仮面ライダーの最新シリーズにお坊さん役のキャラクターが出て来るそうで、そのお坊さんが自分のことを「拙僧」と呼ぶらしい。宗派の機関紙などのコラムか何かの書き言葉でならともかく、実際にこの一人称を使っているお坊さんは、もう現代の日本にはいないだろうと思う。
さて、「今昔物語集」や「平家物語」では、お坊さんのことは「僧」や「法師」と表現され、僧侶への呼びかけとしては、「御坊」「御房」などという言葉がよく出て来る。
今では「御坊」「御出家」などという呼びかけは、「拙僧」と同じく、時代劇などでしか耳にしないが、これらがいつから「お坊さん」という、現代の呼び方に代わったのだろうか?
江戸時代の文学を調べたら、明治以降の言葉へと至る変遷が見つかるかも知れないと思って、まずは近松の「堀川波鼓」に托鉢僧が出て来たはずだったと思い、これは手元に無いので、図書館で岩波文庫を借りてきた。
托鉢僧は「托鉢の道心者」と表現されており(「道心者」はまあ「修行者」といった意味だ)、そして、お坊さんを表す言葉としては「法師」、呼びかけとしては「御坊」が使われている。
浄瑠璃や歌舞伎に詳しい方からすれば、あの作品にもこの作品にもお坊さんが出て来るじゃないかと思われるかも知れないが、こちらはそれほど江戸時代の古典芸能に明るくないので、当てずっぽうに文献を見ているところだ。
そうしたら、こちらは手元にある絶版の旺文社文庫版「近松世話物集」の「心中天の網島」の中に、「坊様」(ぼんさま)という呼びかけが出て来た。
よし、もう一息で、「お坊さん」だ、と思って気長に他の資料も当たってみようと思っている。
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