お寺での二礼二拍手は間違いです! | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

前にも一度、似たようなことを書かせて頂いたことがあるのだが、お寺でお参りする時に、神社でするように、二礼二拍手をしている人が、とても多い。

軽めの宗教ブームの中で、仏教ブームに次いで神道までもが一般の人たちに流行り出し、今まではそれほどメジャーでなかった「二礼二拍手一拝」の作法が、テレビや軽めの宗教本などで喧伝されることが、非常に多くなった。

今までなら、お寺と神社の参拝作法の違いをきちんと理解していた人たちであっても、普段の神社参りの時に、きっちりと二礼二拍手一拝をしていた人たちなんて、それほど多くはなかった。ただ拍手を2回していただけの人の方が、圧倒的に多かった。

明らかにテレビの影響で、正式な神社の参拝作法が一挙に世の中に広がり出し、そのこと自体は悪いとは言わないが、それが神社であろうが寺であろうが、神仏全般に対する正しい作法であると信じて、仏前で二礼二拍手をする人が、急激に増え出した。

間違えてお寺で拍手をしている人、というのは昔から決して珍しくなかったけれど、近頃は、きっちりとした「二礼二拍手一拝」を、わざわざご丁寧にお寺の前でなさっている方が、それもかなりの割合でおられるから、間違いなくこれはテレビの悪影響だ。

インターネットで検索してみたら、このことが気になっているお坊さんもおられるようだし、私の知り合いには、お寺で合掌してお参りしていたら、子供を連れた若い母親に、あれは間違ってるよ、お母さんのやるのがが正しいから見ててねと言って、目の前で二礼二拍手一拝をされたという、悲しい経験をお持ちの方もいる。

仏教で拍手をする特殊な場合や、お坊さんが合掌で神様をお参りする場合などもなくはないが、そんな特殊な事例は混乱を招くので、ここでは考慮しないとして、とにかくごくごく単純に、お寺での二礼二拍手は間違いです!!


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