はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)/岩波書店

¥3,089
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 体重計に不信感を抱き始めました。管理人です。
日によって体脂肪率が全然違うんですよね~。
1日の中でも結構変動するんでしょうか。晩御飯の後は体脂肪率高い、みたいに。
今日もあきらめずに4km歩きましたが結果やいかに。

 さて、本日の本はエンデ『はてしない物語』です。
読んだことはなくても映画のテーマソングは誰でも一度は耳にしていらっしゃるんじゃないでしょうか。「ネーバーエンディンストーォリィィ~♪」ってやつです。
これ今回調べていて知ったんですけど、日本語版は羽賀研二が担当しているようです、なんでそのキャスティングなんだろうwwww

 これから読まれる方にアドバイスなのですが、これは絶対絶対分厚い単行本バージョンで読んだほうがいいです。なぜなら装丁まで含めてこの本はひとつの作品だから!!臙脂色の重たい本の表紙には二匹の大きな蛇がお互いの尻尾を噛んでいる模様の金の刺繍、題名は『はてしない物語』。この本そのものが本の中に登場するという不思議な構造になっており、読んでいるのは果たして自分なのか、本の中の主人公なのか錯覚してしまうほど幻想的な読書体験ができるはずです。

 確かこの本を初めて読んだのは中学生になってからだったかな……?もちろん当時も友達が皆無だった自分は、主人公の色白で病的なグズの少年・バスチアンに自分を重ねて読んでいました。バスチアンが古本屋から持ち去ってしまった本のタイトルは『はてしない物語』。その本の中の世界・ファンタージエン国は今まさに崩壊の危機に瀕していました。その原因を探り出し、世界を救うためにアトレーユという心根の優しくて強い若者が選ばれます。

 アトレーユが苦心惨憺して得た情報によると、どうやらファンタージエン国の外にある人間の世界の者が、ファンタージエンの女王様に新しく名前をつけないとだめなんですね。でもそんな人、もういませんよ…と落胆するアトレーユ。志村!!!志村後ろ!!!!バスチアンいるよ!!!!結構前からお前たちのこと見てるよ!!!

 果たしてバスチアンはファンタージエン国にいって姫君を助け出すことができるのでしょうか。大人も楽しめる素敵な作品です。どうぞエンデの傑作を体感してください。

以下ネタバレ

 ダメなやつが力をもっちゃうとねー……調子乗るよねーやっぱり。

 気持ち分かるよー……。

 ファンタージエン国で望みを叶えるたびに人間の世界での記憶を失うというのはいったい何を表しているんでしょうね。そして望みを叶えるたびに望みが無くなっていくというのも不思議な価値観ですよね。普通欲望って尽きることがないもの。望みをすべてかなえて白痴のようになってしまったかつての人間たちに心底ぞっとしました。そして最後に残った願いが「人を愛したい」というとても純粋なものだというのは、いろいろと苦労してきた大人の方が共感できるのじゃないでしょうか。

 寓話的な価値もこの本の大事なところですが、あふれるほどの鮮やかなファンタジー要素も見所のひとつですよね。ずーーっと昔読んだきりだったのに、夜になると石になってしまうライオンのお話を覚えていました。色とりどりの砂漠も、『無』そのもの、という概念も(確か小松左京か筒井康隆の短編に似たようなお話があったなぁ……)。

 『モモ』とあわせて子供のうちに読んでおきたい名作です。