有利なのかは明白です。

 

 

●資産運用を始めるには若い頃が有利

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資産運用の最大のデメリットである「運用資金がゼロになってしまう」リスクは、常に存在しています。これは初心者でもベテランでも同様に抱えているリスクです。

 

なくしてもかまわないお金は存在しませんが、資産運用では経験値が低ければ低いほど、運用資金がゼロになる事は決して珍しいことではありません。

 

資産運用に「絶対」はありません。最大のデメリットが起こったとしても被害を最小限に抑えるには、小さい金額で早くから経験値を積んでおくことです。

 

1万円を失うことは小さくない打撃ですが、100万円や1千万円を失うよりは遥かに痛手は小さくて済みます。

 

貯金や資産が少ない20代、30代では小さな金額でしか資産運用を始めることができません。無い袖は振れないというデメリットは、失う金額が最小限でありながら、資産運用の経験を積むために有利な時期でもあるのです。

 

1.資産運用の経験値を少額で積み上げる

2.ある程度経験値が高くなった頃にそれなりの金額の資産運用に移る

 

この手順を踏むことで、経験値の小ささによる運用資金損失のデメリットを最小限に抑え、資産運用の経験値を上げることができます。

経験値を手にしつつ、運用資金の損失を最小限に抑えることもお金の知恵の一つなのです。

資産運用と言えば売買で増やすイメージを持っている人がとても多いです。

ドラマや映画、あるいは小説でそのような場面や描写が見られます。

 

また、ネット広告でも「1か月で100万円を1億円にした方法」のように宣伝されることが多いので、知らない人が持つイメージとしては仕方がないのかもしれません。

 

では、売買で資産を増やすことは現実的なのでしょうか。

私は非現実的なことをしていると考えます。

 

 

●売買で資産を増やすことは簡単ではない

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売買で利益を出すことができるという前提で、以下の条件で考えてみましょう。

・最初の資産は10万円

・10万円を売買によって100万円まで増やす

・1回の売買で利益が元本の10%増える

・売買すると必ず成功する

 

負けが一切ない条件という理論値ですが、10万円を100万円に増やすには25回の売買が必要となります。意外と沢山の売買をする必要があります。

 

 

現実には売買によって損が出ますので、それを考慮する必要があります。

以下の設定で考えてみましょう。

・最初の資産は10万円

・10万円を売買によって100万円まで増やす

・1回の売買で10%の利益を出す確率を70%とする

・1回の売買で10%の損失を出す確率を30%とする

 

成功率70%は驚異的な数字ですが、それでも10万円を100万円まで増やすには70回近い売買をする必要があります。

 

 

もっと現実的な数値として、売買で10%の利益を出す確率を55%、10%の損失を出す確率を45%とすると、大体460回ほど売買をすることで10万円を100万円にすることができます。

 

週に3回売買するとしても、単純計算で3年必要です。

 

売買で利益を出すためには勝ちやすい状況で仕掛けることが必要ですので、都合が良い状況が来るまで待たなければいけません。売買を控えなければいけない日や時期が出てくることを考えると、3年で済むことは無いでしょう。

 

 

●売買で利益を出し続けることは非現実的

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今までは売買で利益を出せるという前提で話を勧めてきましたが、

そもそも売買で利益を出すことは可能なのでしょうか。

 

1回や2回ならば偶然利益を出すことはできます。

問題は総合的に利益を出せるかどうかです。

 

売買で勝つためには様々な方法が考えられ、実践されています。

本で紹介される有名な方法もあれば、その人しか知らない独特な方法もあるでしょう。

 

それらの方法に共通することは「未来を予想する」ことです。

少しでも未来を正確に予測するために、過去に蓄積されたデータを分析・活用しているのが、売買で利益を出す事を目的に資産運用している人たちです。

 

しかし、過去は過去の結果に過ぎず、過去に何がどのように起こったからと言って、それが未来と連動するとは限りません。

 

コイントスをして10回連続で表が出たからと言って、次に裏が出る確率が高まるわけではありません。

 

過去をどれだけ分析したとしても、5分先の未来を正確に予想することさえできません。

もし未来を予想できるなら、それだけで大金持ちになることができます。

コンピューターがあってAIが発達しつつある現代社会においてなお、そのことに変わりはありません。

 

売買で利益を出すためには未来を予測する制度を高めなければいけません。

しかし、未来を予測することはできないという厳然たる事実があります。

 

 

●資産運用でも常識が通用する

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売買で安定して利益を出し続けることは、実現できないことをやろうとしているのです。

できないことを実現しようとしている時点で、非合理的です。

合理的に考えるならば、売買で利益を出す方法を選択していけないのです。

 

極一部の人は予測を的中させて高い利益を出している人がいますが、確率論的に考えるとそのような人が存在することもまた当然です。

 

宝くじでも大半の人が損をしますが、ごく一部の人だけが高額当選を手にしています。

これと同じことが売買で利益を出すやり方でも起こっているのです。

 

幸運な人が存在することと、あなたがその幸運を掴むことができるかは別の話です。

常識的に考えるならば、売買で利益を出す資産運用はやらないことが賢明です。

資産運用をするときに銀行に行く人がいるかもしれません。

これは前提から間違っています。

 

銀行に金融商品を買いに行くことは、「百科事典のセールスマンにお勧めの百科事典を聞く」のと同じで、カモにされる可能性が非常に高いです。

 

銀行もまた儲けを得るために商売をしています。それは客の利益より銀行の利益を優先する力が大きく働く傾向にあります。

 

銀行にとって重要なことは、銀行の収益となる販売手数料と管理手数料です。

あなたが購入した金融商品で損失を出しても、銀行は利益を得られる構造になっていますし、あなたの損失を銀行が尻ぬぐいすることもありません。

 

 

●客の利益より銀行の利益

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資産運用のアドバイスは非常に難しい面があります。

経済状況、家族、年齢、抱えている問題は一人一人が全然異なります。

 

人によっては「借金返済から始めましょう」「貯金額を増やしましょう」など、資産運用以前の問題を解決から始めることが正しいこともあります。

 

そのような判断はかなり高度な知識と経験が必要となりますが、片手間で窓口販売をしている担当者がアドバイスできるような内容ではありません。

 

そもそも、銀行員の立場としては、「あなたは借金を返すべきです」「あなたは貯金すべきです」とは言いません。目の前に商品を買ってくれるかもしれないお客様がいるわけですから、わざわざ商売の機会を逃したりはしません。金融商品を全力で売りにいきます。

 

このとき、販売員は銀行にとって利益が出る商品を販売したいと考えています。

銀行にとって利益を出せる商品は以下に該当します。

 

・販売手数料が高い

・継続して請求できる費用が高い(口座管理費用)

 

この項目には「客にとっての利益」という視点がありません。むしろ、客にとって利益を得やすい商品は、銀行にとっては利益幅が小さくなる商品ですから、できるだけ売りたくない商品になってしまいます。

 

客の利益になっても銀行にとって利益が小さければ、銀行内では大きな評価を得ることは難しくなります。同じ売るなら客からの感謝より、銀行内での自分の評価を上げやすい商品を売る傾向になるのは仕方がありません。

 

以前私が勤めていた会社で銀行がきて、金融商品の説明会がありました。銀行の人が力を入れて説明していた商品は「銀行にとって利益が出る商品」ばかりでした。一部に購入を検討してもいい商品はありましたが、買い手にとって良さそうな商品には詳細な説明はありませんでした。

 

 

●主語を見抜くことを意識しよう

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あなたが資産運用として何らかの金融商品を購入しようと考えているなら、銀行にはいかないことをお勧めします。

 

参考程度として話を聞く分にはいいかもしれませんが、銀行で売っている金融商品のうち、あなたの資産形成に役立つ商品はかなり少ないので、時間の無駄となる可能性が高いです。

 

銀行が紹介している商品は、確かに良い商品なのです。

「誰にとって」良い商品なのかを言わないだけです。

 

「誰にとって」という隠された主語が見えるようになると、あなたの資産運用のレベルは一段階上がることになるでしょう。

資産運用には偏見があります。

その代表的なものが「ずるい、汚い、不労所得」です。

 

私たちの多くは汗水たらして稼いだお金こそ偉い、という思いがあります。

しかし、これは建前に過ぎません。

 

現実は、自分が良く知らない方法、あるいはできない方法でお金を稼ぐことができる人たちが羨ましいのです。汗水たらして苦労して働くことでしかお金を稼げないことに不満があるのです。

 

もし、汗水たらして稼いだお金=尊いが成立するならば、デスクワークで稼いだお金も汗水を垂らして得たお金ではないので悪いお金、となってしまいます。

 

「資産運用は悪い事」という考え方は単なる言いがかりにすぎません。

それどころか、資産運用は社会にとって必要なことです。

 

 

●資産運用は広い目で見ると社会貢献になる

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そもそも資産運用とは、お金をどこかにおいて増やそうとする行為全てが当てはまります。

例えば株式の購入・売却、不動産の購入・売却です。

 

そして、先ほど例として挙げた資産運用自体悪い事ではありません。

資産運用をしている人は自身のお金儲けのためです。行動自体は自分の利益のためですが、それがもたらす結果は良いものになります。

 

株式投資は、その会社の事業資金を出すことになります。事業の展開が大きくなる、あるいは新しい事業を始めることで、社会がより便利になる、あるいは新しい価値が生まれます。

 

株式投資家は、企業の成長による株式の価値が増えること、あるいは配当の増加を狙って行う利己的な行為ですが、大きな視点で見ると社会の発展に貢献しているのです。

 

不動産経営もまた同じです。不動産経営をする人がいなければ、私たちは引っ越しのたびに家を買わなければいけません。そんなお金はありませんし、手間もかけられません。

 

しかし、不動産経営をしている人がいるので、私たちは沢山の物件から選んで家を借りることができます。

 

不動産経営をしている人は金儲けのためにしていますが、その結果は家を借りたいと考えている人、あるいは家を買うお金を用意できない人にとって、大きな利益となっているのです。

 

利己的な考えによる行動は常に悪い結果をもたらすわけではありません。

資産運用の観点からすると、結果は実に良いものになっていることがわかると思います。

 

仮に資産運用が悪い事であるならば、とっくの昔に法律で禁止されているはずです。法律で禁止されておらず、一般人でも参加できるということは、少なくとも悪い事ではないのです。

 

 

●資産運用は本当に楽なのか?

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資産運用=不労所得=楽、という図式を持っている人は沢山いると思います。

実践している人間から言わせていただくと、そんなことは決してありません。

 

資産運用の元手は、自分が貯めたお金であることがほとんどです。

元手を貯めるために毎月3万円を3年貯め続けると108万円になります。

この108万円を年利3%で運用すると、1年で3万円とちょっと増やすことができます。

 

貯金3年、資産運用1年を経てようやく手にすることができる金額が3万円です。

この4年間の努力を簡単という人は多くないと思います。

 

どんな方法で資産運用をするのかもまた重要です。同じ株式投資というジャンルでも、人によっては日本株のデイトレード、米国株の長期保有など、方法は多様に存在します。

 

自分に合う方法、より儲けやすい方法を考えて実践して、資産を増やすという結果を残さなければいけません。

 

あるいは、資産運用中は大きなストレスがかかります。運用中の試算は評価額が常に変化し、評価額の変動がプラスに振れてもマイナスに振れても、かなりのストレスになります。

さらには運用しているお金を全て失うかもしれない、という恐怖とも戦っています。

 

これらのことを考えると、資産運用は決して楽ではないことがわかります。

きちんと勉強して、努力して、心理コントロールして、長い期間をかけてようやく結果が出るものです。

 

湖で泳いでいるアヒルと同じで、見た目は優雅でも、目に見えない所では必死になって活動しているのが資産運用なのです。

 

 

●企業も運用によって利益を出している

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実はあなたが良く利用している企業もまた、資産運用で利益を出しています。代表的な企業としては「銀行」「保険会社」が挙げられます。

 

「銀行」も「保険会社」も、客から預かったお金を運用して利益を出しています。あなたが「資産運用は悪い」という考えを持ち続けるなら、銀行も保険会社も悪いことをしてお金を稼いでいることになります。

 

現実問題として、銀行も保険会社も、現代社会ではなくてはならない存在です。

銀行には経済の円滑に回す役割が、保険会社は一般人が経済的に破綻する可能性を減らしてくれる役割があります。どちらも非常に大切な存在です。

 

これらの企業が資産運用をごく当たり前に行っていることが、資産運用は悪いことでないことを示しています。

 

資産運用を毛嫌いすることは勿体ないことです。

それは誰かからの刷り込みや、あなた自身の思い込みである可能性がとても高いのです。

あなたが資産運用を否定的な目で見ているならば、一度冷静に考えることを勧めします。

 

前回は「お金は仕組みで貯める」というお話をしました。

 

近い将来にそれなりのお金を使う目的があれば、貯金額の設定はそこまで難しくはありません。

 

しかし、特に目標はないけれど将来のためにある程度は貯金したいと漠然とした目的ですが、お金を貯めなければいけない場面も出てきます。

 

今回はそのような場合の貯金額の決め方です。

 

 

●基本は10分の1貯金

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貯金額が決められない、だけど貯金が必要という場合は、以前お話しした10分の1貯金を実行しましょう。

収入の税引き後=所得の10分の1ではないことには注意が必要です。

 

サラリーマンならば毎月の収入額はある程度決まっているので、給与明細を見て金額を確かめて、自動引き落とし口座に移してしまいましょう。

 

ボーナスも10分の1貯金の対象です。

忘れないよう設定しましょう。

 

 

●10分の1貯金は貯める力の基本

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稼ぎの一部を貯金する力は、今後のあなたの人生を大きく左右する力になります。

その力は10分の1貯金をコツコツ続けるだけで充分な力になります。

 

10分の1も貯められないという人も、まずは10分の1貯金が最低限求められる基準として、貯金できるように努力してください。

 

面倒な事を先延ばしすると後になってもっと大きな面倒ごとになって返ってくるものです。

対処しやすい時期の多くは問題が確認できた時点です。

この時に速やかに問題を片付けることをお勧めします。

 

10分の1貯金程度なら簡単にできるという人はもっとたくさんの貯金をすることも有効です。貯める力は多ければ多いほど、将来が有利になります。

ただし、貯金のやり過ぎで今の生活が苦しくならないように注意が必要です。

 

 

●お金の問題は「先読み」で対処する

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お金の支出は想定できるものと突発的なものに分かれます。

 

想定できるものは、例えば子供の成長に合わせた支出です。

が必要となる時期がわかっていれば、対応することはさほど難しくありません。

 

しかし、不慮の事故のように突然多額の支出が必要となる事もあります。

これらに対しては概ね200万円~300万円あれば多くの問題に対処できると言われています。

 

先読み対応しないなら、お金の問題で人生が詰んでしまうこともあり得ます。

あなたの人生が、たかがお金の問題で苦境に立たされないためにも、十分な備えをしておくようにしましょう。

皆さんは上手に貯金できていますか?

貯金がうまくできない人の共通点は「自分の意志で貯めようとする」ことです。

 

意外と思うかもしれませんが、お金を意志の力で貯めようとしても、多くの場合は上手くいきません。私もそうですが、手間暇をかけてお金を貯めることはとても大変で面倒なので、すぐに辞めてしまうものです。

 

あるいは使えるお金が手元にある状態で物欲を抑えることは、多くの人には難しいのです。

これは人間の心理的に仕方がない面がありますので落ち込む必要はありません。

 

逆に言えば、そのような心理を逆手に取ってしまうと案外簡単に貯金できるようになります。

まずは貯金できない人のパターンを見ていきましょう。

 

 

●貯金できない人の行動

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貯金できない人の行動はパターンがあります。


<何となく貯めている>
明確な目標がない人は、とても難しい貯金のやり方を取っています。

人間は目標が明確であれば頑張れますが、どこまで頑張ればよいかわからなくなると次第にやる気を失ってしまいます。

 

「沢山のお金を貯める」より「5年間で300万円を貯める」のほうが計画を立てて堅実に実行できます。

 

<年収が増えたら貯める>

これもほとんど上手くいきません。

先延ばししている時点で上手くいかないフラグを自分で立ててしまっています。

「明日」や「そのうち」、「いつか」という日は決して訪れません。

 

現実に年収が増えても、その分贅沢になって生活費が増えてしまうことが多く、結局貯金する余地はなくなってしまいます。

 

あるいは結婚して子供ができると支出が増えてしまうので、年収が増えた分が相殺されてしまうのです。

 

<今月の収入の残りを貯金する>

人は使っていいお金が手元にあるとぎりぎりまで使ってしまう性質があります。

習慣的にお金を使わない人なら別ですが、普通の人なら高い確率で失敗します。

 

<貯める余裕がない>

言い訳する人もまた、お金を貯めることはできません。

 

以上は代表的な「貯金できない行動」です。

こんなことをしていては、いつまでたってもお金を貯めることはできません。

 

お金を貯められる人は「今から」貯める努力をする人だけです。

次の手順を見て、今日を限りに言い訳は終わりにしましょう。

 

 

●第1段階:何のために貯金するのかを明確にする

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あなたが貯金する目は何でしょうか。

それを達成するにはどの程度の金額が必要ですか。

 

お金は使う目的があるから貯めるのです。

必要なお金をイメージがあるからこそ、貯金ができるのです。

これを決めずに貯めることはかなり難しいし、すぐに誘惑に負けてしまいます。

 

 ・●年後に●●を実現したい

 ・そのためには●●●万円必要

 ・だから毎月●万円貯める、ボーナスで●●万円貯める

 

この3つをきちんと説明できるようになることが第一段階です。

 

2年後に留学したいが、費用が100万円必要ならば、

 ・2年後に留学を実現したい

 ・そのためには100万円必要

 ・だから毎月4.2万円貯める(ボーナスは無し)

と設定できます。目標が明確ならば毎月何をすればよいかが明確になりますね。

後はこれを実現するためにどうすればよいかを考えることになります。

 

 

●第2段階:貯まる仕組みを作る

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明確な目標が決まったら、あとは継続して貯金を続けるだけです。

貯金するために最も簡単な手順は以下になります。

 

1.(引き落とし用の口座とは別に、)貯金用の口座を作る

2.貯金用口座に毎月定額を自動入金させる

 

上記の手順を踏むだけでお金を貯めることができるようになります。

 

引き落とし用口座は、多くの人が普段使いの口座から公共料金等の各種引き落としをしていると思いますので細かいことは省略します。

 

ただし、引き落とし口座が複数になっている人は、1つの口座に集約しましょう。

お金の管理が簡単になるうえに、口座内の残金不足で引き落としできなかったという事故を防ぐこともできます。

この機会に一緒にやることをお勧めします。

 

貯金用口座を持っていない人は、これを機会に新しく作りましょう。

入金はするが出金しない口座として、目標額に達するまでひたすらお金を貯め続けます。

 

勤め先の会社で財形制度がある場合はそちらを使いましょう。ほとんど手間をかけることなく手続きが完了します。

 

あなたが自分で口座から作る場合は、以下の基準で銀行を選択します。

これからの貯金を任せる銀行ですから、あなたのパートナーを選ぶ気持ちで厳しい目で銀行を選択しましょう。

 

<銀行を選択する基準>(上に書いてあるものほど優先順位が高くなります。)

・自動積立制度がある(必須条件)

・あなたにとって必要な積立額を設定できる

・金利面で有利

・あなたが良いと思う銀行

 

会社の財形制度でも、あなたが作る貯金用口座でも同じことですが、貯金するうえで最も有効な方法は自動積立です。

お金の移動は銀行に任せてしまえばいいのです。

これによってあなたは面倒なことをすることなく貯金できる体質になれます。

 

面倒な事はあなたの目標を妨げる大きな敵です。

だからこそ、あなたの意志に関係なく、勝手にお金が貯まる仕組みを使うことが最善です。

 

多くの人はお金が手元にあるとすぐに使ってしまうものです。

ならば最初から手元に置かず、普通預金の残高から自動的に見えなくすることが有力な対策となります。

 

最初に仕組みさえ作ってしまえば、あとは時間と共にお金が貯まっていきます。

あなたが最初に設定した金額が適切ならば、あなたの目標額を貯めることは決して難しくありませんし、日常生活でお金がなくて困ることもほとんどありません。

 

 

●自動積立はお金を貯める大切な知恵

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仕組みさえうまく使うことができれば、あなたの意志と闘う必要も、お金を貯める才能も努力も必要ありません。

このような簡単なことに気が付くだけで、時間とお金を有効に使えるようになります。

 

お金を貯めることができると、目標を達成するだけではなく、自分に自信を与えてくれます。

どんな方法を選ぶにしても、目標金額を貯めることができれば、それが正解です。

 

私は可能な限り手抜きができる自動積み立てをお勧めします。

これは単純で、しかし重要なお金の知恵に他なりません。

 

最大の敵は、せっかく知った知識を上手に活用しないことです。

ただ読んだだけでは何も変わりません。ぜひ貯金する仕組みを利用してみてください。

最初の行動は小さいですが、10年後には大きな違いが出てくることになるでしょう。

今回は買い物と借金についてです。

借金の使い方を間違えると、確実にあなたに経済的ダメージを与えます。

 

基本的に借金は悪であり、借金をしないことが大正義です。

どうしても借金をせざるを得ないならば、きちんと勉強して、借金があなたの人生の障壁にならないように努力することが必要です。

 

 

●借りて買い物は愚かな選択

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お金を借りて何かを買うことは、個人が100%損をする仕組みになっています。

金の貸し手は利益を得るために貸すのです。彼らの利益の源泉はあなたが払う手数料ですから、借金はあなたが損をする仕組みになっているのです。

 

そのため、あなたがどれだけ節約に精を出して、質の良いものを最安値で買ったとして、借金したお金で買うのなら無意味なのです。

 

あなたの人生で、借金は今あるものを最後にしましょう。

 

 

●呼び名は色々あっても結局は借金

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金の貸し手は様々な工夫を凝らします。

その1つが借金という言葉の言い換えです。

 

親しみやすいネーミングにすることで、借金することへの敷居を低くすることは、金の借り手を増やすことに有効です。その結果、金の貸し手は多くの利益を得ることができます。

 

その戦略は少し考えれば誰でも知っているのですが、現実には高い効果があるため現在でも利用されています。私たちは言葉の本質的な意味より、言葉の響きやイメージをより重視して判断しているのです。

 

 リボルビング払い

 キャッシング

 パーソナルローン

 ある時払い

 ツケ払い

 カーローン

 住宅ローン

 教育ローン

 奨学金

 

これらはすべて借金であり、他にも沢山のネーミングが存在します。

私たちは非常に簡単に借金ができる環境にいることを理解しなければいけません。

 

 

●クレジットカードと上手に付き合う

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クレジットカードは現代社会では必須のアイテムです。

これがないために買うことができない、あるいは予約すらできないものがあります。

 

私たちはクレジットカードとは上手に付き合わなければいけない時代にいるのです。

とはいえ、クレジットカードとの付き合い方は非常に簡単です。

 

全て1回払いにして、返済も1回で済ませる。

これを厳守するだけです。

 

クレジットカードも借金ではありますが、借金が問題となるのが

・借りた金を返せない

・借りた金に利息が付く

という点です。

 

この2点をクリアできるのであれば、クレジットカードはあなたの良きパートナーとなるでしょう。

 

逆にこれを守れないのであれば、クレジットカードは経済的にあなたの足を引っ張る厄介者となるかもしれません。

 

どうしてもクレジットカードを使いこなせないなら鋏を入れて使えないようにしましょう。

借金を回避することは、クレジットカードの利便性を失ってでも実行すべき大切なことです。

 

 

●住宅ローンは人生最高額の借金

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借金であることがわかっていても、住宅ローンや教育ローンなどは「例外の借金」と考えてしまう人が多いです。

 

しかし、名前が変われど借金であることは同じです。

住宅ローンも借金であり、その金額は数千万円に達します。

ここで誤った判断をすると経済的に取り返しのつかない事態になりかねません。

家を買うときには慎重に慎重を重ねた決断が必要です。

 

3000万円の家を住宅ローンで購入すると、大雑把には次のようなことが言えます。

・売却価格は購入直後から2400万円以下になる

・総返済額は4500万円程度になる

 

立地条件や適用金利など条件次第で大きく変わりますが、基本的には買った値段より安い価格でしか売れず、借りた金額より多く返さなければいけません。

住宅を購入する場面においても、借金が良いものにはなりません。

 

あなたにとって、住宅を買うことが人生で大きな目標ならば、借金の現実を知り、返済計画をきちんと立てて、できるだけ高い確率で返済できるように計画しましょう。