『ザ・ドクター』を観てきました。
久々のがっつりストレートプレイです。
歌舞伎やタカラヅカとは大違いの、地味な衣装にシンプルな舞台装置です。
そして! たっぷりの台詞!
役者の声と動きだけで、観客に空間をイメージさせ、物語を進めていきます。
ちょうど今朝のNHK「おはよう日本」で、主演の大竹しのぶさんがインタビューを受けてました。
観劇後の桑子アナに「疲れたでしょ」と聞くしのぶサン…♪
確かに、一言一句聞き逃さないぞ!と身構えてると疲れますね。
人種差別、ジェンダー、宗教、アルツハイマーなどなど、どの議論も解決を導くことは不可能なんです。
でも、みんな言いたいこと言っちゃいます。
あ~、このまんま不毛な議論が続くのかな~
あとは家に帰って自分で考えなさいって感じで終るのかな~
そういうお芝居はイヤだな~
と思い始めたころ、ヒロインが激しく感情を吐き出します。
それは、どうすることもできない感情なのね。
ぶつける相手もいなくて、ただ、わめき散らすだけ…。
でね、私、気付いたんです。
「どうしようもないこと」は冷静に論じ合うより、勝手にわめいちゃうほうが、聞いてるほうもスッキリするな♪って…。
吐き出したあと、ヒロインはすっくと立って、言うのですよ。
「私は医師ですから」と…。
その爽快感!
そうか、ここに帰結するための膨大な台詞だったんだ…。