ネパールの小さなブッダたち | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

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「映画絶景旅! アジア編」(JTB・2014年12月発行)という本に、アジアでロケをしたり、アジアが舞台の映画が写真入りでたくさん紹介されているのだが、見事に自分が見たことのある映画ばかりが載っていたので、我ながら可笑しかった。





などで紹介させて頂いた作品も多少あって、例えば「リトル・ブッダ」「セブン・イヤーズ・イン・チベット」などが、チベット、ネパール、ブータンなどの章に採り上げられている。

そして、「リトル・ブッダ」のロケ地として、ネパールのカトマンドゥ市内とブータンのパロだけが挙げられているのだが、私の手元にある「リトル・ブッダ」のパンフレットには、キアヌ・リーブス演じるブッダの伝記部分の王宮シーンは、この程の大地震で被害を受けた、ネパールのバクタプルだと書かれている。「リトル・ブッダ」の映像の中にも残されているあの美しい町が、あれほどの災害に見舞われたことは、本当に痛ましい限りだ。

黙々と壊れたお寺をみんな一緒に手作業で建て直したり、お寺で祈りを捧げたりしているネパールの人々。そう言えば、アジアの中でもモンスーン気候の国々では、これからが雨期になるのだが、地震で被害に遭ってテントで暮らすネパールの人々が、雨期になったらどうしますかとインタビューされて、雨期になったら、もっと大きなテントを建てますと答えておられたのだが、なんと過不足のない、素晴らしい答えなのだろうか。

「リトル・ブッダ」のパンフレットには、監督のベルナルド・ベルトリッチが、映画製作前にダライ・ラマ14世に謁見した話も載っている。

私は仏教徒ではないのですがと言う監督に対して、法王は「それはいい!」とお答えになったそうだ。「それどころか、私は信仰すら持っていないのです」と、監督が重ねて言うと、「それはなおいい!」と法王。

そして、「ブッダ」に対して「小さな」という形容詞を関したことに関して批判があることを相談すると、「誰の心の中にも、小さなブッダが住んでいると、私は考えています」と、法王が答えて下さったのだそうだ。

被災された方々に対し、慎んでお悔やみを申し上げると共に、順調な復興と人心の安寧を、心よりお祈り致しております。

                         合掌



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