最後の夏休み:戦いの火蓋 | ピロの屋本館@ロサンゼルス

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天使の女王の町Los Angelesでの生活記録

 

  2022年夏休み

 

無事にエンバーミングやら

修復クラスやらを終え、

学校の方は順調、、、

かと思いきや、

職場の方では例のクラスメイト、

バカンジーの仕業で、

何かが大きく狂い始めていた。

 

 

2つ前の夏休み記事で

アップした通り、

掃除や片付けなどの、

大変で汚い仕事は一切しない

バカンジーは、

単なるアレンジャーとして

雇われたのに、

私がやるべきヘアメイクを

やるようになっていた。

 

 

といった感じで、

表向き華やかなことばかりを

やりたがる。

 

 

おかしいだろ!

 

このままではいけないだろ!

 

 

そして私はここで、

作戦を考えた。

 

 

それは、、、

 

 

学期も終わり夏休みになったので、

ワークショップに

参加することになったと

嘘をついた。

 

 

週1であることにし、

1週間の間で

自分がやったケースについて、

グループのメンバーたちと

シェアして

スキルアップを目指す

といったものだと。

 

 

なので、

ヘアメイクをする必要があると、

ピナとアンパンに伝えた。

 

 

すると案外あっさり

OKだった。

 

 

で、安心と、

普通はなるんだろうけど、

ここはやはり

そう簡単ではなかった。

 

 

ある日、ヘアメイクがあり、

それをピナが私に

頼んできた。

 

 

まぁそのヘアメイクが

実は大変なケースであった。

 

 

これは以前どっかで

アップしたと思うんだけど、

女お相撲さんのような

巨体なご遺体に、

スリムで美しい

モデルメイクをというケース。

 

 

恐らくピナが私に

頼んできた時、

横にいたアレンジャーおばさんの

アンパンは、私が

”こんなのできない”

とでもいうと思ったのであろう。

 

 

ご遺族が希望している

メイクの写真をプリントアウトし、

私に渡してきた。

 

 

ピナが『できそう?』

って聞いて来たので私は

『うん、やってみる』

と返事をした。

 

 

すると横でその会話を

聞いていたアンパンが

こんなことを言って来た。

 

 

『バカンジーと一緒にやって、

教えてもらいなさいよ!』

 

 

・・・・・は????

 

 

なんで私が

バカンジーと一緒にやって

教えてもらわないといけないの?

 

 

そもそもヤツは、

私がこの前終えた

遺体修復クラスを取ってない。

 

 

エンバーミングは本当に

エンバーミングだけなので、

ヘアメイクを含めた

その他のご遺体のケアは全て、

修復クラスでやるのだ。

 

 

そのクラスを終え、

Apprentice Embalmer

である私が、

なぜクラスも取ってない

単なるアレンジャーに

教えてもらって

やらないといけないのか。

 

 

私はそれをさらっとかわした。

 

 

『別に教えてもらわなくても

できるから大丈夫』

 

 

そして1階へと行き、

早速そのご遺体の

ヘアメイクをはじめた。

 

 

するとしばらくしたら、

バカンジーがやっぱりブリオの

護衛をつけて、

私がヘアメイクしていた

チャペルへと入って来た。

 

 

『Do you need help?』

ぶっきらぼうに

そういったバカンジーに

私もさらっと返事をした。

 

 

『No, I'm okay』

 

 

するとまさかそう

答えられるとは思わなかったようで、

しばらくヤツら2人で

だまってその場に

突っ立ってた。

 

 

すると私の傍にきて

ご遺体を除きこみ

こう言ってきた。

 

 

『その肌の色は

違うと思うけど!』

 

 

なので私はまた

さらっと返事した。

 

 

『どうもありがと』

 

 

するとバカンジー、

”はー???教えてやってんのに、

直すとかもしないで

そんだけかよ!!!”

みたいなすっごい顔して

もうなにも言えなくなって、

不貞腐れて出て行った。

 

 

するとしばらくして、

バカンジーが戻って来た。

それも今度は、

ブリオの他にアンパンをつれて。

 

 

もうほんと、

1人でなにもできないんなら

戦いなさんな!

というのが私が思ったこと。

 

 

アンパンも私の近くにやってきて、

『大丈夫?1人でできるの?』と。

 

 

あのさ、何度同じことを言えば

お馬鹿さんたちは

理解できるのか。

 

 

私の返事は同じだった。

『I'm okay』

 

 

すると3人で

不貞腐れて出ていったんだけど、

おかしいよね。

 

 

できるのか?聞かれたから

できると答えた。

 

 

なのに人を呼んできては

何度も同じ質問をして、

私も大丈夫だと言ってるのに、

そこで

”もし手伝いが必要だったら

いつでも声かけてね!”

で終わるはずが、

なぜ不貞腐れて出ていく

といった行動になるのやら。

 

 

結局、簡単ではないケースだったので

少し時間はかかったけれど、

インターンの子が

途中でお喋りしにきたので、

仲良く会話しながらやって、

最後の方にはピナも見に来て、

ほんの少し手直ししてくれて、

無事終えて帰った。

 

 

翌日がそのご遺体の葬儀だったんだけど、

結果から言うとご遺族は、

ご遺体の見た目に大変満足され、

とても喜んで葬儀を終えて帰られた。

 

 

しかし、それに関して

褒めてくれたのは

ピナとサンドだけ。

 

 

バカンジーはもちろん、

ブリオもアンパンも、

褒めるどころか、その日を堺に

私とはほぼ喋らなくなり、

そしてここからまた

壮絶な嫌がらせが

はじまることとなった。

 

 

ではではみなさま、

また金曜日に音譜