遅ればせながら、月食の話 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

先週の皆既月食(2014年10月8日)からは少し日も経ってしまったし、日食や月食のたびに、同じ画像や同じような文章を投稿しているので、どうかとも思ったのだが、この画像を気に入って下さっている方もあるとのことなのと、何より星宿の動きを気にかける宗教家の方々に、是非改めてお伝え致したく、今回は羅喉星(らごうせい)のお話を。

乳海攪拌(にゅうかいかくはん)と呼ばれるインドの創世神話に登場する鬼神ラーフがインド占星術に取り入れられて、漢訳では羅喉星(らごうせい)という星の名となり、日本にも伝わった。
 
タイにもインド占星術はほぼそのまま輸入され、タイ語でラーフはプラ・ラフーと呼ばれており、月を食べるラフーの姿は、置き物や絵画のモチーフとして、タイのあちらこちらでよく見かける。下の画像は、プラ・ラフーが月を飲み込むデザインの、タイ製Tシャツだ。
 
 
              
イメージ 1


月とラーフの神話は、原始仏典のスッタニパータにも記されるほどに、インドでは昔から有名だった。


貪欲を離れ、諸々の感官を静かにたもち、
月がラーフの捕われから脱したように捕われることのない人々、
そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。
              
             (岩波文庫「ブッダのことば」95頁)  

 
さてさて、我ら仏教徒にとって何より大事な部分は、「貪欲を離れ、諸々の感官を静かに保つ」という一節であることを、忘れないようにしたいものだと思う。

 
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