最後の夏休み:厄介なBBAインターン | ピロの屋本館@ロサンゼルス

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天使の女王の町Los Angelesでの生活記録

 

  2022年夏休み

 

うちの職場は、うちの学校から

インターン学生を取っていたので、

定期的に生徒が学びに来ていた。

 

 

初代インターンは先輩で

私が2人目。

 

 

その他にも、過去に6人の生徒が

学校のラボとして

インターンをしにきていた。

 

 

殆どが良い子だったけど、

例のクラスメイトバカンジーと

もう1人トラブルメーカーがいた。

 

 

名前はマーサと言って、

私と同じ年齢のBBA。

 

 

このBBAマーサ、

化粧がめっちゃ濃くて

目にはタランチュラのような

つけまつげを付けている。

ハスキーボイスで口調が強く、

とにかくよくしゃべる

典型的なBBA。

 

 

最初の頃こそ

よく話しかけてくるので

まぁ適度に仲良くしていた。

でもそのうち、話の中に度々

人への批判が入るようになる。

 

 

クラスメイト、先生、

それから職場の人などのことを、

細かく指摘しては

ネガティブ発言。

 

 

そのため私は、BBAマーサを

危険要因とみなした。

 

 

すると案の定、

途中から妙な行動を

取るようになってきた。

 

 

例えば、

葬儀のアシスタントで、

オスティンやらサンドの従弟のエド

などと教会へ行った時、

私と彼らと喋っていたら、

トイレから戻って来たBBAマーサ、

なにを思ったか、

私の目の前に立ちはばかった。

 

 

私が彼らと

話ができないようにしたんだけど、

これには私も驚いた。

 

 

人の目の前に

背中を向けて立つとか、

失礼通り越して

”え、あなた、大丈夫?”

というレベル。

 

 

更にこんなことも。

 

 

私が花係をやる時に、

インターンできていたBBAも

一緒に行きたければいいよと

サンドから言われたので

私について来た。

 

 

すると、私が運転している間に、

あ~しろ、こ~しろと

デカい声でギャーギャー

横からうっせーことピリピリ

 

 

しかもその言い方が、

〇〇した方がいいんじゃない?

的なサジェスチョンではなく、

『曲がれ!』『停まれ!』

的な完全命令形。

 

 

花輪の置き方でも

イチイチ文句をつけてきたけど、

私はブリオやサンドのやり方を

やっていただけ。

 

 

それからヤツは、

ちょっと妄想が過ぎる面もあった。

 

 

ある日、私とBBAマーサが

また花係を頼まれて

バンを使用した。

 

 

花を運んだ後のバンは

花びらだらけになるので、

後で掃除をする。

 

 

しかし、その日は

ピナの誕生会があったので、

私はインターンだったBBAを

早く誕生会に行かせないとと思い、

職場に到着した時に、

『掃除は私があとでやるから

オフィス行こう、

もう誕生会始まってるし』

と言って2人で向かった。

 

 

すると、誕生会の途中で

ご遺体の引取りが入ったので、

ブリオとバカンジーが

行く事になった。

 

 

BBAマーサはインターンなので、

2時頃に帰って行ったんだけど、

すぐ後に、

私にとある画像をTextしてきた。

 

 

その画像には、

私が停めたバンの辺りに

花びらが取っ散らかっている光景が

写っていた。

そしてこんな文章が。

 

 

『今帰ろうと思ったら、

バンの中の花びらが

こんなに散らかってたよ。

きっとブリオとバカンジーが、

”ピロとマーサが掃除をしなかったよ”

というのを皆に見せつける為に

わざとやったと思うから、

掃除した方がいい』

 

 

ん~~~~っ、

ちょっと待ってな。

 

 

まぁ、”かも”みたいな

書き方はしているけれど、

人がやった行為を証拠もないのに

”わざと”とかは、

滅多なことでは言わない方がいい。

特に職場では。

 

 

それに私は、ブリオと

当時ですでに1年半くらい

働いていたので、

それなりに彼を分っていた。

 

 

彼は基本、

いつもあーなのだ。

で、後から、

たまにだけど掃除する。

 

 

特にファーストコールと言って

ご遺体の引取りとなると、

なるべく早めに行くのがエチケットなので、

バンの中を丁寧に

お掃除しているヒマはない。

 

 

そこでブリオはいつも、

葉っぱ掃除に使うブロワーで

バンの中の花びらを外に吹き飛ばし、

それで出掛ける。

 

 

だからあれはいつものことで、

決してわざとやったわけではないと

私は分かっていた。

 

 

まぁ、あの頃のブリオは

完全にバカンジーに

汚染されていたので、

そんな頃に入ってきたBBAからすると、

奴らが悪者に見えたのだろうけど、

だからと言って

やる事なす事全てが”悪”

なわけではない。

 

 

その辺りの見極めが、

50近くになっても

まだできないかぁ~思いながら、

私はそのTextを無視した。

 

 

これがBBAマーサからしたら、

”私が奴らを庇った”

とでも思ったのか、

そこからBBAの私への態度は

一段と変わっていくのである。

 

 

秋の学期から始まる

デーモンのクラスで、

どの教科書を使うのかと聞かれたんで

教えてあげたら、

それに対してイチャモンをつけてきた。

 

 

学期が始まる少し前に、

学校のブックストアサイトに

先生たちが必要な教科書をアップするので、

生徒はそれらを見て購入する。

 

 

しかしBBAマーサが

サイトをチェックした時、

私が”必要だ”といった2冊以外にも

まだいっぱいアップされてて

全部で7冊だか8冊あったとかなんとか。

 

 

その話に関して、

BBAにこう話してきかせたのを

私はしっかり覚えていた。

 

 

まず、実際に使った教科書を

見たいと言ったので、

私はわざわざ職場に持っていき、

見せながらこう説明した。

 

 

『基本的にデーモンは

この2冊しか使わない。

確かブックストアーのサイトには

7、8冊アップされていたけどね。

サイトにアップされているのは

”推奨”であって”必須”ではないから、

自分で必要だと思うなら

買ったらいいんじゃない。

私はその中の、

エンバーミングの教科書は

元々持っていたよ。

それはデーモンクラスの

論文を書く時に役立ったし、

次の学期には

実際にエンバーミングクラスで

その教科書が必要にはなるから

持っててよかったと思う。

あとはデーモンの好きな

バクテリアとかなんとかの本とかで、

このクラスでは

特に役に立ちそうではない教科書とか』

 

 

私がこう説明しても、

BBAマーサはしつこく何度も

同じ質問をしてきた。

 

 

『本当にこの2冊だけなの?

他には使わないの?』

 

 

何度聞かれようが答えは同じだよ。

 

 

『デーモンは、他の教科書も

推奨としてアップしてるけど、

実際に授業で使ったのは、

私の時には2冊だけ』

 

 

でもあまりのしつこさに

ちょっと病的ななにかを感じだので、

こう付け足した。

 

 

『そんな気になるなら

自分でデーモンにメールして

聞いたらいいよ。

彼、すぐに返事くれるから。

私はこのクラスの先生じゃないから

次の学期でどの教科書使うかとか

はっきり言って分からないし。

もしかしたらデーモン、

私が取った時と

使用する教科書を変えるってことだって

あり得るしね。

彼、今度セカンドエディション

出すとか言ってたし。

とにかく、

メールして本人に聞くのが一番確実。

送ってみなよ』

 

 

彼は、自分が書いた本を

教科書として使ってる。

 

 

これはこの全米にある

Mortuary Schoolの

カリキュラムを決めている

ABFSEという団体から

しっかり認定を受けた本なので、

教科書としての使用が許可されている。

 

 

でもなんか彼、

それのセカンドエディションを

出すんだよ~って言ってたので、

もしかしたら

新しい教科書を使用する

って可能性もあると考え、

私はBBAに、デーモンにメールして

確認することを勧めたと。

 

 

それでもまだBBAマーサは、

同じ質問を数回繰り返したので、

私も同じ返事を数回繰り返した。

 

 

私の言ってること、

そんなに難しいか?もやもや

 

 

ポイントはこうだ。

 

 

星ブックストアーのサイトには

何冊かアップされているけど

それはあくまでも推奨で、

実際に授業で使用したのは2冊のみ。

 

星その他の教科書は、

授業では使用しなかったけど、

論文とかで使いたいなら

買ったらいいんじゃん

 

星実際デーモンにメールして

本人に聞いた方が確実

 

 

それだけ私に散々同じ質問をし、

デーモンにメールして聞け言われても、

しなかったんだろうね。

 

 

学期が始まる1週間程前のある日、

BBAからTextが来た。

 

 

『あんた、私が聞いた時に

2冊って言ったじゃない!

ブックストアーのサイトには

8冊アップされてるんだけど!!』

 

 

もぅ、どーしよ、

この宇宙人。。。もやもやもやもやもやもや

 

 

確か私は1度だけ

返信したと思う。

 

 

内容はもう何度も

繰り返している上記のこと。

 

 

それでもまだBBAマーサは

私にText送ってきて

文句を言い続けたよね~。

 

 

もうここまでなると、

単なるいちゃもんとしか

思えない。

 

 

だから私は無視した。

 

 

私も今まで数多くのBBAと

仕事をしてきたけれど、

このマーサはその中でも

トップ3に入る程、

見事なBBAに出来上がっていて、

さらに狂暴性があった。

 

 

その他にも

常識を疑うようなことや、

法に触れる事も

しでかしたことがあった。

 

 

これはオスティンからの話

なんだけど、

BBAマーサには当時

18だかそれくらいの娘がいた。

 

 

私はその日、休みだったんだけど、

その娘を一度職場に

連れてきた事があったらしい。

 

 

すると何を思ったか、

娘をPrep Roomに連れてって、

丁度エンバーミングテーブルに

乗っていたご遺体を

見せたのだと。

 

 

オスティンが入っていった時、

2人は指でそのご遺体を

『へ~、これが死体なんだ』

と言いながら突いていたらしく、

それを目撃したオスティンが、

『ご遺体に対する

リスペクトがなさすぎる!』

と怒りを露わにしていた。

私にね笑

 

 

ご遺体をそういった扱いをするのも

問題なんだけれど、

もっとマズイのが

実はこれ、法に触れる。

 

 

エンバーミングや

その他ご遺体の準備をする場所には、

法律で、

立ち入れる人が限定されている。

 

 

それは

California Code of Regulations

1221 Care and Preparation for Burial

という事項に明記されている。

 

image

 

 

Prep Roomに入れるのは、

ライセンスを持っている

葬祭ディレクターとエンバーマー、

それに関わる関係者や従業員。

あとは事務局から認定を受けている

Mortuary学校の先生と生徒、

それからご遺族の代表者と、

その人が許可した人だけ。

 

 

ご遺体が中に無い時でも

入れる人は限られていて、

メンテナンスの人やお掃除の人。

 

 

なので、BBA自体は

Mortuaryの生徒として

立入はできるけれど、

ヤツの娘に関しては完全にアウト。

 

 

しかも、ご遺体がある時に、

ピナの許可なく自分の娘を連れて入って、

シーツをめくってご遺体の顔を見たり

指で突くとか、

考えられないわ。

 

 

ご遺体は見世物ではないし、

おもちゃでもない。

 

 

自分の身内が、

もし葬儀社でそういった

見世物的にされていたら

どんな気がするのか。

 

 

そういった感じで

オスティンからの信頼を、

まぁ、最初から無かっただろうけど、

見事に失ったBBAマーサ。

 

 

アホなことにその後、

自分の娘とオスティンを

付き合わせようとしたようで、

当然だけど以来、

オスティンからは

かなり敬遠されていた。

 

 

まだまだBBAマーサネタは

たくさんあるけど、

これだけでも

どんな人間なのかは

きっとお分かり頂けたと思うので、

今日も記事はここまでに

しときます。

 

 

 

ということで、

厄介なインターン、

BBAマーサでした。

 

 

ではではまたね飛び出すハート