法華経の観世音菩薩普門品というのは大乗仏教のお経だ。そして、観世音菩薩というのは大乗仏教の仏さまなので、日本以外に中国系の仏教(中国、台湾、ベトナム、韓国など)やチベット系の仏教(チベット、ネパール、ブータンなど)ではお馴染みだけれど、インドでは余り観音像を見かけない。
ただ、インドでは仏教そのものが今では盛んでないが、地理的に縁が深いためにチベット仏教寺院は数が多い。そしてその他に、都心部や仏跡地には、テーラワーダ(上座部)仏教、中国系仏教、チベット系仏教の各寺院が建立されており、その内の、中国系やチベット系などの大乗仏教寺院では、観音像を見かけることもある。
さて、ところで、元々、観音信仰はインドで発生した訳だから、大昔は観音菩薩を信仰するインド人も大勢いた訳で、博物館などでは古いインドの観音像を見ることもあるのだから、この菩薩、必ずしも東アジアの大乗仏教に特有のものではない。
インドから中国や日本に伝わった仏教は、慈悲に溢れた大乗仏教に変化した、その象徴が観世音菩薩である、みたいな表現をよく見かけるけれど、本来のインド感に満ちた観世音菩薩をイメージしてみたくて、今、岩波文庫の漢訳・サンスクリット原文対照の「法華経」を、観世音菩薩普門品も含めて、カタカナだらけの原文で、最初のページから読み直し始めている。

「世尊よ、如何なる理由で偉大な志をもつ求法者アヴァロキテーシュヴァラ(観世音)は、アヴァロキテーシュヴァラと呼ばれるのですか」
-岩波文庫「法華経 下」243頁
※「ダライ・ラマ 般若心経入門」(春秋社)100頁に、チベット仏教における観世音菩薩について、簡潔な説明が書いてあります。
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