下敷きで頭をこすって髪を逆立てたこともあったなー | 笛吹きの備忘録

笛吹きの備忘録

おばあさんのモノワスレ対策ブログです。
アマチュア楽団でフルートを吹いています。
お芝居が大好き!
母の着物をリメイクして、着る(ここ大事♪)ことを老後のミッションと決めました。

團菊祭五月大歌舞伎の昼の部を観てきました。


歌舞伎座は賑やかでしたよ。
ほぼ満席だったような…。
インバウンドの観客も多かったですね。
昼の部は、ぶっかえりのある舞踊劇『おしどり』とか、大きなピンセットの出てくる『毛抜』とか、柔道みたいな立ち回りのある『幡随長兵衛』など、言葉が分からなくても楽しめそうな演目でしたから、きっと満足されたのでは…。

三つのなかでは、私は『毛抜』が好きですね。

お姫さまが、髪の毛の逆立ってしまう奇病にかかるお話で、何だかNHK『ライフ』のシュールなコントみたいなんですよ。

奇病の原因は、天井裏に磁石を持った忍びの者が隠れていて、お姫さまの髪飾り(鉄製なのね)を引き寄せていたからなんですが、そんなアホな!とツッコミたくなるでしょ。

なんで、それが分かったかというと、主人公の粂寺弾正(くめでらだんじょう)が、ひまつぶしにヒゲを抜こうと懐から毛抜きを出したら、それが踊るのね、ところがキセルは踊らない。毛抜きは鉄製、キセルは銀製、そこで磁力に気付く!という、でんじろう先生みたいなおもしろ実験の結果なのです。

この弾正は、陽気でチャラいけど、決めるときはしっかり決めるヒーロー(シティハンターの冴羽 獠みたいな?)で、歌舞伎では異色のキャラですよね。

昨年、亡くなられた市川左団次さんのハマリ役で、今回の追善公演では、息子の男女蔵さんが弾正を演じています。

こういう、役者の人柄と相俟った役を継ぐのって難しいでしょうね。志村けんのバカ殿を継ぐみたいなもので…。
男女蔵さんが、これから、どんな弾正を創っていくのか、はい! ここ、注目!の團菊祭でした。