新センター試験の国語の考察。上司の言うことを、しっかり聞こう。 | 東大に文理両方で合格した男が綴る、受験の戦略

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5月16日に、新センター試験、正しくは「大学入試共通テスト(仮称)」の問題例が文科省から発表されましたので、短期シリーズで考察を書いています。
公開されているページはこちら 大学入試センター:モデル問題例等について
 
前回は、国語総合の問題の第一問について、全体を眺めた所感を書きましたが、今回は具体的な問題に踏み込んで見ようと思います。
 
まずは、問題をどうぞ。
長いので、お時間のない方は、適当に読み飛ばして結構です。
 

 

ではまず、設問の問1です。
会話文中で「一石二鳥」が何を示すか答える問題ですね。
しかも、「一石」と「二鳥」がそれぞれ何を答えるのかを、記述させる問題。これはスタンダード!
 
但し現行のセンター試験では、ご存知の通りそもそも記述問題がない点と、問題文が評論文か小説だという点で、この問題と大きく違います。
日常(で、このような会話が親子でされるかはともかく、そういう設定)での会話文を、論理的に読み取る力が求められます。
この文章は、体裁では会話文を装っていますが、ディベートに近いと思って読み取る方が良いでしょう。
 
これまでも、国語の読解では、「何が二項対立にされているか読み取りなさい」という指導が、よくされてきましたが、この問題では、より露骨に意見を対立させています。
特別な背景知識も不要だし、問題文も短い。簡単になったと言って良いかもしれません。
 

さてさて、記述問題では、書き始める前に文構造を決めることから始めます。

ご丁寧に、一石と二鳥の内容を書けとまで指示がありますから、そこまで困らないのが普通なのですが、一つ問題があります。
それが、40字の字数制限。
 
最も単純な書き方が、
「一石は・・・を示し、二鳥は〇〇と△△を示す。」
というような文構造だと思いますが、これでは字数が足りなくなりそうです。
 
とすると、「一石二鳥」という四字熟語において、一石と二鳥が何を比喩しているか、しっかり記述の解答に反映させなければなりません。
一石とは、一つの手段や方策を表し、二鳥とはメリットを表しますから、これを父親のセリフの中から読み取って書けば答えになりますね。

模範解答は
「景観を守るガイドラインによって、治安が維持され観光資源をして活用されること。」
だそうです。まあ、上手くまとめましたという感じ。
現行の大学受験のセオリーに乗っ取って答えられる問題でしょう。
 
 
続いて第二問。
これは、新傾向の問題と言って良いでしょう。
設問としては、ある会社が市に提出した提案書の内容について、市から突っ込まれそうな点を指摘する問題。
要するに、二種類の主張に対して、矛盾する点を発見し、修正するということです。マーク式では出来なかったので、こういう問題を出したくなる心理はよ分かります。
 
先に言ってしまうと、こういう傾向の問題は、第二問でも見られます。恐らくこういう力を受験生に求めているのでしょう。矛盾にツッコミを入れる力を意識しておくと良さそうです。
 
前回の記事で、国語の現代文は「上司の機嫌を伺う力」が大切と書きましたが、まさにその通りですね。市の職員が是としていることに、正しく従えるかどうかがポイントになります。
 
問題の解法としては、市のガイドラインを読み、会社の提案書を読み、矛盾するポイントを見つけて指摘すれば良いので、意図や答え方も簡単ですね。
 
文構造としても
「(会社の提案書のダメなポイント)を、(市のガイドラインの方針)へと修正すること。」
のような構造で書けば問題ないでしょう。
 
今回は、矛盾するポイントが、景観に関することですから、模範解答としては、
「看板は目につきやすい色ではなく、伝統的建築物と調和した色彩にすること。」
となります。
 
もっと細かいポイントを言えば、「目につく」という慣用句の意味を正しく知っているかどうかも問われています。こういう知識って、現代文の授業では軽視されることがあるようですが、非常に大切なので一つ一つ覚えて、語彙を増やしておきましょう。
 
 
ということで、問題の解説は以上ですが、最後に僕からツッコミを入れて終わります。
この架空の会社、アホですね~~(笑)
だってこの資料って、「町並み保存地区」の景観保護ガイドラインというタイトルですよ。

それなのに、景観を壊すような提案書をわざわざ提出するって、ちゃんと資料を読んでないとしか思えません。現実にこういう会社があったら、相手にされなくなるのでしょうか。
 
と架空の会社をいじって遊んでも仕方ないのですが、何が言いたいかと言うと、それくらいわかり易いポイントで設問を作ってると言う事です。

そもそも市の側が最も大切にしているポイントに対して、ズレた提案書を提出させて、受験生に指摘させると。
そのくらいわかり易くないと、問題として難しくなってしまうということなんでしょうか。
ようするに、そんなに込み入った設問は想定されてないってことかな、と思います。
 
という事で、今日は前半の2問の解説でした。次回は後半の2問へ進みます。 
 
 
 
 
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