『漂流』角幡 唯介 著を読んで。
沖縄、グアム、パラオ、フィリピンなどで家族や関係者の話を聞き、漁師の生き様を追った渾身の長編ノンフィクション『漂流』。
自ら体験し取材するスタイルで、独自のノンフィクションを世に送り出してきた角幡さんは、最新作『漂流』で沖縄の漁師の人生を追う新境地に挑みました。
1994年冬、沖縄県伊良部島・佐良浜のマグロ漁師・本村実さんは、フィリピン人らと共に救命筏で37日間の漂流の後、「奇跡の生還」を遂げます。しかし8年後、本村さんは再び出航し二度と戻ることはありませんでした。九死に一生を得たにもかかわらず、彼を再び海に向かわせたものは何だったのか……?
戦前に南洋で日本のかつお漁とかつお節製造業は、明治の終わりから大正時代にかけてボルネオ、セレベス、パラオといった南方に進出しており、昭和4年ごろからは佐良浜漁師や地元の女工たちが現地に移民として就労するように なりました。南方における漁獲高やかつお節生産の売上高の多くを本土の大企業が占めていたにも関わらず、僻地にある沖縄の漁師たちが数多く雇われた理由は、独自の追い込み漁の技術が重宝されたからだと言われています。
『ナツコ 沖縄密貿易の女王』 (奥野修司 著)
密貿易というのは取り締まる側の言葉だ。祖父は商売と言っていた。当時の沖縄は生産基盤を失った完全な焦土であり、絶望的なほど食糧が不足していた。食べるため、生きるため、祖父はアメリカ軍の目を盗み、基地の物資を略奪した。その物資を台湾の豊かな食料品とバーター貿易するのだ。 そんな時代、夏子という、祖父でも裸足で逃げ出すほどの女傑がいた。抜群のセンスで市場の相場を読み、富を公平に分配する。お尋ね者だが、警察内部の情報にも強く、逃げ足も早い。おまけに絶世の美女ときた。台湾や香港、そして当時沖縄にとって外国だった神戸でも夏子の名を知らぬ者はいなかった。まさに無敵の女海賊だ。
この密貿易に参加した漁師の多くが佐良浜の出身者であったといわれる。
朝鮮戦争の屑鉄高騰時代戦中に沈んだ沖縄近海の沈船から貴重な金属を引き上げ売り飛ばす商売に従事したのも佐良浜の出身者であったといわれる。
木村実さんの生まれた島漁師たちのはアギヤー漁
沖縄県伊良部島・佐良浜漁師 (追い込み漁)で獲ったぐるくんの稚魚などの生き餌を撒き、近海でマグロやカツオを一本釣りする漁法。アギヤー漁は糸満海人によって生み出された漁法で、水深20~30メートルほどの海底に網を張り、数人がかりで泳ぎながら、潮の流れや海底の地形から魚が逃げる方向を読み、網へと追い込む。
沖縄県伊良部島・佐良浜のマグロ漁師・本村実が二度も漂流したのか?
なぜ 海に生きるしかない外国人の船員たちと船に乗るしかない佐良浜のマグロ漁師本村実の生き方をインタビューを積み重ねて迫ります。
登山家は「登山は下山するまでが登山」と言う。漁師の視点を変えて考えたとき「港に魚を取って帰るのが漁」言うならば、「漂流」と「奇跡の生還」とは。
