冬休み:冷蔵庫に閉じ込められた話し | ピロの屋本館@ロサンゼルス

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天使の女王の町Los Angelesでの生活記録

 

Winter Break 2021-2022

 

 

大学に戻ってもうすぐ2年、

このMortuary Scienceに入って

1年が経とうとしていた。

 

 

4つあると言われている

難関クラスのうち

3つを終えたこの冬休み、

私はちょっぴり油断していた。

 

 

そんなある日

いつものように仕事に行ったら

その日はオスティンと一緒だった。

 

 

マネージャーのサンドが

私とオスティンに、

翌日の葬儀の準備をするから、

冷蔵庫からご遺体を

出してくるようにと言った。

 

 

私たちは言われた通り

冷蔵庫からご遺体を出そうと、

中へ入って

ご遺体を探していた。

 

 

うちの冷蔵庫には

ドアが2つあった。

 

 

1つは冷蔵庫のドアで、

もう1つは壁に付いているドア

とでも言ったらいいのか。

 

 

どういう事かというと、

家庭用冷蔵庫とは違うので、

部屋のある場所に

ぽこっと冷蔵庫が置いてある

わけではなく、

埋め込まれているというか、

1つの部屋みたくなってる。

 

 

なので冷蔵庫の金属ドアがあり、

その外側に、

普通の部屋の木材ドアがある感じ。

 

 

外からみると、

まさかこのドアを開けると

すぐまたドアがあり、

その向こうが冷蔵庫

とは思わない感じ。

 

 

で、オスティンと中で

作業をしていた時、

後ろでパタンッと

軽い音がした。

 

 

オスティンが、

ドアを開けっぱなしじゃ

冷蔵庫の温度が上がってしまうと

心配したんだろう。

 

 

冷蔵庫の中は寒いので、

短時間ならドアを開けてやる。

 

 

少し作業が長くなる時には

閉めてやることもあるけれど、

その場合は

普通のドアの方を閉める。

 

 

しかしこの日、

オスティンが閉めたのは

冷蔵庫のドアだった。

 

 

私は『はっ!』と気づき、

冷蔵庫の薄暗い中で

ドアの方へ行って

ドアノブを回そうとした。

 

 

けど、そもそもドアノブなんて

あるわけがなく、

その時点で思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はオスティンに言った。

『オスティン!!

ドア閉めちゃったじゃん!

出られないね』

 

 

するとオスティン、

『Oh, &%#$!!!!!』

 

 

 

 

 

私は冷蔵庫の内側から

HELP

と必死でドアを叩く。

 

 

オスティンは横で、

ヤバイとか言いながら笑ってる。

 

 

私はスマホを

持っていなかったから、

オスティンに持っているか聞いたら

幸い彼は持っていた。

 

 

サンドに電話して

助けを求めてと頼んだ。

 

 

で、電話をかけたオスティン、

なぜかまた笑っている。

 

 

なによ?と聞くと、

間違えてスーパーバイザーの

ピナにかけちゃったと。

 

 

そこで私に

『今日休みの人に

電話して

どーすん

じゃい!!!』

と突っ込まれる。

 

 

今度こそサンドに電話すると、

なんとサンドは

出なかった。

 

 

私とオスティンは

冷蔵庫の中から

ドアをドンドン叩いて

助けを求めたが、

普通の冷蔵庫ではないから

ドアはとっても分厚くて、

どこまで聞こえているのか

分からなかった。

 

 

おまけにこの冷蔵庫がある場所は、

関係者以外立入禁止なので、

早々人が来る場所でもない。

 

 

再びサンドに電話を試みるけど

やっぱり出なかった。

 

 

寒いよ~~~

 

 

ひもじいよ~~~

 

 

私は言った。

 

 

『なんで閉めるかな~。

寒いじゃんか!』

 

 

するとオスティンが言った。

 

 

『だって温度上がると思ったから。

それにブリオだって

この前閉めてやってたし』

 

 

私は再び言った。

 

 

『ブリオが閉めたのは、

外側の木のドア。

あれはロックないし

普通のドアだから開くけど、

冷蔵庫のドアは

閉めたら開かんよ、オスティン。』

 

 

すると普段から

表情ほぼ変わらんオスティンが、

ちょびっと表情変えて

『Oh sh#@%!!!』

 

 

ちゃんと出勤してる人に

電話かけてよと

私にどやされながら

オスティンがもう一度

電話を試みる。

 

 

私はニャニャニャニャ

騒ぎなら必死に

冷蔵庫のドアを叩く。

 

 

何度電話しても

サンドが出ることはなかった。

 

 

私もオスティンも

冷蔵庫の中から

必死でドアを叩き叫んだ。

 

 

HELP

 

 

すると突然我々は

ズベッと前につんのめった。

 

 

かと思ったら、冷蔵の中に

一筋の光が射しこんできて

突然ドアが開き、

前にサンドが立っていた。

 

 

私とオスティンが

ビックリした顔で

キョトンと立っていると

サンドが言った。

 

 

『なにしてんだ、お前ら(笑)』

 

 

我々は無事

冷蔵庫の中から

救出されたのでありました。

 

 

 

 

実は冷蔵庫事件は

ブリオにもあった。

 

 

その冷蔵庫は、

ドアをパチンとなるまで

しっかり閉めないと

しっかりロックまでされない。

 

 

職場には男性が多く

あまりそこまで

細かい事を気にしないので、

ロックまでされなくとも

まんまの状態が本当に多くて、

私はいつも気になっていた。

 

 

そんなある日、

冷蔵庫の部屋に入ったら、

やっぱりロックがされてなかった。

 

 

私はすぐさま

ドアを押してロックをし、

冷蔵庫内の電気も

外のスイッチから消した。

 

 

そしてその横で

ログを記録していた。

 

 

すると突然

冷蔵庫のドアが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダダダダーン

 

 

 

 

ともの凄い音を立てたんで

私は

うぉぉぉぉ

と叫んで飛び上がった。

 

 

なんと、

ブリオが中で仕事してたのを、

私が気づかずドアを閉め

電気まで消してしまった

ようだった。

 

 

慌ててドアを開け、

出てきたブリオは

若干ムッとしていたけど、

のちのち聞いたら

かなり恐怖だったらしい笑

 

 

そりゃそうですよね~。

 

 

普段こういった仕事してて

ご遺体には見慣れてると言っても、

そのご遺体が

ズラリと並んだ冷蔵庫内に、

ドアと電気消されて

突然1人置き去りにされれば、

誰でもヒィ~となりますよ笑

 

 

 

 

とまぁこんな感じで、

ブリオと私が

一緒に仕事をすると

なにか事件が起こると

以前記事にアップしましたが、

それはオスティンとも起こり、

やっぱり

インターンと新入社員とか、

新入社員同士とかが仕事すると、

こういった珍騒動が起こったり

するわけです笑

 

 

その後、当然ですが

私とオスティンは、

一緒に冷蔵庫内で

仕事をする時にも、

ドアを閉める事は

なくなりましたとさ笑

 

 

 

それではみなさま、

またね音譜