それでは、昨日に引き続き東大模試の解説をしましょう。
河合の東大オープン文系数学の第2問です。
東大の整数問題は、比較的難しいことが多いですね。
確率とか微積分の問題の方が取りやすいことが多い印象ですが、この整数問題(ガウスと領域図示の問題)は、比較的取りやすい部類かと思います。
というのも、日ごろの勉強の延長線上に全て解法が乗っかっているからです。
この問題は、2つのポイントを押さえていると、満点解答が作れます。
ポイント① ガウス記号について
ガウス記号について、簡単にまとめましょう
・「xを越えない最大整数」が定義
・x>0の時は、xの整数部分になる
・覚えるべき不等式がある
詳しくは、最後に載せる手書きの解答にまとめておきましたが、要するに整数部分を取り出せる便利な関数だと思ってくれればOK。
基本的には文系の皆さんが見ていると思いますが、理系の受験生ならば、即座に「ハサミウチの原理」も思い出せなければなりませんよ。
ポイント② 常に + 不等式 =最大最小問題
これ、超重要事項!
うちの塾生には、この4カ月で何度いったか分からないほど。
数学では、「常に」とか「任意の」とか「すべての」という言葉が、キーワードです。
何も書かれてないけど、「常に」が省略されている場合もあるので、難しいのですが、とにかくこのワードには敏感にならなければならない。
常に + 等式 ときたら、恒等式
常に + 不等式 ときたら、最大最小問題
この2つを覚えておくだけで、かなり解答の幅が広がります。
常に + 不等式 ときたら、最大最小問題 について、少し補足を。
「常に(どんなxに対しても) f(x)>0が成り立つ」
というのは、
「f(x)の最小値>0」
と同値です。
例えるなら、クラスの最低点のヤツが赤点でなければ、クラス全員が赤点ではない、というのと同じです。
要するに、最大最小問題に帰着できるのです。
この2つポイントを知っているだけで、満点がもらえる。
どちらも、教科書の基礎事項ではありませんが、受験数学を解く上では非常に重要。
ぜひ覚えておいてほしいと思います。
では、手書きの解答を。
さて、この問題。
いわゆる「差がつく問題」だったでしょうね。
出来ない人はほとんど0点。 でも、出来る人は、20点近くもらえます。
細かいことですが、知識があるだけで解ける問題が多数あります。
いいですか、問題を解く量ではありません。知識量です。
せっせと問題集を解きまくるのも良いですが、本を読む、人の話を聞くなど、優良な情報ならば選り好みせずに入手しましょう。 その情報源の中に、このブログを入れてもらえたら嬉しいです。
では、明日は第3問へ。