ちなみにビルラの建てた寺院や巡礼宿(ダラムシャラー)は、ブッダガヤやクシナガラなどにもあって、それぞれが同じくビルラ・テンプルと呼ばれているが、デリーのそれは特に絢爛壮大で、観光客にもよく知られている。
どれくらい有名かと言うと、まずみうらじゅん氏の「見仏記 海外編」で、みうら氏といとうせいこう氏が、このお寺を訪れている。
同じく1990年代の後半に、NHKで放映された「ブッダ 大いなる旅路」の中でも、 ブッダがヒンドゥー寺院に祀られている例として、このお寺が採り上げられている。
また、裏千家の前家元・千玄室氏が2007年に、この寺院の本尊ヴィシュヌ神の前で献茶式を執り行ったことが、新聞記事になっていた。
余談になるが、私の手元にある新聞記事や雑誌にあるだけでも、千玄室氏は世界各地で献茶式をなさっておられるそうだなのだが、その場所は、タイのエメラルド寺院(ワット・プラケオ)、カンボジアのアンコール・ワット、「茶経」を著した茶聖陸羽ゆかりの中国湖州を始めとして、興味深いところばかりだ。
さて、ナーラーヤナ(ヴィシュヌ神の異名)とヴィシュヌの神妃ラクシュミ神を祀るこの寺院、誰もが訪れるデリーというロケーションと、ヒンドゥーのあらゆる神々を併せ祀る派手さのお陰で日本人でも取材しやすいけれど、歴史も浅いし、コルカタやヴァラナシやハリドワールの伝統ある寺院と違って、素人向けのお寺であるのかと言えば、さにあらず。
ここを訪れるのが初めてだというインド人と一緒に、このお寺を参拝したことがあるのだが、彼は本当に心の底から感動し、こんな素晴らしいお寺を初めて見たと、感涙にむせんでいた。
どんなにインド通を気取っても、やっぱりヒンドゥー教徒ではない外国人の我々には分からない、全く違った基盤と心性で以って、インド人はヒンドゥーの神々とお寺を捉えているんだなと、その時、思ったものだ。
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