少しペースが落ちている最近の読書の備忘録
電車の中で読むのと、寝る前に読むのが好き。
ただし、寝る前の読書はそのまま明け方まで読んでしまう危険性アリ。電車では乗り過ごしならびに、落涙、にやつきの危険性アリ。
「走る道化、浮かぶ日常」九月
ずいぶん前にTwitterで九月さんの言葉の使い方に興味を持って、本屋で取り寄せて購入。エッセイだったので寝る前に1つずつ読む感じでゆっくり楽しんだ。読むと、ある事象、ある心情、ある状況のイメージが私の心にパシッと届いて、言葉にするとそういうことか!とちょっと嬉しくなる部分と、ちょっとマニアックに掘り下げすぎていて、ついていけない部分に分かれる。寝る前に読むとちょっとだけ疲れる。(そのままよく寝られる)
「私がオバサンになったよ」ジェーンスー
ジェーンスーの対談集。NHKのドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」にハマって以来。たまたま手に入ったのが対談集だった。女性の生き方のそれぞれ(いろんな生き方する人が世の中にはいる)に対するまなざしが公平で、どこにも迎合しない。やや自虐的すぎる部分もあると思ったけど、対談の中で対談相手との距離感を探り合いながら相手の専門や特徴にそって話を聞き、そこに自分の考えを乗せながら落としどころみたいなのを見つけていく感じが面白い。脳科学者の中野信子さんとの章と、「あの子は貴族」を読んだばかりだった山内マリコさんとの章が楽しかった。
「箱男」安部公房
永瀬正敏で映画化されると聞いて、本屋で目立つ場所にあったために購入。通勤電車の中で読み始めたが、朝日のまぶしさをかき消すくらいの重さと暗さを持つ文章にウウっとなりながら読み進む。箱男になめまわすような視線で見られているような恐怖と、ツーンと匂ってきそうな人物描写がきつい。そして、朝にそぐわない夜の描写が出てくると、車内で読むものではないなと思って閉じた。それきり開く元気がなく離脱。ああ、映画公開までに読める気がしない。いきなり映画を見てみようか、悩みどころ。
「偽りの春 神倉交番 狩野雷太の推理」降田天
新千歳空港の本屋で手に取ってなぜか購入。執筆とプロット担当の2人の作家ユニットらしい。文庫本を買うときは、裏表紙にある紹介文を読んで決めることが多い私の興味をそそったワードは「老老詐欺グループ」。だまされる側に描かれることの多い老人がだます側にもいるってちょっといいじゃない?
老々介護とも違う新しい老後の描写だろうか。
薄くてするっと読めてしまう1冊、老老詐欺の話が一番面白かった。どれもちょっと胸が痛い結末で読後感はさわやかではない。
「その扉をたたく音」瀬尾まいこ
これは、さわやか。さわやかな1冊。「普通さ」というか、特別な人は出てこず、自分の周りにもいそうな人たちの物語。彼らの日常を生きる様子が弱さを含めて人間らしい。それでいて流れに無理がなく、老人ホームのおじいさんお婆さんも出てきてにぎやかで。最後ちょっとほっとする。ただ、帯に書いてあった
「いた 天才が」という大きな文字にひかれて買った身としては想像していたものと全く違う物語だった。ドラマチックなサクセスストーリーを想像して読むと、ギャップが大きい。
これから読むのがとっても楽しみなのが
「ぎょらん」町田その子
52ヘルツのくじらたち を見に行った後だったので本屋さんで見つけて迷わず購入。これは面白そう。のめりこみそう。
まだまだ本を読みたい、できれば爆笑しちゃうような楽しい本が読みたい。どうも5月は気持ちが沈みがちなので。