孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)/春陽堂書店

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※本日の記事は腐女子限定でございますわよ、おほほ※

 みなさんこんばんは。
今日はベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーの出演している『フランケンシュタイン』という舞台が映画化したものを見に行くために4.5km歩いて映画館まで行きました。管理人です。もうね、田舎つらい。バス乗ると高いし。
帰ってきて、ふと靴を見たら踵に見事に穴が開いていました。今時の女性にいる???靴に穴いてる奴いる???しかもバス代より靴代のほうが絶対高いし!!!次はもっと耐久性のある靴を買おうと思います。

 靴を買う基準が耐久性って言う時点で女として終わってるなと気づきました。

 さて、本日の本は江戸川乱歩『孤島の鬼』です。
乱歩の長編の最高傑作と名高い本書、もちろん腐女子で知らない人はいないでしょう!!!図書館で借りられるすばらしいBL。でもね、魅力はそれだけじゃないんです。愛する婚約者の死と、その死に付きまとう美しい男、不自然な死を遂げた探偵と、異形のものが集められた島、おどろおどろしい雰囲気で始まったストーリーは手に汗握る冒険譚へ、そして切ない終幕へと読者を誘います。はぁぁ~すばらしい!!!もうね!全部好き!!好きのフルコースやあああああ~~~~!!!

 本書の主人公・蓑浦金之助さんは若いのに総白髪。奥さんも太ももの上の腰のところに大きな赤いあざがあります。その背景には語るも恐ろしい事件があったのです。

 若かりし蓑浦くんは会社で初代さんという女性を好きになります。二人の仲が深まったある日、初代さんは自分の愛する気持ちの証として、大切にしていた自分の家計図を蓑浦くんに渡します。この蓑浦くん、実はモテモテナイスガイで、諸戸という男にも言い寄られています。なんかね~読めば読むほどこの諸戸くん、関ジャニ∞の横山さんを連想させるんですよね、なんでだろう。関西弁しゃべってないのに。どうでもいいけど。

 初代さんとの楽しい日々は、彼女の死という最悪の形で終わってしまいます。硬く復讐を誓う蓑浦くん。しかし、事件現場は完全なる密室、もちろん犯人も分かりません。そこで蓑浦くんは知り合いの深山木さんに事件を依頼しますが、彼も白昼堂々鎌倉の海で刺されて死んでしまいます。そして事件現場には蓑浦くんに言い寄っていた諸戸の姿が……。まさか初代さんに嫉妬した諸戸が二人を殺したのか!?

 いやいや、美しい諸戸は蓑浦くんのために犯人を捜していたのでした。そして犯人を追ううちに、二人は初代と諸戸の出生に関わる恐ろしい秘密にたどり着いてしまうのです……。

以下ネタばれ

 中盤、秀ちゃんの綴る手紙がなんともいえない居心地の悪さと寂しさを演出します。今こんな小説を発表したらいろんなところからクレームが来ちゃうんじゃないかしら……。人工的に作られたシャム双生児、なんとも背徳的でおどろおどろしい趣味なんでしょう。
 私は免疫関係の仕事をしていらっしゃる方と話したことがあるのですが、こんな双子作るのは簡単みたいですよ。実際に胴体がくっついた二匹のマウスを見せてもらったことがあります。しかし、マウスと人間はやっぱり違いますよね……。

 なによりそんな奇妙な実験をしていたのは諸戸のパパだったなんて、心中いかばかりか……。そして幼少期の体験によって女性を愛せなくなっていただなんて……なんて美味しい設定悲しい背景なんでしょう……。
 島での宝探しは先日読んだ『大金塊』のプロットが使われていますね。何度読んでも手に汗握ります。そして何より腐女子としてはここの

諸戸「(中略)君一緒に死んじまおうよ」
蓑浦「ああ死のう。それが一ばんいいよ」
諸戸「死のうよ。死のうよ」

 で腐女子メーター限界になりました。かーらーのー秀ちゃんにも初代にも超嫉妬してましたカミングアウトで管理人のライフはほぼ0です。

 地価迷宮から命からがら生き延びた二人はまるで老人のように生気がなくなっていました。それから蓑浦は秀ちゃんと結ばれるわけですが、そこに届いた諸戸の死の知らせと最後の2行で完全にノックアウトでした。諸戸おおおおおおおおお蓑浦がホモでありさえすればあああああ何もかもうまくいったのにいいいいいいい!!!!!

 もちろん腐女子としてはそれほど蓑浦がいい男だったと解釈するほうが美味しくいただけるんですが、というよりは父の名も母の名も諸戸が最後に呼ぶに値しなかったという解釈のが正しいのかもしれませんね。諸戸の人生の中で、死ぬ間際に名前を呼ぶほど関わったのが蓑浦しかいなかった、そんな孤独な人だったということなんでしょうか。

 さて、私が読んだ角川ホラー版にはもう一遍「湖畔亭事件」という中篇も収められいます。覗きが趣味の男が不運にも遭遇してしまった不思議な事件です。このお話も面白いので是非読んでみてくださいね。それにしても「屋根裏の散歩者」も確か覗きのお話だったような……あれ、乱歩先生もしかして覗きが趣味……?
はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)/岩波書店

¥3,089
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 体重計に不信感を抱き始めました。管理人です。
日によって体脂肪率が全然違うんですよね~。
1日の中でも結構変動するんでしょうか。晩御飯の後は体脂肪率高い、みたいに。
今日もあきらめずに4km歩きましたが結果やいかに。

 さて、本日の本はエンデ『はてしない物語』です。
読んだことはなくても映画のテーマソングは誰でも一度は耳にしていらっしゃるんじゃないでしょうか。「ネーバーエンディンストーォリィィ~♪」ってやつです。
これ今回調べていて知ったんですけど、日本語版は羽賀研二が担当しているようです、なんでそのキャスティングなんだろうwwww

 これから読まれる方にアドバイスなのですが、これは絶対絶対分厚い単行本バージョンで読んだほうがいいです。なぜなら装丁まで含めてこの本はひとつの作品だから!!臙脂色の重たい本の表紙には二匹の大きな蛇がお互いの尻尾を噛んでいる模様の金の刺繍、題名は『はてしない物語』。この本そのものが本の中に登場するという不思議な構造になっており、読んでいるのは果たして自分なのか、本の中の主人公なのか錯覚してしまうほど幻想的な読書体験ができるはずです。

 確かこの本を初めて読んだのは中学生になってからだったかな……?もちろん当時も友達が皆無だった自分は、主人公の色白で病的なグズの少年・バスチアンに自分を重ねて読んでいました。バスチアンが古本屋から持ち去ってしまった本のタイトルは『はてしない物語』。その本の中の世界・ファンタージエン国は今まさに崩壊の危機に瀕していました。その原因を探り出し、世界を救うためにアトレーユという心根の優しくて強い若者が選ばれます。

 アトレーユが苦心惨憺して得た情報によると、どうやらファンタージエン国の外にある人間の世界の者が、ファンタージエンの女王様に新しく名前をつけないとだめなんですね。でもそんな人、もういませんよ…と落胆するアトレーユ。志村!!!志村後ろ!!!!バスチアンいるよ!!!!結構前からお前たちのこと見てるよ!!!

 果たしてバスチアンはファンタージエン国にいって姫君を助け出すことができるのでしょうか。大人も楽しめる素敵な作品です。どうぞエンデの傑作を体感してください。

以下ネタバレ

 ダメなやつが力をもっちゃうとねー……調子乗るよねーやっぱり。

 気持ち分かるよー……。

 ファンタージエン国で望みを叶えるたびに人間の世界での記憶を失うというのはいったい何を表しているんでしょうね。そして望みを叶えるたびに望みが無くなっていくというのも不思議な価値観ですよね。普通欲望って尽きることがないもの。望みをすべてかなえて白痴のようになってしまったかつての人間たちに心底ぞっとしました。そして最後に残った願いが「人を愛したい」というとても純粋なものだというのは、いろいろと苦労してきた大人の方が共感できるのじゃないでしょうか。

 寓話的な価値もこの本の大事なところですが、あふれるほどの鮮やかなファンタジー要素も見所のひとつですよね。ずーーっと昔読んだきりだったのに、夜になると石になってしまうライオンのお話を覚えていました。色とりどりの砂漠も、『無』そのもの、という概念も(確か小松左京か筒井康隆の短編に似たようなお話があったなぁ……)。

 『モモ』とあわせて子供のうちに読んでおきたい名作です。

 
封印再度 WHO INSIDE 講談社文庫/講談社

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 最近確実に太りました。管理人です。
自分の中で「この体重以上になってはならない」というボーダーラインを設置しているんですけれど、超えました。もう脂肪だけ燃えないかな……人体自然発火とかで……。あくまで脂肪だけね。

 さて、本日は森博嗣さん『封印再度』を再読です。
火曜日にドラマの解答編でしたね!この本を初めて読んだのは中学のときだからもう15年前になると思うのですが、そのときはこのトリックを映像で見られるなんて思いもしませんでしたね。
 どうでもいい話ですが、当時持っていた『封印再度』の文庫本、今はもうないんです。なぜならば頭のおかしい兄が家に出たゴキブリをその文庫本で叩いたから。『封印再度』の本を見かけるたびに、今でも表紙につぶれて張り付いたGの姿が目に浮かびます……。

 50年前に起きた不思議な事件の調査のために、「建築学科の調査です(ドヤァ」と嘘をついて香山家の屋敷にやってきた萌絵と浜中。その事件とは、仏画師・香山風采が密室で胸を刺されて死んでいたというもの。胸を刺されているにもかかわらず、その凶器はどこにもなく、自殺か他殺かそれすらもわからずに結局は奇妙な自殺として迷宮入りになってしまったのでした。

 そして50年後、またしても香山家の当主である仏画師・香山林水が亡くなります。今度は密室ではなかったものの、関係者の証言をあわせていくと犯人がいなくなってしまう奇妙な事件。どちらの事件現場にも「天地の瓢」と「無我の匣」という家宝があり、壷(瓢)のほうに血が付いていたので関連が疑われました。

 天地の瓢と呼ばれる壷には中に鍵が入っていて、それを使うことで無我の匣のふたを開けることができるといわれていました。匣の中に凶器が入っていたのかもしれないと考える萌絵。しかし、鍵は壷の入り口よりも大きく、取り出すことができないのです。もちろん壷を割って鍵を取り出すことはできません。この不思議な家宝は事件にどう関わっているのでしょうか。

以下ネタばれ

 『封印再度』と『Who inside』というタイトルがとてもおしゃれですよね。再度壷の中に封印されてしまった謎と、気圧の変化でできた偶然のせいで完成された誰が中にいるのかわからない蔵の密室。気圧の変化で密室ができるっていうトリックは某先生の鍵が大好きな探偵さんの作品にも使われていましたよね。こっちのがオリジナルなのかな?

 鍵の謎のほうは、なんと理科の先生が再現実験をされたことがあるようです!(そのときのレポートはこちら)レポートを読む限りだと簡単に溶けてしまうのですね~。金属ごと溶かさないのにもチャント意味があるんだなぁ、すごい!!

 トリックもそうなんですが、萌絵の死ぬ死ぬ詐欺も今回おもしろかったですねwww
犀川先生ってそんなことで動揺しないイメージだったんですが即効で結婚決めて、「仕事をやめるべきなのか……」って逡巡するあたり普通にピュアな青年でしたね……。

 ドラマのほうでは次回やっと『すべてがFになる』だそうですね!!
四季博士無双を楽しみたいと思います。