核兵器と聞くとアレルギーの様に拒否してしまう日本人ですが、知らずに拒否するのはやめましょう。
①核兵器は防御用の兵器である。
核兵器は、通常兵器の数十万倍~数百万倍の破壊力を持つので、一発命中すれば大きな町が一つ無くなってしまいます。そのため、核兵器一発の被害に耐えられる国家は存在しません。
なので、打たれてはいけないという事で、どの国も必死に核戦争を避けようと努力します。
戦争を避けるのに一番良い方法は、核保有国に戦争を仕掛けない事です。
その意味で、核兵器は先制攻撃用の兵器ではなくて、究極の防御用の兵器、つまり戦争抑止効果が最高の兵器だと言えます。
よく、『日本が核兵器を持つと、また戦争を起こしかねなくて危険だ』と言う人がいますが、今の日本の中で”戦争をしたい”と言っている人を見たことがあるでしょうか?私はありませんが。
核兵器を持つ=戦争を始める と考えるのは極めて短絡的だと感じます。
②どの国も核兵器を持ちたい。
また、核兵器はその破壊力があまりにも強大なため、戦力差を無視してしまいます。
例えば、北朝鮮のような貧しくて兵力もあまりない国が、一発や二発の核兵器を持って意味があるのか、と言う議論がありますが、むしろ大いに意味があります。
なぜなら、核兵器を持っていれば、それだけで先制攻撃を仕掛けられなくなるからです。
北朝鮮のような貧しい国にとって、たくさん戦闘機を作ったり軍人を育てたりして年月とお金をたくさんかけるよりも、核兵器を一発もってしまえば、それだけでアメリカからの軍事攻撃を避けられます。(つまり、北朝鮮にとって核兵器は賢い選択でしょう)
③軍事力は外交に利用するもの
最後に、核兵器は今後使われる可能性はほとんどありません。なぜなら、核兵器を使うという事は、自国が滅亡しても良いという覚悟が必要だからです。それだけのリスクを負ってまで、戦争をしたいと思わないでしょう。
では、なぜ各国のリーダーが核兵器を持ちたいと考えるかというと、核兵器が外交交渉のカードになるからです。
むしろ、現在の軍事力というのは、ほとんど全て外交交渉のためにあります。
軍事力がない国は、軍事大国の言う事を聞かなければなりません。それが国際政治だそうです。
なので、核を持つ国と核を持たない国では、絶対的な外交力の差があります。
核保有国は、『核を撃つぞ!』と言わないまでも、背後にある核をちらつかせるだけで、非保有国へ無言のプレッシャーを与えてしまいます。
なので、核保有国は反核運動を積極的に行い、これ以上は核保有国を増やさないようにしているわけです。
最近では、オバマ大統領が『核のない世界を』なんていってノーベル平和賞をもらいましたが、よくもそこ口で言えたものだと思いますね。
日本人でいえば、佐藤栄作首相がノーベル平和賞をもらいましたが、佐藤首相と言えば、非核三原則を作った人です。
『持たず、持たせず、持ち込ませず』
一見素晴らしいようですが、ある意味でアメリカに利用されているとも見えます。
日本は、この核論争において完全に敗北していると言ってよいでしょう。
核兵器にについては、田母神俊雄さんのブログのこの記事がとてもわかりやすいです。