以前から家庭菜園はやっていたが、家が密集した住宅地の庭の広さはたかが知れていた。

更に規模を拡げたかったのと、福岡正信さんの「わら一本の革命」を読み、「自然農」や「自然栽培」という言葉を知って強烈に興味を抱いてからはますます広い土地を求めるようになった。
広くて緑が多くて家が密集していない場所。
 
そんな理想を抱き物件を探していると山林付きで庭も広い今の家に出会った。
場所は、全く縁のない道北で、内覧したのは真冬の1月末。
敷地内は雪に埋もれ、土地の状態を確認する余地など無く、高く積もった雪を漕ぎながら家へと入った。
築年数が夫(51)の年齢以上であるので状態はそれなりだった。
気になる部分は自分達でリフォームするつもりでいた。
印象的だったのはまるで計算されたように立ち並ぶ庭の木々と裏山を一望できる居間の窓で、そこから景色を見た瞬間にぶわっとイメージが込み上げた。
雪に覆われた庭を越えたずっと先の小高いところに立ち並ぶ真っ白な針葉樹が美しかった。
夫は仁王立ちで「うん、ここだな」みたいな事を言っていた。
私は「慎重に考えよう」とは言ったもののほぼ心は決まっていた。
子供たちは不安そうにもしていたが写真を撮りつつしっかり見てくれていた。
 
お世話になった不動産屋さんはとても柔らかい雰囲気の方で、愛を持って仕事をされているのを感じた。
その縁もプラスにはたらき、帰宅後の家族会議で仮契約をすることに決めた。
あれ程の景色だから、他にも気に入って即決する人がいたらまずい!と思ったからだ。
雪が融けたらどんな風景なのかと想像していたらそれだけで幸せな気分だった。
小さいころから憧れていた景色の中で暮らせるかもしれない。
潜在的にずっとある気持ちこそが自分の本心であり理想であり大事にすべき事なんだと改めて思った。