私がテーラワーダ修行させて頂いたタイのワット・パクナム寺院には、各国の僧侶が留学に来ていたが、その中にロシアやモンゴルのチベット仏教のお坊さんがたくさんおられた。
私が入寺してすぐの、まだ日本のお坊さんの格好でお寺に居た時は、ラマ僧姿の彼らに、いろいろと指導を受けるように住職に言われた。外国人同士だから、英語でやり取りできるだろうという配慮だった。
やがて私がテーラワーダ僧として得度すると、今度はタイ人僧の指導を仰ぐことになったのだが、彼らはいつまでもラマ僧姿のままで、私の留学僧の先輩で、現在は北部タイでテーラワーダ僧としてご活躍中の落合師が、その時は一旦還俗中で、私を訪ねて来られた時に、あの人たち、まだいるんですか?と、ちょっと呆れ顔で仰っておられたのを、今でも思い出す。
落合師より長く、ずっとパクナム寺にいた彼らは、しかし私のいた年に、住職からの指示で、今後、寺にいるならテーラワーダ僧として得度せよと言われて、全員一斉にラマ僧のあずき色の衣からオレンジ色の衣に変わった。最初は戸惑いもあったようだが、その内に慣れてくると、私などよりずっと早く、テーラワーダ仏教の習慣や法儀に馴染んで行ったのは、さすがだなあと思ったものだ。
そう、ロシアにも、日本人によく似た顔立ちをした仏教徒の民族がたくさんいることを、私はその年にはじめて知ったのだった。
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ロシア連邦のカルムイキア共和国、ブリヤート共和国、トゥバ共和国などには、モンゴル系の仏教徒が多く住む。その内のカルムイキア共和国だけは欧州に隣接し、他の2国はモンゴルに近い。
朝日新聞に、何度かこれらの国々に関する記事が載ったことがある。
2001.7.22.日曜版 「ロシア カルムイア 仏教国 欧州で唯一つの」
2002.11.21. 「トゥバ共和国の静かな戦い」
2004.2.13. 「カルムイア 草原の仏教徒 再び」
2015.10.18. GLOBE誌 「ブリヤート共和国 ウラン・ウデ ロシア仏教の総本山」
朝日新聞だけがこの方面に強いのか、或いは私が他紙の記事を見逃がしているのかは、定かではない。
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