一昨日の真夜中。
突然、自宅1階から、雑巾を引き裂くような悲鳴が上がった。
先日旅した“水木しげるロード”の影響か
妖怪村をウロウロしている夢を見ていた私は
突然の悲鳴に驚きつつも
半分は妖怪たちに意識を引っ張られたままの状態で
果たして我が家に何が起こったのか、
冷静に事を把握する体勢が取れなかった。
この時点で、まだ寝たままの状態。
時計を見ると午前1時過ぎ。
さっきの悲鳴は、間違いなく聞きなれた母の声。
だが、まるで不意打ちにあったかのような
なんとも筆舌しがたい間抜けなその悲鳴に何故か私は
「今、下りていったら危険!」と思った。
携帯をつかみ、自室のすぐ側にある階段口から
そっと階下の様子に聞き耳を立てていると
父母の寝ている部屋が騒がしい。
押入れの戸を勢いよく開け放つ音や
何かを叩く音が聞こえてきて
まだ妖怪たちに意識を引っ張られたままの私は
またまた冷静な判断が取れずに
どいうわけか「もしかしたら、我が家に強盗が入ったのかも。」
と思い込み、一人、鼓動を逸らせた。
「オカンの危機管理意識がゆるいから
お風呂かトイレの窓の鍵をかけずに寝ちゃったのかも・・・。
そんでもって、そこから強盗が入ったのかも・・・。」
こんな一世一代のピンチ、果たしてどう対処する?!
私は自室に戻るや否や、なんと、自分だけ逃げる準備を始めた。
とにかく携帯を持ってでなくちゃ!
えーと、どこから逃げよう。
そうだ!窓から出て、軒をつたって屋根に出よう。
そこで身を隠しながら警察に電話すればいい。
災害用として置いてある靴を履いたほうがいいのかも。
あ、財布も必要かも。
いやいや、手ぶらでもいいから今は一刻も早く
身の安全を確保しなくちゃ!
そんなことを考えていると
階下から勢いよく走る足音が聞こえてきた。
その後すぐに裏口のドアが勢いのよい音を立てて閉まった。
「??? 強盗が逃げていった…のか?!」
1階はどうなった?
でも、怖くて様子を見に行けない。
真っ暗な部屋の中(電気をつけると強盗に見つかると思ったから)
携帯を握り締めながら階下の様子に聞き耳を立てていると
父母の話し声が聞こえてきて
そのあと、何事もなかったかのように母が
「やれやれ、もう寝よう寝よう!」と言ったので
どうやら、事件は解決して、両親ともに無事だと理解できた。
その途端、緊張の糸がプツンと切れて
妖怪村から睡魔がお迎えにきたのか
私は、携帯を掴んだままベッドに横たわり、爆睡。
その後、6:00のアラームが鳴るまで、一度も目を覚まさなかった。
起床後、1階に下りていくと、いつものように父母も起きていた。
もしかしたら、あの真夜中の大騒ぎは夢だったのかしら。
そんなことを思いながらご飯を食べていたら、突然、母がこう言った。
「夕べねぇ、お母さんが寝ている布団に大きなゴキブリが出てねぇ。
そりゃあもう、ビックリしたのなんのって。
あんた、下でバタバタしてたのに気づかなかった?」
「は?」
「お父さんが新聞紙で叩いて退治してくれたから、よかったよ~。」
「新聞紙・・・。」
つまり、母の話から真夜中の事件を振り返ると
あの雑巾を裂いた悲鳴は、ゴキブリを発見したときのもの。
そして、押入れを開けたり、何かを叩いたりした音は
ゴキブリを追って、新聞紙でバシバシ叩いたときのものであり
勢いよく走ったり、裏口のドアが閉まった音は
退治したゴキちゃんを屋外のゴミ箱に捨てに行くときのものだった、ということか。
なんだ、強盗じゃなかったんか。
「あんなにバタバタしてたのに、あんた全く気づかなかった?」
と不思議そうに尋ねる母に
よもや一人で逃げようと企てていたとはとても言えず
「全然気づかなかったよ。」と、私はとぼけながらご飯をかっ込んだ。
そのご飯の、喉通りの悪さよ。
・・・なーんて夢を見た。
と、書きたいところだが、これは本当の話。
「強盗が入った」と思いこみ
真夜中に、マジに脱出方法を考えていました。
おとーさん、おかーさん、親不孝な娘でホントすみません (@_@;)