ブッダとビルマの二商人 覚書 | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

ブッダが悟りを開いた直後、まだ菩提樹の下での瞑想中、通りかかったのが、ビルマから来た二人の商人、菩提樹下に坐す世にも神々しい修行者を見て、食物を供養した。
 
この時はまだ仏教教団が発足していなかったので、三宝(仏法僧)が成立していなかった訳だから、仏教史上、最初の在家信者に関するこのエピソードは「二商人の二宝帰依」などと呼ばれるのだが、「釈尊の生涯」(水野弘元 著・春秋社)によれば、ブッダがこの時、何らかの説法をしたかどうか、或いは説法をしたとしても、どんな内容だったか等は、不明だとのこと。

ちなみに、インドのブッダガヤの大塔境内には、ブッダが成道後の第7週目に二商人の帰依を受けた場所だとされる、ラージャヤタナ樹という仏跡がある。

また、この二商人にブッダが与えたブッダ自身の頭髪が、今もミャンマーのシュエダゴン・パゴダに納められているという伝承については、「ビルマ仏教」(池田正隆 著・法蔵館)という本にも細かい説明がある。

以上は以前に見聞したり、本で読んだりしたことだったのだが、今回、インターネットで調べてみたら、仏教学者の定方晟(さだかたあきら)氏が、「二商人奉食の伝説について」という大変、詳しい論文を書いておられることが分かった。この二商人の伝承に様々な枝葉が付いて行く様子を、いろんな経典を年代順に吟味することによって、明らかにして下さっている。

こうした仏典中のエピソードを掘り下げる学者の方も偉いと思うが、こういった特殊なことを調べたい時に、インターネットというものは便利だなあと、つくずく思う。
 
 
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