地獄の3丁目7番地:お別れと先輩の涙 | ピロの屋本館@ロサンゼルス

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天使の女王の町Los Angelesでの生活記録

 

Summer 2021 地獄の9番地

 

 

ある日いつものように

インターンに行った。

 

 

すると先輩とサンドが

なにか喋っていた。

 

 

別に聞いていたわけじゃないけど、

私が言った時にたまたま、

 

『次の場所は、自宅から原チャリで

たったの5分なんだぜ、5分!』

 

と先輩が言っていたことで、

おや?と思った。

 

 

次の場所?

 

 

私が先輩とサンドの方を向いて

聞いた。

 

 

『え?次の場所って?

新しい職場ってこと?

え?辞めるの?』

 

 

すると先輩、

 

『そうだよ!

今度の場所は家から近くて

最高なんだよ!』

 

と、明るく元気に言った。

 

 

えぇ。。。。。

嘘でしょ。。。

 

 

私はとっても寂しく

そして不安になった。

 

 

あの時は2021年6月。

先輩はその年の5月に

学校を卒業していたんで、

その後すぐに

新しい職場を探していたのだろう。

 

 

先輩の自宅から職場までは、

車で1時間半近くかかる。

その距離を、学校行きながら

ずっと通っていたのだ。

 

 

で、6月いっぱいで

辞めるという話ではあったけど、

新しい場所での

手続きやら何やらが

滞っていたようで、

結局7月終わり頃までいることになった。

 

 

当時の私はそのことを、

先輩が本当に通勤を考えた上で、

近場で探していたと思っていたんだけど、

本当の理由は

そんな簡単なことではなかったのだと、

今年になるまで

知らなかった。

 

 

当時、もう少しだけでも

先輩の気持ちや状況を

理解してあげていたら、

もしかしたら先輩はもう少しだけ

長く居たかも知れない。

 

 

けど、当時まだ

ピヨピヨいってるような

インターンだった私には、

そんな事は到底できなかった。

 

 

さて月日は流れ、

いよいよ先輩の

送別会の日がやってきた。

 

 

私はその日の為に、

先輩にとびっきりの

プレゼントを用意してあった。

 

 

ピロの屋の過去記事で

アップしたことがあるけど、

ラーメンタワー笑

 

 

丸い大きめのトレーの中心に、

三角錐の発砲スチロールを

瞬間接着剤で固定し、

その発砲スチロールに、

様々なラーメンを

セロテープでくっつけて

タワーにしたもの。

 

image

トップにちょこんとくっつけた

カップラーメンがお気に入り笑い泣き

 

 

これはね、先輩が休みの日に

職場に持って行っておいて、

当時は使っていなかった

2階のキッチンに隠しておいた。

 

 

パーティーの2,3日前に、

例のクラスメイトの

バカンジーが連絡してきて、

プレゼントとかあげるのか

聞いて来たんで、

ラーメンタワーを作ったと話したら、

お金を半分払うから

私と自分からだと

いうことにできないかと

頼んできた。

 

 

またギリギリになって

連絡してきては、

何もせずにイイ顔するんだろうなと

思ったけど、

ここは先輩の送別会だから、

目をつぶる事にした。

 

 

そして、お金はいらないから、

代わりにカード買って

メッセージ書くように頼んだ。

 

 

当日、食事をしている最中に、

私はラーメンタワーを

コソコソ運んできて、

 

 

『サプラーイズ!!!

クラッカークラッカークラッカークラッカークラッカー

 

 

私とバカンジーからだよ

と言って先輩に渡した。

 

 

サンドとピナは

私が車からせっせと

抱えて運んでいるのを見たんで

この存在を知っていたけど、

その他の人たちは

知らなかったので、

すっごく驚き喜びで

ちょっと盛り上がった。

 

 

先輩がそれを受け取って見ながら、

『これ、ピロが作ったのか?』

と聞いて来たから

『そうだよ!』と答え

どう作ったか説明した。

 

 

先輩は『ありがとな!』

と言って受け取ったけど、

その目には

涙が浮かんでいた泣

 

 

えーーー!?

泣くほどでは~気づき

 

 

と思ったけど、当時先輩は、

その2年後に私が体験することになる

辛い辛い思いをしていた。

 

 

まぁ、ここでは簡単に”孤独”

とだけ表現しておくけど、

そんな時に

私がインターンとして入ってきて、

先輩ととても仲良くなり、

手作りのギフトをあげたことで、

先輩の涙腺が破壊したようだった。

 

 

さすがに、

大の大人、大の男が

人前でラーメンタワーに

ポロポロ涙を流すわけには

いかなかったのだろう。

 

 

若干目がウルルとした途端、

先輩はわざとおチャラけて見せた。

 

 

『やったぜーーーぃ!

ラーメンがこんなに

食べられるんだぜ!

サンド、いいだろ~~~!!!』

 

 

とサンドにフッてみせた笑い泣き

 

 

フラれたサンドも、

恐らく気づいてて、

そこはサラッと

『いい後輩を持ったな笑と。

 

 

先輩は、

『お前らに喰われたら困るから、

車に持って行かなきゃ!』

と言い、

鼻歌と即興ダンスで

ラーメンタワーを持って

消えていった笑

 

 

けどやっぱり先輩は、

少しの間戻って来なかった。

 

 

泣いていたんだと思う。

そして出ちゃった涙を

バレないよう、

少し時間を置いていたんだと思う。

 

 

しばらくして先輩は戻り、

送別会も無事終わり、

そしてそれが先輩の

最後の日となった。

 

 

2021年7月22日の出来事だった。

 

 

 

赤薔薇Have a nice day赤薔薇