お坊さんの物言い | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

とあるお寺の職員さんが、御用があってよそのお寺にお手伝いに行ったそうです。

そうしたら、そこのお寺のご住職が、お茶のポットと湯呑みを持って来てくれて、その時仰ったお言葉が、「セルフでいい?」だったとか。

お茶まで持って来てくれて、ご親切なお接待ながら、ちょっとその物言いに、職員さんは違和感を感じたそうで、やっぱり世間の人がお坊さんに対して抱いているイメージというものを壊さない程度に、かつ温和な接し方ができればいいのかなと思います。

私が小僧修行させて頂いたお寺は京都にあったので、よく時代劇の撮影に使われていて、今は国際的な俳優となったW氏が主役を務めるドラマのロケ隊が、撮影に来られたことがありました。

そうしたら、長老格のお坊さまが、右も左も分からない新米の私に、お茶を出しに行けと命じます。

私が緊張していると、大丈夫、この台詞さえ言えれば心配ないからと笑って教えて下さった言葉が、「山の水で入れたお茶でございます」。

さて、W氏の控え所に当てたお寺の中の一室で、言われた通りの台詞を私が言った途端にW氏が、ははー、恐れ入りますとばかり、畏まってお礼を仰って下さいました。

お寺という所はこういうもんなんだなあ、お坊さんというのはこういう風に振舞うべきなんだなあと、その時、はたと合点が行きました。


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                         おしまい。


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