西遊記…調査の結末 | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

先日から孫悟空や西遊記のことが気になっていて、それと台湾で人気の神さま・三太子(サンタイツー)も西遊記に出て来るから、一度そのことも調べなければと思って、ようやく図書館で資料を借りてきた。

全て中野美代子氏の著作ばかりで、前に読んだことのある本も、初めて読むものもあったのだが、結局のところ、中野氏は繰り返し、繰り返し、何年にも渡って同じテーマを暖め深め続けていらっしゃるということが、今回よく分かった。以下、並べてみると…

1980年 「孫悟空の秘密」
1984年 「西遊記の秘密」
1986年 「三蔵法師」
1987年 福武文庫版「孫悟空の秘密」
1992年 「孫悟空はサルかな?」
1995年 福武文庫版「西遊記の秘密」
1999年 中公文庫版「三蔵法師」
2002年 岩波現代文庫版「孫悟空の秘密」
2003年 岩波現代文庫版「西遊記の秘密」
2013年 「なぜ孫悟空の頭には輪っかがあるのか?」

岩波ジュニア新書の「なぜ孫悟空の頭には輪っかがあるのか?」は、つい最近の本なので、今までの内容をコンパクトにまとめた形になっていて読みやすいのだが、他の書もそれぞれに面白い内容を含んでいて、「西遊記の秘密」と「孫悟空はサルかな?」に、三太子=ナタ太子についての説明があることに、今回、初めて気付いたし、特に「西遊記の秘密」におけるナタ太子の説明はとても詳しかった。

また、それとは別に、以前、日本各地の猿神、狒々神について、このブログで書かせて頂いたことがあるのだが、「孫悟空の秘密」には、狒々神や動物のヒヒやオランウータンや各種の猿のそれぞれの共通点や違いについての説明もあった。

近頃、調べたいと思っていた問題が、何のことはない、西遊記の翻訳者にして西遊記研究の第一人者である中野美代子氏の著作に全部書かれていたことが分かって、良かった良かったというのが、今回の顛末。

                            おしまい。

  

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