小学生の頃に、友達の家の本棚にあった分厚い単行本の推理小説全集の内の江戸川乱歩の巻を、何度も何度も彼の父親に頼んでは借りて読んだ。最近になって、もう一度その本を見てみたくて図書館で当たりを付けてそれらしき本を何回も借りてみるのだが、少し似ているけれど微妙に記憶と違う。
今回初めて正しい本を検索できた。前に借りていたのは「日本推理小説大系2 江戸川乱歩」(東都書房)で、私が子どもの時に読んでいたのが「現代推理小説体系1 江戸川乱歩」(講談社)だった。
恐る恐るページを開いてみるが間違いない。友達に、乱歩ってこんなにおじいさんだったのか? と言われて気を悪くした口絵の著者近影も、変装に関する箇所ばかりを拾い読みしていた段組みの箇所も記憶通りだ。私の情操を育んでくれた本に再会できて、とても気持ちがいい。
おしまい。
※「ホームページ アジアのお坊さん 本編」もご覧ください。