悪の栄えるためしなし! ロシアのウクライナ侵攻にもお裁きを! | 笛吹きの備忘録

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おばあさんのモノワスレ対策ブログです。
アマチュア楽団でフルートを吹いています。
お芝居が大好き!
母の着物をリメイクして、着る(ここ大事♪)ことを老後のミッションと決めました。

歌舞伎座は今日が千穐楽でした。


観たのは、一部の通し狂言『天一坊大岡政談』です。

天一坊は市川猿之助さん、山内伊賀亮は片岡愛之助さん、そして大岡越前守は尾上松緑さんでした。
昔々(1966年のことです)、NHKで『大岡政談 池田大助捕物帳』という時代劇をやっていて、大岡越前守を二代目松緑さん(今の松緑さんのお祖父さん)、そして主役の池田大助を初代尾上辰之助さん(今の松緑さんのお父さん)が演じていて、当時、中学生だった私は、その辰之助さんのキリリと清潔なサムライ姿にウットリ…。
それを知った祖母が、高校の入学祝いで歌舞伎見物に誘ってくれたのが、私の歌舞伎事始めです。
確かな記憶ではないのですが、大阪難波にあった新歌舞伎座での『勧進帳』で、武蔵坊弁慶市川新之助(亡くなられた團十郎さん)源義経尾上菊之助(今の菊五郎さん)、そして辰之助さんは富樫左衛門だったかと…。
この3人は、三之助と呼ばれて大人気だったのですよ。

でもね、初代辰之助さんは40歳で早世されました。
そこで彼の時間が止まっているため、息子さんの四代目松緑さん(彼は今47歳です)を、辰之助さんご本人(ご存命なら75歳…)のように思ってしまうのかも…。
5年前、国立劇場で四代目松緑さんの『坂崎出羽守』を観たときは、陰影の濃い佇まいに紛れもなく辰之助さんだ!と思いましたよ。

…で、今日の大岡越前守は、真っ直ぐで、潔くて、堂々としていて、やはりウットリでした。

だけどねぇ…、お芝居としては、大岡裁きが決まっても…、なんかスカッとしないのですよ…。
上演時間が正味2時間では、突っ走り過ぎなのでは…。
2年前に国立劇場で上演した通し狂言『名高大岡越前裁(なもたかしおおおかさばき)』は4時間くらいあって、ウットリじゃなくてグッタリしましたが、越前守の正義を通す執念がじっくり描かれていて、最後の裁きでは、心から拍手喝采しましたよ。

今日は1部だけでは物足りなくて、2部の『荒川の佐吉』も観ていこうかな…と心揺れたのですが、緊縮財政なので、帰ってきました。

幕見を復活してほしいよぉ!!!