お加持の話 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

先日、お寺に来られた顔馴染みの参拝者の方が仰った。最近いろんなことがあって色々大変で、是非お会いしたら背中を叩いてもらいたいと思っていたという風に、私に声を掛けられた

 

お加持をしてもらいたいという意味と、文字通り背中を押してもらいたいという、二通りの気持ちを込めて仰っているのかなと思い、お数珠で背中と頭を加持させて頂いた。

 

さて、お坊さんになって間もない頃に四国遍路の行脚で出会った母娘遍路の方に、娘の病気平癒祈願のためにお加持をして下さいと頼まれたことがある。

 

まだ修行も浅い私にその母親は、お坊さまはお若いようでお加持などなさるのかどうか存じませんが是非にと言われ、可能な限りそれまでの蓄積を全部込めて、病気平癒を祈念させて頂いたものだ。

 

その後、なにがしかの修行もさせて頂き、千日回峰行者の阿闍梨さんにたびたびお加持して頂いたことなども思い出しながら、先日参拝に来た顔馴染みのその信者さんに、万感の思いを込めて、お数珠を当てさせて頂いた。

 

 

 

                おしまい。

 

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