2017秋の河合オープン第2問
今日は、先週末の河合オープン第2問に行きましょう。
問題はこちら。
差が付く問題でしょう。
まず、初手から分岐しますね。
円に連動する軌跡の問題は、解法を2パターン押さえよう
なんだかゴチャゴチャ言ってますが、分類としては、シンプルな軌跡の問題。
もう少し詳しく分けると、動点Pに対して、点Qが動く問題ですね。
思い出したいのは、この基本問題。
(数Ⅱの軌跡の問題)
この問題を、とても複雑にしたタイプですね。
但し、この問題には別解もあります。というか、その別解の方が良いかもしれません。
それが、三角関数を使う解法。
教科書の目次では、軌跡の後に三角関数が登場するので、三角関数を用いた解法は載っていませんが、
受験数学では非常に有名な解法です。
便利だし、使いやすいし、計算量も減るしと、メリットも多い解法なので、是非覚えて下さい。
このように解きます。
媒介変数(パラメータ)が一つで済みますし、次数も1次のままで済む。
座標平面上に円が登場したら、すぐに反応出来るようにしたいところです。
さてそれを利用して、Pの座標を(cosθ、sinθ)と置きましょう。
すると、直線BPを求めて、点Qを求めて・・・
と、しばらく止まらず筆が進みます。
外心の求め方は、垂直二等分線
次に問題になるのは、外接円の中心の求め方。
頻出というほどではないにしろ、まあまあ問われるテーマの問題です。
解法は主に2つ。
教科書的にも、両方扱われます。
まずは、中1の作図からの発展。
「外接円の中心=垂直二等分線の交点」という事実を利用した解法です。
垂直二等分線は、これまた数Ⅱの図形と方程式に登場します。
テーマとしては、「線対称」として登場するかもしれませんね。
実は、線対称と垂直二等分線は、全く同じ図形の主役が違うだけです。
線対称の軸は、垂直二等分線そのものですからね。
だから、線対称と垂直二等分線は、頭の中で同じ引き出しに入れておくべきものです。
座標平面上での解法は、
①2点の中点が、②直交するという条件を立てます。超基本事項なので、必ず押さえましょう。
もう一つは、2点からの距離が等しい軌跡
垂直二等分線の求め方は、もう一つあります。
それは、「垂直二等分線が、2点からの距離が等しい点の集合」だという事実を利用するものです。
今回で言うと、点Rが、点Aと点Pの垂直二等分線上にありますから、AR=PRという条件や、同じようにAR=QRなどと立てられます。
ちなみに、AR=PR=QRという条件は、それぞれ半径になっているため、当たり前ですね。
ARやPRやQRが半径だからという理由で立式しても、問題ありません。
最後の関門は、軌跡の場所の限定
点Rの座標を求める計算が多少面倒なのですが、出来ない範囲ではありません。
それは頑張るとして、最後の関門は奇跡の場所の限定です。
東大レベルの入試で、軌跡の問題が出るとしたら、まず間違いなく、求めた図形の式全体が答えになることはないでしょう。
媒介変数の不等式が登場し、一部が削除されます。
基本問題で言うと、こういうタイプ。
夏の東大オープンでも、軌跡の問題が出ていて、同じことを書きました。
【世界一早い東大模試解説】2017夏 河合オープン文系第一問(解の配置、軌跡、面積)
では、それを踏まえて、手書きの解答をご覧くださいませ。
初手の発想も工夫が必要で、計算量もやや多い。
ということで、受験生の点数は低そうですね。
ちなみに、点Qの座標をtとおいて解く方法が、河合塾の別解に載っていました。
これに関して、少し補足をしようと思います。
実は、この置換、三角関数に関係があります。
次の画像をご覧ください。
左側が、一般的な置換の方法。
t=tanθ/2と置いて、cosやsin、tanを表します。
これを、くるっと移動させて利用したのが、今回の問題です。(右半分)
ご興味ある方は、ご覧くださいませ。
ずっとこのブログで書き続けていますが、問題文から読み取れる基本情報を整理することや、教科書レベルの基本問題を頭の中で検索することが非常に大切です。
今からでも遅くありませんから、発想に頼らない数学の解法を学んでください。
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